２０００／１１／１３ 頭でかい
私は自慢じゃないが、頭がでかい。
ハワイで自分の頭にあうサイズの帽子をさがした。友人とあらゆる店をさがしたが、とうとう見つからなかった。店員に英語で「ユーのヘッドのサイズでは、特注品になるヨ」といわれた。高校の時、もう１人でか頭がいて、２人で話していると、「巨頭対談」とからかわれた。
小学生のときも、よく転んだが、もろにおでこをうっていたものだ。、水泳でも、水平に浮かぶのが難しい。どうしても、頭が沈み、足が浮く。頭がでかいので、その重みをささえるために、肩がこる。鉄棒では、逆上がりが苦手だが、前回りは得意である。なんとなく、理屈からいっても納得できる。
芸能人は一部の例外を除いて頭が小さい。顔も小さい。芸能人を実際に見ると、顔も頭も小さいのに驚く。男女とも、頭が小さく顔が小さいのが美男美女の条件のようだ。2枚目俳優、若手人気歌手で頭のでかいのは少ない。
たまに、私なみの巨頭の人と話していると、その人の頭と顔の大きさにいらいらする。うっとおしくなる。きっと、私の友人も話していて、うっとおしいだろう。しかし、私の友人には、なぜか背の高い人が多い。だから、あまり気にならないのか？
私の頭を鏡で観察すると、頭蓋骨はマッシュルーム型、顔は意外に小さいことに気づく。まるで、昔のＳＦにでてくる火星人のようだ。上にいくほど、広がっているので、髪の毛が多いようにみられる。少し伸びても「早く床屋にいけ！」とおこられる。
私の兄の２人は頭がでかい。作業帽をかぶっても、頭が入らず、上にちょこんとのっているだけだった。でもラッキーなことに、２人は背がまあ高いので、バランス的には無理がない。奥様はだんなさんの頭の大きいことにあまり、注意していなかったそうで、私に兄貴は頭でかい、といわれてはじめて、亭主の頭のでかいことに気づき、それ以来、顔をみるたびに「本当に頭でかいわあ」と関心しているそうである。
どうも私の場合は、成長ホルモンが体の上がわに偏ってしまったようなのだ。かといって、頭がいいわけではなく悲しい。頭の大きさと内容物には相関関係がないようだ。偉大な業績を残した科学者などを見ると、でか頭は１人もいない、みな、小頭である。（兄の持論） いわれてみてから、いろいろ先生がたをみていると、そのとおりなので頭にくる。
美容整形の権威、高須クリニックの高須克哉医師にＴＶである芸能人が「頭でかいのは直らんでしょう」というと、しばらく考えて、「大手術になりますが、できるでしょう。一度、頭の骨を分解して、けずって、つなぎ合わせますから」 といっていた。しかし、不気味な顔になりそうである。自然に小さくないとだめだろう。
自分では自分の頭をいつも見ているわけではない。だから、自分の頭がでかいのを実感する機会があると、あらためて驚嘆してしまう。「記念写真できたよ」などと写真をみると、友人の頭の１．４倍くらい自分の頭がでかい。平面で２倍の面積に見える。一瞬、自分が前にたっているのか？と遠近法の錯覚で思えてしまう。体積は、三乗できいてくるので、3倍以上でかいことになる。なにつまってんだ？脳の大きさは変わらんのに。調べてみると、どうも、水がはいっているようだ。
ビルから落ちたとしよう。きっと、重いほうが下になるので、頭が下、足が上という杭打ち状態で地面に落ちるに違いない。漫画のように大の字の穴ではなく、深い丸い穴がひとつできるにちがいない。また、頭には水がたくさん入っているので、あたり一面水びたしになり、金魚鉢でも落としたのか？と最初は勘違いするだろう。きたない。
大学時代は、でかい頭にさらにパーマをかけ、アフロ状態になっていたので、もう、写真をみて、嘆くどころではなく、ただ笑ってしまうばかりである。
歴史を紐解くと、巨頭としては石田三成が有名である。かれは敵対する大名から「あの鉢開きの小僧」てな感じで悪口をいわれていた。絵などを見ると、確かに頭がでかい。
今、４２でも髪の毛が豊富なので、まだ、頭のでかさがオブラートにつつまれて軽減されている。そのうち、毛が失われたときが恐怖である。つるつるの世にも珍しいマッシュルーム巨頭老人の完成と相成る。そして、背骨はちぢんで、曲がっていくが、頭蓋骨はちぢまないようなので、ペコちゃんみたいな体のバランスとなるのだろう。ああ、恐ろしい。妖怪ぬらりひょんがあだなとなってしまうのか。（昔はパタリロだったが）
道を歩いていてからまれ、もう逃げようがなかったら、あやまるふりをして近づき、思いっきり相手の頭に頭突きをしてやろうと思う。物理の「運動量保存の法則」からいって、相手の頭は粉砕されるか、私の頭のスイングの数倍の速度で後ろにふっとんでいくことになる。
というわけで今日もでかい頭とつきあって生きております。そうだ、ネットで巨頭ＷＥＢリングでもつくろうかなあ。