2000/11/15 薬

 薬といっても、人間に役立つ薬ではなく、社会を滅ぼす薬の話しです。覚せい剤とかは、なぜだか知りませんが、「くすり」とみんな呼びます。「くすりをやってる」といいます。薬は、草冠に、楽と書きますので、覚せい剤などの麻薬には該当しないはずなのですが。

 覚せい剤を使っていたという事件が多く報道されます。芸能界とかに多いようです。覚せい剤は、ヒロポンと昔呼ばれ戦争直後にはやりました。戦争で恐怖を取り除くために使われたからです。こわいです戦争も。アメリカでもベトナム戦争のころから、麻薬が急速に広がったわけです。

 覚せい剤は、最初、カッコつけですったりするんでしょう。中学生のころの強がりタバコみたいなものです。おらあ、悪の暗黒面にも顔がきくんだぞお、てなノリなんでしょう。カッコつけなわけです。芸能人で多いように感じるのは、芸能界ではカッコつけが必要だからでしょうか?悪い面も知っているというのは、魅力になるのでしょうか?覚せい剤はなぜ恐ろしいのかを考えてみることにしました。 

 仮に麻薬が野原に咲いていたとしましょう。自由にとれるとします。すった人はいつか死ぬでしょうが、毒草なので注意、で終わりでしょう。特に法律も必要ないでしょう。でも、簡単に手にはいりません。したがって、誰かが栽培したり、合成したり、精製してそれを流通させなければなりません。ですから、これで商売をする人がでてくるのです。商売となりますと、大量に流通しますし、普及させようとする人間たちが大挙して現れます。莫大な利益をうむことになります。

 麻薬、覚せい剤はこういったビジネス面を裏に持っているわけです。ですから、怖いのです。まずいのです。麻薬、覚せい剤の取り締まり法律は、くすりをやる人間よりも、そういったビジネスを絶対にやらせないようにする法律といえるわけです。例をあげれば、くわがたも、子供、親子が採集している程度は問題ないのですが、ビジネスになって業者が現れれば、あっというまに根絶やしになってしまうようなものです。

 芸能人が「カッコ付けで、すってた」「ついできごころで」「才能を出すため」といろんな理由で麻薬を買います。すると、このお金はビジネスをしている人間に流れます。そのお金は給料?になり、麻薬流通の組織の資金になり、次回の仕入れ資金となります。

 つまり、組織が大きくなるわけです。資金がふくらみ、組織が大きくなれば、もっと人を増やして、普及させよう、もっと仕入れよう、という発想になるではありませんか。彼らなり営業努力をさらに強くしてしまうのです。普及がさらに進んでしまうのです。すわなくてもいい人まですわせようとするわけです。クスリをやれば、こういったビジネス面での効果を生んでしまうのです。自分が覚せい剤中毒になって、かってにおかしくなって死ぬんだ、なにが問題なんだ、といった問題ではないのです。

 カッコ付けで買ったクスリによって、さらに犠牲者が何名も増えてしまう可能性を大きくしてしまうのです。覚せい剤は「すった人」をダメにするというよりも、「社会」をだめにするといった言葉はここからきているようです。買う人がいて、利益がえられるかぎりは、ビジネスはどんどん拡大します。どんなに規制しても。警察も、流通面をどんどん摘発しているのでしょうが、買う人がいるかぎり、だめなのです。儲かるのですから、彼らもやめません。1人がすえば、だれか別の人間の命も損なっていることになります。だから、買っただけでも、持っているだけでも、犯罪になるのです。すった人間が「いい人かどうか」は問題ではないのがおわかりでしょうか。極論すれば、麻薬をすう人は、加害者としての一面も持つといえるのではないでしょうか。マルチ商法のようなものです。

 麻薬に限りません。どんなものでも、「ビジネス」になる、と認識された段階で、一気に普及するのであります。みんなで買わないことで兵糧攻めにして、麻薬をビジネスにしないようにしましょう。「悪ぶってみたい」程度の欲望で、地獄に落ちるのもどんなもんでしょうか?

 麻薬でいい気持ちになりたいのなら、徹底的に走ったりして体をいじめればいいのです。脳から生体モルヒネが分泌されます。いい気もちになるはずです。スポーツ大好き人間は、生体モルヒネ中毒なんだ、と極論をいうひともいます。でも、これなら、特に害もないようですし、ビジネスにはなりません....あ、ビジネスにはなっているね...

 私は、ビタミンB,C,E複合剤、養命酒、ビオフェルミン、六神丸程度に薬はしておくことにします。