デジタル録画

 録画といえばアナログVHSテープに決まっている、という時代は終わりつつあるようですね。音楽はすでにテープにアナログで録音する時代は終わっており、デジタルでMD、半導体メモリへとかわっていますが。

 ちらほらと電気店にも、まだ高価ですがデジタル録画のものがあらわれています。媒体は、テープ、DVD、ハードディスクなどがあります。ビデオカメラでは先に、デジタル化は行われています。

 私も、デジタルで動画を取り込める装置を購入しました。I/OデータさんのUSB−MPG2TVです。これに同軸やビデオのピンケーブルをさせば、USB経由でパソコンにMPEG2データ形式を取り込めます。ハードディスクなどを媒体にできるわけです。

 実際に使ってみたのですが、実にきれいな品質でパソコンにデジタル録画が可能です。さすが、DVD品質です。この点については合格点です。また、インターネットでTVの録画予約ができるという面白い機能ももっているので、いろいろ遊べます。

 では、問題点をあげておきます。

1.よく倒れます。

 スタンドのように立てて使用するのですが、太い同軸や、多くのケーブルがそれに接続されます。本体は非常に軽量なため、すぐに倒れます。我が家ではもう、倒れたまま使っています。あれをカタログのように立てるには、机などにねじとめが必要になるでしょう。

2.よくシステムダウンします。

 発売まもないので仕方ないのかも知れません。アップデートに期待したいです。

3.6時間のMPEGデータが作れません。

 6時間の連続録画が可能となっていますが、6時間のMPEG2データは実は作れません。2時間で切り捨てられてしまいます。6時間でオリジナル形式のデジタル録画が可能ということです。6時間録画して、4時間ー4時間30分のところに、ほしいデータがあり、これをMPEG2で取り出そうとしても、できません。これも、使ってみてはじめてわかることです。ファイルの最大サイズの問題にしても、2時間×3ファイルにすればいいことなのですが。改善を期待します。

4.編集機能がうーん...

 さあ、ここが今回の本題です。

 ビデオ信号をデジタル形式であるMPEG2圧縮形式に変換するのは、かなりの処理が必要となります。現在の高速CPUであっても、圧縮作業には膨大な時間がかかってしまうのです。そのため、今市販されている、この機種と同じようなエンコーダでは、ハードウェアによる圧縮を行っています。それが「売り」です。私の機種も例外ではないです。ソフトウェア圧縮のもありますが、大変な時間がかかります。ストレスがたまります。

 この機種のようなハードエンコーダの機種は画像はハードウェアによりリアルタイムに圧縮され、USB経由でPCに入ります。実に快適なのですが、これは実は、ビデオ信号ー>USBへの一方通行なのです。CPUからはこのハードの圧縮機能を使用することができません。

 どんな動画でも、編集をしたくなります。というより私にとっては必須です。でも、取り込んだあとの動画編集には、せっかくのハード圧縮は使用できません。これが大変な問題なのです。さあ、取り込んだ、編集しようとします。付属の編集用ソフトを使用するのですが、このソフトはどのような処理を行っているらしいかというと...

 中間の1秒を削りたいとします。すると、まず、編集ソフトは全部のMEPG2データをデコードします。そして、デコードされたデータから1秒分をけずります。そして、再度、できたデータを圧縮してMPEG2に直すのです。そのときの圧縮には、この機種のハード圧縮機能は使えません。編集はCPUが行っていますが、CPUからはハード圧縮機能を使えないからです。かくして編集後のデータを保管するために、ソフトウェア圧縮が入りますが。、すばらしくストレスがたまるように、非常に遅いです。この遅いのがいやなので、ハード圧縮のをかったにもかかわらず、編集をすこしでもやろうとすると、ソフトウェア圧縮に戻ってしまうわけです。

 どのくらい遅いかというと、もう大変遅いです。私にとっては使い物にならないです。コンピュータ雑誌の評価記事をよんでも、私のような評価をしている人間はいないようです。やはり評価記事は、自分でじっくり使ってみてかいてほしいものです。おまえのコンピュータが遅いのだ?だって、だからハードエンコーダのを買ったんですよ。

 現在のハード圧縮のエンコーダは、あくまでも、TV番組の録画などに使うもので、見たら捨てるといった質の情報に適しています。これならば、完全に合格点です。その動画を編集して情報にする、といった目的には適していないように思われます。(PCに取り込むのはそれが本題だと私は思いますが)

 別に私の機種だけでなくハードエンコードの機種はどれも同じようです。CPUから、直接圧縮機能をアクセスできるような時代がくるまで、(またはCPUがソフトウェア圧縮を鼻歌でできるくらいに早くなるまで)私は編集作業を行いたいと思っている人にはお勧めできません。