2000/10/31 演歌
大人がすきな歌:演歌。歌手は苦節10年の苦労人が歌う。歌唱力ばつぐん。歌詞も人生をほろ苦く描写したもの。幅広い支持。カラオケの定番。
子供がすきな歌:若手ポップス歌手の歌。ぽっと出の新人で苦労しらず。歌唱力などと呼べない下手さかげん。ひどい歌詞。ミーハーだけ。歌など聴いてない。ルックスだけ。
上のような分類をするという類の固定観念は捨て去ったほうがいいですね。最近の歌を聴いていると。固定観念をもっているのは、どうも演歌側陣営に多いような気がします。演歌の人気が衰えてきているというけど、上記のような固定観念にとらわれ、優位性を今でも信じ続けていることにあると思います。
宇多田ヒカルの歌を聴いて、その歌唱力に驚いたけど、そんなのは、はじめりに過ぎなかったんですね。MISIA、小柳ゆきといった、歌のうまいポップス系歌手が続出すると、ああ、時代は変わりつつあるのだなあ、と強く感じます。いやはや、ほんとにスゴイ歌唱力だし、いい歌なんだ。
20年くらい前は、確かに演歌歌手というと、歌がうまく聞きほれました。そして、ポップス系というと、きゃーきゃーという声に送られて出て行くがきんちょ歌手がへたくそな歌をうたっていたものです。歌など聴いていないようでした。
それがどうでしょう。最近の新人ポップス系歌手は、その歌を一度聞いただけで、とりこになってしまう、魅力的な若い歌手がどんどん出ています。歌はうまく、歌詞もよくジーンとくるし、人気も大変幅広いです。おじさんから、中学生までが、応援しています。そして、いまや、有線放送、カラオケなどはもう演歌の時代ではないのです。おじさんが、MISIAの歌にききほれている、こういう現状を早く理解したほうがいいです。
しかも、横浜松坂屋の前で歌っていた2人などは演歌でないですが、とんでもなく苦労人です。最初は誰も聞いてくれなかった中、好きな歌をうたいつづけていたわけです。よっぽど、ガッツがはいっています。
演歌陣営は、「うちのほうが本物の歌」「歌唱力といえばうち」と思っているのだと思いますが、それは誤っていると思います。演歌がなぜヒットがでなくなったのかを考えないと、演歌はだんだん廃れていくことになります。演歌陣営で本当にああうまいなあという新人を作れなくなってきたのではないでしょうか。もう、歌唱力では逆転していることは確実です。昔の大家は今はうまくても、次第に老化していきます。早く新人を育ててほしいものです。
歌にしても、いい曲が多いんだ。最近のポップス系は。心に染み入ります。思わず口ずさみたくなります。そもそも演歌、ポップスなんていっても、すでに若い人はそんな分類もしないのでしょう。演歌など眼中にない、敵とみなしていないのが、正直なところでしょう。
ポップス系は昔のようにTVの歌番組にばかり出演している、のではありません。連日のように、客(コンサート客)と「サシ」で、真剣勝負のライブを体験しています。はるかにプロです。真剣勝負で腕をみがいている人間に、勝てるはずがないです。
20年前だったら、小柳ゆきも、演歌歌手でデビューしていたかも知れません。でも、今はそうではないのです。演歌はいまのところ、負けているのです。相手を甘く見ているのです。ぜひ、そのことを認識して、また、素晴らしい歌と、歌唱力抜群の演歌新人歌手を発見・育成してほしいのものです。あー、最近いい演歌を聞きたい!