STARTREK

 CSで、今、スーパチャンネルが熱い。

 このチャンネルでは、私好みの番組ばかりやってくれていて、うれしい限りである。「アウターリミッツ」(ウルトラゾーン)などは、以前から見たかった番組である。

 また、STARTREK(宇宙大作戦)の、後継シリーズを2本放送してくれている。「STARTREK TNG」「STARTREK VOYAGER」である。

 STARTREKは、カーク艦長、ミスタースポック(耳のとがったバルカン人)のでてくる。、有名なSF TVシリーズであった。アニメ版もやっていた。かなり時間がたったあと、映画化され、更に、先に述べたような2つの新シリーズがはじまった。でも、新シリーズが2つとも、実に面白いのである。特に、VOYAGER(ボイジャー)は最高である。

 STARTREKシリーズは、1話一話のストーリも秀逸であるが、なによりも登場人物の設定がすばらしい。

 第一シリーズだと、人間味、愛情豊かな、判断・決断力のあるカーク艦長(人間らしいミスをするし、感情的にもなる)と、論理を何よりも重視するスポックのやり取りが楽しい。このスポックとのやり取り、友情がまたこのシリーズを盛り上げた要因のひとつだろう。

 スポックは、論理的思考を最高とするバルカン人ではあるが、地球人の血も流れており、感情もまだ残っている。この2つの思考方法のハザマでゆれうごく。100%論理的思考になりたいとして、人間スポックは悶々とするわけだ。

 TNGでも、そのパターンを実にみごとに踏襲しているのだ。ピカード艦長、と、データ少佐である。データは、実はアンドロイドである。ロボットである。であるから、当然、感情はもたない。論理だけである。しかし、彼は、冒険の中で友人でもある他の乗組員との冒険の中で友情、愛情を学んでいく。そして、実に心やさしいアンドロイドになっていく。まさに、スポックの反対の方向にむかっていくのである。スポックは感情から論理へ、データは論理から感情へと。しかし、2人とも実に魅力的な人物であるところは同じである。また、2つの思考のはざまで、揺れ動くところも同じである。

 VOYAGERでは、更に魅力的なサブキャラクターがその役割を果たしている。それがセブン・オブ・ナインである。彼女は、子供のころ、機械生命体ボーグに捕らえられ、ボーグドローンに改造されてしまう。そしてボーグの一員として成長する。ボーグは、単純に機械的思考、行動を取る、きわめて侵略的な種族なのだ。

 彼女は成人?のころに、VOYAGERに捕らえられ、改造部分を取り除かれ、再度、人間として生まれ変わる。だか、一部、ボーグのプラントは体、脳に残っている。また、心も、まさに血も涙もない機械的ボーグである。だが、艦長に少しづつ、人間とはどういうものか、社会とはどういうものか、愛情とは友情とは信頼とは...教育をうけ、次第に人間らしくなっていく。

 彼女がもともともつ、誠実さ、優秀さが発揮され、みるみる彼女は魅力的な人間となっていく。「機械人間」から「人間」へと変貌をとげていくのだ。このセブンが実に、魅力的な女性に描かれているんだ。誰でも、ファンになるだろう。また、美しさも半端じゃあない。これは文章ではわからないので、ぜひ一度みてほしい。

 STARTREKシリーズは、間違いなく主人公の艦長と、副主人公との間で、さまざまが葛藤、友情があり、その中で、人間らしさとは、やさしさとは友情とは...を思い知らせてくれるのが感動的なのである。単なるSFでは、ここまでファンは増えなかっただろう。

 最初のシリーズのSTARTREKを見た方には、ぜひぜひ、VOYAGERを見ていただきたい。

 さて、次は、スーパチャンネルで放送していた映画「ガリバー旅行記」である。

 ガリバー旅行記というと我々は、子供の童話としての、「小人の国」をハッピーエンドの話しとして知っている。でも、原作は、巨人の国、空を飛ぶ国などもあり、大人のための風刺物語である、と聞いていた。

 今回放送していた映画は、まさに、原作にそった風刺ものである。3時間以上の非常に長いものであるが、傑作である。こんな傑作映画をまだまだ私はほかにも見れていないわけだ。 

 「馬の国」の話、特に家畜ヤフーのあたりの記述は、あまりの強烈な社会風刺に怖くなる。それは、違うよ!と反論できない怖さである。

 ほかにもこのチャンネルでは、「燃えよカンフー」など良質なシリーズものが放映されている。お勧めである。600円では絶対に安い。