新資格受験心得

1.特種情報処理技術者試験(現:アプリケーションエンジニア)

 論文試験について述べておきたい。かなりの部分が、システム監査試験と共通しているので、過去の拙稿も参照されたい。ここでは、特種独自の注意点を述べておく。

1.失敗談をきちんとかけ!

 過去のアプリケーションシステムの設計経験(つまりSE経験)を元に、いくつかの設問を設けて論述させる。

 ここで問題なのは、いかにその体験やその中での考えをリアリティをもって書くことができるかである。よくやってしまう誤りが、まるで自分はプロジェクトを一点の間違いもなく、完璧にミスなく、注意深く100点満点でやりとげたような感じで書いてしまうことである。完全無欠のSE,そんなことはありえないことはすぐにわかるだろう。開発経験があれば、必ず失敗した点もあるだろう、しかし、自信満々、自分の活躍によって、プロジェクトは大成功したと強調してかいてしまう。もちろん、自分の成功談を中心にすえていいのだ。でも、そればかりの論文を書く人が多い。

 これは、よくない。というよりまずいのだ。巨大プロジェクト、大変なプロジェクトほど、担当すれば、どろどろの状態になり、波乱万丈、ミスあり、勘違いあり、大失敗あり、反省あり、といった感じになるということを、採点官はよく知っている。「完璧にスムーズになしとげた」なんていうと、うそいうんじゃねえ!てな感じをいだくかもしれない。

 ミスしないことではなく、そのミスをどうとらえ、すぐリカバーしたのか?どう補ったのかが重要なのだ。そして、開発が終わって、今、どう、反省し、次の開発ではどうやっていきたいのかを、この論文の中で聞きたいのだ。素直にミスを客観視して書いて、そうして、自分の努力工夫でどう乗り切ったのか、今、どう反省し、決意しているのかを書くことだ。これは採点官の心象をよくする。「ああ、彼は開発の中で反省し、次に生かそうとしているのだな、立派だ」と。

 しかも、そうやって書いた論文は、大変なリアリティと迫力になるのだ。きれいごとと成功談を書いたものよりもはるかにいい。また、ミスのかいてない論文はまるで、自慢話のように聞こえる。こういった論文は誰でも読みたくない。

2.中心人物である必要はない

 システム開発は、多くの人たちの協力によって行なわれる。だから、全体像を描く人もいるし、その一部分を担当する人もいる。100名の中心にいる人もいるし、5人グループの中心になる人もいる。いや、その末端で作業する人もいる。この人たちは全てシステム開発にとって、重要人物なのだ。だから、論文内部で、自分をいつわって、わざわざ、リーダーにする必要はないのだ。与えられ、やり遂げたどんな仕事でもいい。その仕事の体験こそ、重要なのだ。役割をいつわって、論文など書いても、必ず矛盾があるし、読めばうそだとすぐにわかってしまう。

 「私は開発ドキュメントの管理しかやってません」だから、かけません、なんて間違え。かえって、あなたのような人の論文こそ、素晴らしいものになる。自分がドキュメントの管理をした際の、与えられた環境の中での問題点(なまなましく)を書いて、どう解決していったかを書けばいいのだ。

3.人の悪口をかくな

 論文の中で、「私の上司は、怠慢でXXといった本来の調整業務を全然してくれませんした。」「作業グループのAは、間違えが多く」「上司のXXXXは、私たちの諫言をきかず、無茶な開発計画をたててしまいました」なんて、悪口、非難といった馬鹿な表現を絶対にかいてはならない。「本当のことをなんでかいちゃ、どうしてだめなんだ!」などと、思われますか?じゃあ、合格はあきらめたほうがいいです。

 得意がって、システム開発の仲間の悪口を、書いているが、「どこの職場にも、文句ばっかり、人の非難ばっかりしている奴はいる」ので、こいつもその仲間か、とあなたは思われてしまうのだ。損ではないか。そんなこと買いても、誰も、あなたを立派とは思わない。

 うまく、「....だから、私はXXXXXと工夫して、これを乗り越えました」とかいても、やはり、全体が説教くさい文章になってしまう。人の非難の表現をいれてしまうと、あなたの論文は、価値を80%は下げてしまう。

4.感動的にかけ

 論文は、本当にかききれば、読む人を感動させることができるものだ。素直に、プロジェクトの概要、背景、私の立場、仕事の上での課題、どういう工夫で臨んだか、結果としてどこがうまくいったか、どこがうまくいかなかったか、それはなぜか、どうやって乗り切ったか、今度の開発はどうやって取り組むか、こう淡々と書いていけば、合格できるようになっているのだ。

 うまくかけば、採点官は、あたかも自分の若かりし日に、開発チームの一員として開発作業に参加した経験を思い出すだろう、そして貴方の論文に感情移入する。そして、「次回の開発では、私は、XXXXXXに注意し、参加していきたい」といって締めれば、論文に100点をつけることだろう。ただし、わざとらしく、盛り上げないようとして、変なわけのわからん表現は使わないように。

2.面接試験

 資格によっては、面接試験があるものもある。今回は、その対策について書く。販売士などは試験に面接が含まれている。いうまでもなく、弁護士、弁理士、技術士などにも含まれている。(面接というよりも口頭試問であるが)人間相手のコンサル的なこともしなければならない資格についてはみな含まれているといっていいだろう。診断士などは実習自体が面接であるといえる。

 一体、面接試験でどういった点を見ているのであろうか。

1.相手の人柄・常識
2.知識をきちんと人に説明できるか

 この2点ということになる。応用力を見ている、という説もあるが、論文試験などで、応用力はチェック可能である。知識などについては、十分紙ベース試験で確認できているわけだ。上記2点だけは、紙ベースでは絶対にチェックできない。

 別に見合いではないので、面接時には、当然、チェック項目があるはずだ。それを予想してみたい。

1.人柄・常識

 突飛な振る舞い、非常識な言動がなく、資格者として恥ずかしくない態度、といったところだろうと思う。つまり、人間として普通かということだ。個性の範囲を逸脱した非常識さがないかということだ。

 ・「ごく普通の人間であること。非常識でない言動。」に集中することだ。10人中1人のオーディションなどのように相手に強烈なインパクトを与える、目立たなければならない、などといった行動は一切必要ないわけだ。試験官が、ああ、常識ありそうだし、感じのいい人だな、と思えばまずOKなのである。
 ・「陰気くさい」「ぼそぼそ話す」といったのはあまりいい印象を与えない。はきはき質問に答えよう。
 ・姿勢は胸をはりましょう。かたまる必要はありません。
 ・服装は、カジュアルでいいと思われるが、程度を考えよう。社会ではどんなことでも、「程度問題」なのである。基本的には「客先にいく服装」でいけばいい。お金を貰うクライアントに、頭ぼさぼさ、穴のあいたGパン、Tシャツ1枚、サンダルでいかないような業種では、そういった服装は避けたほうが無難である。

2.知識をきちんと人に説明できるか

 実際に仕事を開始すれば、説明の連続である。クライアントが首をかしげるような、難解な説明ではだめなわけだ。

 ・質問されたことを正確につかんで、そのことに対する回答をするように。聞いていることと全然関係ない話をしている人がまれにいる。わからなければ、はっきり「わかりません」といいましょう。関係ない話をすると「この人は、人の話を聞いていないのかなあ」と思われる。絶対に、ひょうしっぱずれの回答だけはしないように。不合格にされる。

 ・いそぐことなく、簡潔に、要点だけを順序よく、ゆっくり説明すればいいのだ。これにつきる。よけいなことを追加する必要はない。知識をみせびらかそうとして、関係ない話を挿入する人もいるがだめ。

 実は、紙ベースの難しい試験をくぐりぬけてきた人を面接官は落としたくないのである。これは選抜試験ではないのだ。だから、基本的には合格なのだ。彼はなにいってんのか、理解できないとか、どうも、言動がおかしいとか、態度が非常識とかでなければ合格になるのである。

3.取りやすい分野

 資格を狙うときに、いろんな分野でも、散弾銃のように狙っていく人がいる。法律、化学、電波、IT,...必要であれば、どんな資格を狙っていってもかまわないとは思うが...

 いろんな分野のをとっていけば、気分転換にはなり、楽しく勉強することができる。そういうメリットがあるのは認める。でも、効率はよくないと思う。資格を狙って勉強するための、苦労から言えば、損であると考える。

 あなたに取得しやすい分野といえば:

1.あなたの仕事の分野
2.既に取得した資格の分野
3.好きな分野

 が一番取りやすいにきまっている。

1.あなたの仕事の分野

 あなたは、自分の担当してきた実績などたいしたことがないと卑下しているかも知れない。また、そんなもの試験に役立たないと思っているかも知れない。しかし、それは誤りである。

 私はコンピュータ関連の仕事をしてきた。で情報処理関連の資格をとってきた。実務がそんなに役立つとは実感できなかった。しかし、久しぶりに全く別分野の資格の取得を目指してみたのである。そのときには、いかに体験したことのない分野の勉強が大変であるか、なかなか成果があがらないかを非常に強く実感できたのである。これは、数取得する体験をした人間でないとわからないと思う。やはり、知識を学んで脳に格納する際に、どんなものであっても体験と連結されることで、深い理解が早く行なえるようである。

 だから、自分の仕事以外の分野の資格を1つだけ取得されようとする方は、他の受験生に比べて、相当の勉強をしなければならないと思う。そして、自分の体験、経験は大事にして、資格取得にも用いることである。

2.既に取得した資格の分野

 「資格の連鎖」でも説明したが、基本資格を取得すれば、相当の知識が既に脳に蓄積されている。その蓄積済みの知識と、どんどん連結させて学んでいくことができるわけである。こんなに楽なものはない。

 足場ができているところに、建築していくようなもので、勉強がすいすい楽にはこんでいくことができるものだ。

 私は、「たとえ、取得していない資格の分野」でも、その分野の資格をとることは容易であると考える。「あー、この資格落ちてしまった。じゃあ、別のをうけよう」気分転換にはいいけど、せっかく頭に作った「知識の足場」を放っぽって、別の建築現場にいってしまうのはいかがなものか。もったいないし、無駄ではないか。

3.好きな分野

 もう、気持ちもひきつけられているわけで、知識の吸収もまるで、乾いたスポンジがまるで水をすいこむかのようであろう。でも、それだけではない。あなたの脳味噌が、その分野にもともと向いていたのである。だから、本能的に好きになれたのであろう。

 好きな分野で、仕事の経験があり、そして、もともとの基本資格は取得すみ。こんな好条件があれば、簡単に合格できてしまうと思われる。もともと、スキーが大好きで、仕事はスキー場勤め、デモンストレータ初級資格は取得すみ。こんな状態なら、スキーの最高位資格もすぐに簡単にとれてしまうだろう。反対に「嫌いな経理分野、仕事の経験はないけど、次の仕事のために取得しなければならない。しかも、今回資格試験ははじめて」これは、そうとう本腰をいれて取り組まないと、まず取得は無理だろう。

4.資格取得の盛り年齢

 スポーツでも盛り年齢がある。相撲にしても20代がピークだろうし、陸上、水泳では、10代中盤から、20歳前半だろう。

 私の持論では「資格取得にも、盛りの年齢が厳然と存在する」のである。こんな馬鹿な理論を展開するのは私だけだと思うが。

 この持論は以下のような内容となる。

 「資格取得に最も適した年齢は、25歳から39歳までである。それ以前では、知識は格納されても展開できない。それを超すと、今度は知識の格納が難しくなる」

 資格取得には、「知識の脳への格納」と「その知識の展開・応用」の2つが必要となる。このピーク年齢ではこのいずれも、条件を満たしている。記憶回路、思考回路は新鮮で、すいすい吸収されていく。そして、応用問題ではそれを単に出すだけでなく展開できなければならない。そのときも、自分の経験を用いて実践的に展開ができるわけだ。明晰な頭脳と、業務経験があれば鬼に金棒である。なお、この年齢範囲は別に科学的調査結果ではなく、単なる私の経験からの思い込みである。

 しかし、それよりも前だと、脳に格納はできるが、展開ができないのだ。現実社会での経験が少なすぎるのである。応用経験がないため、能力が育っていない。そして、それよりも後だと、今度は、経験は豊富になるけれども、格納ができなくなってくる。いわば、脳の格納庫が壊れてくるのである。

 もちろん、異論はあるだろう。努力でそれをカバーできることも認めるけど、ベストの能力の年齢はどうしても、この範囲になってしまうだろう。

 でも、この2つの理由だけではない。もっと大きな理由がある。それは「欲望」である。人生での欲望、それがこの年齢では、やはり最強になるのである。資格を取得して、ああなろうという強い向上心、屈辱をばねにした欲望がなければ、長く面倒な受験生生活は送れない。年齢をかさね、40歳、50歳ともなると、資格に精力を使うよりも、明日の1日のほうに、心がいってしまう。なにかと悩みが多くなるのである。強い資格への欲望は育ちがたく、「まあ、いいや」「それどころじゃないや」「つかれるわい」といった心境になってしまうのだ。また、若いと屈辱とか欲望が弱く、そんなことよりも、遊びたい、という心境になる。まだ、苦労しらずということだ。

 だから、今、理想年齢をむかえている諸君にいいたい。ぜひ、今の最も資格取得に適した年齢のうちに、狙っている資格に挑戦して取得してほしい。今、目指されている方は、早めに全力を出して、能力の盛んなうちに、とってしまうように急いでほしいものだ。

 人生は短いようで長い。でも、なにかをするのに適した年齢というのは意外に短いものなのだ。

5.論文

 論文については、すでに特種とシステム監査のところでおおまかなコツについてはかいている。今回は、論文の一般的なことについて書いてみたい。でも重複があってもお許しいただきたい。

 そもそも、論文試験とは採点側は何をもとめているのだろうか。何をチェックしようとしているのだろうか。自分が採点をする身になって考えてみたい。

1.論理的に話を展開する能力をもっているか

 合格しても資格者は、いきなり結論を出して、はい終わり、とは仕事の現場ではいかない。顧客や関係者に対して、説明、説得、議論、ヒアリングをしなければならない。そのとき、相手にきちんと自分の考えを順序だてて説明しなければならないのである。順序だてて説明すればこそ、顧客も、なるほど、そういうことですか、と理解できる。1人よがりの理解では役にたたないのである。資格のほとんどは、コンサルティング的な能力を持つことが要求されるのだ。

2.わかりやすく文章をかけるか

 論理を順序だてて展開して説明できても、文章にできない人間が多い。頭の中、口頭では説明できるが、文章にすると、なんだこりゃ?なにいいたいんだ?と、わかりづらい内容にしてしまう人間がいる。これでは、顧客に対する報告書を書くことができない。日本では、仕事の最終成果を文書で提出させるのが、一般的なのだ。100万円の報酬をはらって、できた報告書がA4の一枚で意味不明では納得はしてくれないだろう。

3.知識を応用できるか

 資格で身につけた知識を、現実の社会の問題に適用できなければ意味がない。個々の顧客の事情に照らして、知識を使って役立てなければならないのだ。この状況には、どの知識を使うか、どう使うかを判断できなければならない。そうでなければ知識をもっていても意味がない。

4.常識を持っているか

 やはり資格認定機関としては、ある程度の常識をもってほしい。長い文章を書かせると、その人の本性?がでることが多い。以前書いたけど、プロジェクトの反省点をかかせたら、突如、上司の悪口を延々、書いてしまった、などがそうである。

 この4点については、面接試験を併用していない資格では、択一式、記述式では判断できないのであり、論文形式にするしかないのである。(診断士では実習でいやというほど報告書を書かされる)それではどういうことに注意すればいいのであろうか。

1.最初に構成を考える。

 頭の中で、書くべき内容を項目として決める。その項目で、その順番で説明すれば万人が納得できるかを検討する。知識の展開、どこで応用させるかをここで決める。また、「この項目を全部説明できれば出題者の意図を満たして合格か」も検討する。

2.話しを飛躍させないい

 あまり、同じことを噛んで含めるようにしつこく書かなくてもいいが、話を書いていくなかで、急に話しを飛ばさないことだ。自分は理解できているのだから、いらいらすると思うが、我慢することだ。1,2,3と説明するべき文を順番に素直に書いていく。顧客に説明文を書くような心構えが必要だ。(あとは制限枚数と相談してきめる)

3.現実にあった事例にその知識を適用させる。

 すべての論文試験がそうではないが、ほとんどは、そのようなことを要求したものになっている。知識をなんとか事例に適用させよう。これには、普段の勉強で、「ああ、この知識はあのときの状況に使えるのだなあ」と考えていくことが必要である。また、仕事の中でも「あ、今日勉強したことの応用だなこれは」といった感じで考える。コツとしては自分が今までで一番一生懸命やった、死に物狂いでやったプロジェクト、仕事内容に結びつけると、楽にできる。思い入れが強いからであろう。

4.箇条書き、段落付け、改行を使う!いや使え!

 論理を展開していく中で、ここでX項目説明することがあるな、と思ったら、躊躇なく箇条書きを使用する。ただし、それ以外のところで意味なく使ってはならない。うまく箇条書きを使用すれば、読むほうも頭がすっきりするのである。
 また、視覚的にも構成がわかりやすくなっていたほうがいいに決まっている。改行なし、段落なし、箇条書き0なんて論文にもお目にかかるが、「あのー小説かいてんじゃないんですけど」といいたくなる。あなたは野坂昭如か!段落つけ、改行も、意味の切れ目で適時使用する。基本的に論文は「ビジネス文書」なのである

5.なにより自分が気持ちよく読めるか

 読み直してみて、気持ちよく、論理もすっきりし、わかりやすくかけていればOKだ。自分でも読む気がしない、とか、うー疲れる!何言いたいんだ?なんてのは、問題外。読み直しながら、自分の首が自然にうんうんとうなづけるのならば完璧である。自分が読む気がしないものは、採点官も読まない。いうまでもないことだ。

6.気持ちの持ち方

 原稿用紙、解答用紙の升目をうめている、という意識ではだめなのだ。書いていてつらいはずだ。原稿用紙の先に、人間を見ろ。顧客でも、上司でも、関係者でもいい。そして、その人間にわかりやすく、かつ強く説得、説明しているのだという意識でいることだ。そのほうが、わかりやすく書けるし、不思議に楽にあれよあれよと書けていくものだ。

7.余計なことをかかない

 出題意図と関係ないことは書かない。大学のように救済採点などしてくれないのだ。(まあ、書いてあるから、点数やるかあ、などはありえない)時間の無駄だし、常識を疑われる。そんな時間があったら、問題そのものに取りくもう。関係ないことは1行たりとも書いてはならない。
 また、体験を書かせているような試験で多いのが、「自分以外の人間の行動を書いてしまう」ことだ。あくまでも、「あなたがどうだったのか、なにをしたのか、どうするべきだったか」を聞いているのだ。

6.人に聞く

 いくら考えても、解けない問題、繰り返し読んでも理解できない箇所がある。それで先輩、先生、講師、理解できている友人に聞く。教えてもらって理解が進む。あたりまえのことである。でも、やはり効率よく質問したほうがいいに決まっている。

 受験勉強の際に、質問をどう効率よく行うべきだろうか。(ベストの質問の仕方)

1.考えぬいてから質問する

 ちょっと考えてわからない。で、これ以上考えるのも面倒だ、楽しようと、すぐに誰かに聞く。これでは聞いても、おそらく理解できないことが多いだろう。なぜなら、自分の頭が、質問の回答に応じる状態にまだなっていないからである。考え抜いて、ああでもない、こうでもない、ああだとすると、ここが変だ、なぜだろう、という状態になっているからこそ、質問をして回答をもらうと、ああ、そういうことだったのか!とピンとくるのである。まだ、理解しようと努力してない人間が、教えてもらっても、わかるはずがないのである。考えぬいてから、質問すれば、すぐに理解できるし、聞かれたほうも楽である。

2.必ず聞いたことは文書化する

 聞くときには当然回答を、口頭できくだろう。または、近くに白板でもあればそこに板書して説明してくれるだろう。ああ、そうですか、とその場でうなづいて、そのままにしてはならない。必ず、すぐに、教えてもらったことを文書化するのである。板書してもらったら、それをきれいに紙、ノートに書き、そこに説明してもらったことを書いてまもとめるのだ。理由はいくつかあって、「書いてみたら、実はまだ理解できていなかった」ということがわかったり、書いてみたらより深く理解できて、しっかり頭に入った、また忘れた時に見直すことができる、といった点である。とくいるのが、つい理解できた気持ちになって、よかったとうなづいているが、実は誤解して理解してしまったという人である。これを文書化することで防ぐことができるのだ。また、一冊の問題集を使って、勉強をすすめているときには、その文書化を進めておくと、「俺は着々と勉強をすすめているんだ」という自信にもつながるのである。

3.知ったかぶりの人には聞かない

 知らないことは知らない、とはっきりと言える人に質問をすることだ。中には、知らないのに、あたかも知っているように振舞う人がいる。こういう人に聞くと悲惨である。しったかぶりの内容を、吸収してしまうので、余計に頭が混乱してしまう。私にも経験があるが、いくら説明を聞いても、説明内容自体が変であり矛盾する。でまた、質問する。最後の最後で、「実はよく知らないんだ」はよ、いわんかい!知らないといってくれれば、別の理解できる人に聞くことができる。こういう先生をきちんと探しておくことだ。

4.聞くときには、ハクバンのある場所か、ノートなどをもっていく。

 口だけで説明をするのは、実は非常に難しい。そこにメモでもあれば、それを使って、そこに説明図を書いて説明できる。すごく理解がしやすいし、早い。また、さらに説明に対して質問があったときにも、その紙に聞きたいことを図示して聞くことができる。理解も正確になるし、早い。何もかくものがないので、質問者と回答者がなかなか意思が伝わらずイライラしているようなのを見かける。

5.聞きたい部分の問題集、教科書をもっていく

 上記の4と同じ理由である。回答者が質問内容を理解するのが格段に早くなる。

6.礼儀をつくす

 質問しておいて、回答を聞くと、ふうーんなどと言いながら礼もいわずに、そのまま行ってしまう人をみかける。頭の中で反芻しているのはわかるが、やはり、きちんと礼をいうことだ。そのほうが、次回、質問したときの、相手の回答熱意が違う。