悪徳商法手口 ニュージェネレーション

1.公式商法

 以前、牛を保有してみませんか、といった誘い文句の商法があった。投資として個人が子牛を購入して、その牛の育成を業者が代行する。牛が育成されたところで、売却して、投資した個人が利益を得るというわけだ。その利率が銀行預金などよりもはるかにいい。10%とかを投資家にはっきりと告げていた。利率保障である。安全な投資だ、とも書いてあった。

 きちんとした、まじめな業者が最初始めたものだが、悪徳業者が大挙して参入。世間を騒がす大問題と発展したのである。和牛商法と呼ばれた。悪徳業者は、まともに購入者分の和牛など用意しておらず、少ない頭数しか用意していなかったり、ホルスタインなどをかっていたりした。それをパンフレットなどで、過大な収益見込みなどを歌っていたのである。やがて、倒産してとんずらというお決まりの結果。でも、さすがに今では、この和牛商法は死に絶えたようだ。あまりに有名になったから。

 上の被害をもう一度まとめてみると、「和牛を買わせて、その育成を業者が代行、利益を投資家に、という話だったが、実は牛など飼っておらずに、金を流用、そして倒産」ということだ。なにかに気がつきませんか?

 そう、和牛を金(きん)に変えてみるとこうなる。「金を買わせて、その運用を業者が代行、利益を投資家に、という話だったが、実は金など購入しておらず、金(かね)を流用。そして倒産」なんか聞いたことがあると思う。そう、実は豊田商事の使った手口、「金ペーパー商法」そのものである。

 つまり、金(きん)でやった手口を、牛に変えて「そのまま」に忠実に再現したのである。バカみたいに単純なやりかたなのだ。システムはなにも変えていない。単に「もの」を変えただけなのだ。このようにものを買えただけで、彼ら悪徳商法の業者はもう一度、うまい汁が吸えるのである。また別なカモを捕まえることができるのである。明らかに誰かが、「金をなにか別のものに変えればいくらでも悪徳商法のネタができるわい」とほくそえんでいるのである。

 我々は、なんだ、金を牛に、単に扱うものをかえただけじゃん、と気が付かなければならないのである。奴らにバカにされたくないではないか。牛を他のものにすけがえてみればいくらでも、新しい悪徳商法が完成する。車、土地、マンション、馬、胡蝶蘭...興味を持ち易そうで、ある程度高いものならなんでもいいのである。

 さて、このように新しい悪徳商法を生み出す公式があるわけである。

 公式1「XXXを買ってください。XXXをYYYYするのは私たちがやります。配当金はお支払いします。といっておいて、実際はそんなものを買い付けずに、金を流用。最後に倒産してどろん」(XXXには、適当な商品を入れなさい。YYYYには、飼育、運用、管理などの単語から選んでいれなさい。)という公式が存在する。

 では、一つやってみたい。私は、胡蝶蘭と栽培をいれてみた。次のような売り文句が完成する。「胡蝶蘭ビジネスをやってみませんか!今、栽培家に大人気の胡蝶蘭の苗をぜひ、お買い求めください。苗は私どもが責任をもって育成いたします。そして大きくなったら、市場に販売いたします。あなたは、その売却益を得ることができます。また、観賞会などにも貸し出すことで、配当金もお支払いいたします。さあ、あなたのバラ色の人生がまってます。着手金は200万円から受け付けております。いますぐ、アンケートはがきで資料請求を!」どうだろう。こんなものだろうか。

 このように簡単に公式からバリエーションを生み出せるので、「公式商法」というタイトルにさせていただいた。

 公式商法の一つが、マルチ商法なのだろう。

 公式2:「会員になるために、(XXXをまずYセット購入していただきますので、)TTTT円お支払いください。そうして、友人を同様にお誘いください。友人が会員になれば、あなたにはZZZ円のお金が手に入ります。というのが謳い文句。でも実際には友人を誘うのは容易でなく丸損」(括弧の中は省略可能。XXXには、商品であればなんでもOK。) 

 では一つやってみたい。私はダイヤモンドをいれてみた。「サイドビジネス!女性なら誰でも素敵なダイヤほしいですよね。それが簡単に手に入ります。お友達にこの素敵なダイヤモンドをお勧めするのです。きっと素敵なので喜ばれますよ。お友達が買っていただければ、あなたには、リベートが入ります。また、当社のダイヤモンドを買っていただいた方が、他の友人に紹介されれば、あなたにも、友人にもお金をおしはらい致します。計算では、たった3人づつ、紹介されただけで、そのダイヤは、ただで手に入ることになります。それ以上の紹介があれば、全部、あなたの御小遣い!旅行にもいってみたいですよね。さあ、まずは元での80万円をご用意ください」うん、自分ながら、うまいものだ。

 公式商法の恐いところが、ものを変えただけで、勧誘文句を替えることができ、なんとなく、全く別の商法に見えてしまうことだ。下手すれば、ものが違うだけで何度でも、ひっかかる人が現れているかも知らないのだ。

 このような公式を消費者が自分の頭にいれておくことだ。そうすれば、業者がものを変えて新しい手口できても、「なあーんだ。例の公式の応用の一つじゃあないか。あほくさ!」と気付くことができるのだ。

 では最後に、他の公式をば。(いくらでも出てくるが、めんどくさいのでこのくらいにしておく)

 公式3:「XXXの点検にやってきました。無料です。あーこりゃ、だめだ。このままでは危険です。今なら特別に安くお売りできます。といいながら、自分のところの粗悪高額商品を売りつけて逃げる」XXXには、家にあるものをなんでもいいから入れる。 

 公式を頭にいれておき、自分で考えて、バリエーションには騙されないぞ、と警戒することだ。それが新手の悪徳商法をある程度避ける方法だ。

2.老人ホーム

 まもなく、日本始まって以来の、凄まじい高齢化社会に突入する。何がおこるのかは私のもよくわからない。でも、高齢者の社会保障についても、国の資金は簡単に減少していくと思う。自分である程度の老後の金銭を用意しておかなければならないだろう。国の資金を当てにして、その支給を信じている人も多いが、私はそんなに楽天家ではない。金銭だけでなく、面倒を見る人間も不足する。家族で面倒をみてくれる人がいる場合はいいが、そうでなければ、他人に面倒をみてもらわなければならない。でも若い人は、老人に比べて圧倒的に少ないわけで、人的にも不足してしまうことは確実。

 だから老人ホームというビジネスも必ず、巨大市場になる。市場が大きくなれば、それだけ悪徳資本も参入してくる。老人ホームビジネスに悪徳資本が参入した場合の被害者の悲惨さは想像するにあまりある。

 老人ホーム入居には、かなりのお金が必要だ、入居時にも、毎月でも、お金が必要になる。その額は大きい。みな、できるかぎりいい設備で、介護をしてくれる老人ホームに入りたいはずである。そのようなホームは、とんでもない高い金額だ。何千万円になる。将来には億の単位のも現れるだろう。それだけの巨額だと、おそらく、老後の蓄えとして、人生かかって営々と貯めてきた資金であろう、それらをほとんど全部ぶっこむことになるのだろう。だって、人生の最後を立派に過ごしたいと思って、用意したのだろうから。

 さて、被害者は老人、使うお金はほぼ全財産、ここまで来れば、悪い資本が悪徳商法目的で、参入しないと思うほうがおかしいと思う。もしかしたら、人生最後の大物の買い物で、人生最大の地獄にたたきこまれる可能性があるわけだ。

 悪い資本の老人ホームに入って、全財産ぶっこんで、
 ・倒産されたり
 ・当初の話と大きく違っていたり、
 ・痴呆状態になったのを幸いに、自由勝手に粗悪な扱いをうけてしまうこともあるだろう。

 なんといっても、もう老人なのだ。騙された後で、頭にきた、裁判にして取り返してやるぞ、回収してやるぞ、というパワーが必要なことをするのは難しいでしょう。更に騙されたので、これを教訓に今度頑張ろう、さあ、立ち直るぞ、とはいかないのだ。

 つまり、老人ホームの選択については、慎重に慎重に慎重に慎重に、それこそ、調査会社に依頼して調べ、評判を聞き、入居者の感想を聞き、さらには、財務関連の資料を取り寄せ、調べ上げてほしいのだ。人生でもっとも、慎重さを発揮してほしいのだ。失敗は絶対に許されないのである。

 ここで、悪徳資本にひっかかたら、もう最後だ。絶対にこの段階こそ、悪徳商法にひっかかってはならない人生最大の慎重度を持つべき瞬間だ。結婚サギに遭おうが、原野商法にひっかかろうが、ああ、勉強になった、早く立ち直ろうと思うことができるが、老人ホーム選択にはそれが許されないのである。ひっかかった人は、希望を失い、資金を失い、どうこれから生きていけばいいのか絶望的な状態になることはまちがいない。そして、その頃には老人が多すぎ、国家の救済も手薄になると思われるのだ。

 老人ホームは大丈夫、ちゃんと国の認可をうけてやってるはずだよ、という楽観論をいうひとに一言。この前、「墓地が倒産」したって知ってます?新たな持ち主と契約しないと、骨になっても、出て行かされてしまうのですよ。そういう時代なのです。

 既に老人は増え出しているし、私たちも遠からず老人集団の1員となるわけだ。実感はわかないかも知れないが誰でも、老人になるのだ。将来(何十年も先の話だが)、入居時には、このことをぜひ、思い出して注意してほしい。豊田商事に似たものが絶対にあらわれる。

3.危険度の高い投資

 株なども危険といえば危険だが、比較にならない危険度の投資もある。ここでは先物とワラントと抵当証券を説明する。3つとも危険性を知って投資するのであれば、問題ない。しかし、ただでさえ、危険なのに、悪徳商法がからめば、もう最後である。きちがいに刃物である。

1.先物

 先物は社会にも市場にとっても、価格安定という大切な役割を果たしており、必要な取引形態である。ほとんどの業者はその役割を善良に果たしているのである。しかし、悪質な業者も存在している。今の「先物」という単語を聞いたときの一般の人の悪印象はそこからきている。早く業界団体などでも、悪質な業者を排除しいくような努力をもっとしてほしい。このままではいい印象を市民はもてない。

 では、ここで、なぜ悪徳業者のからんだ先物が危険かを書いていく。

・先物は、取引額のわずかな率の保障金で取引できる。500万円保証金で5000万円の取引とかをするのである。5000万円の取引だから、見込みと反対の値動きをすると、あっというまに、500万円くらいは、ふっとんでしまう。(逆にふれれば、ボロイ儲けになるが)長くやっていれば、いつかは逆にふれる。そのときに簡単に一般の零細投資家は破産となる。500万円の株をかって、400万円〜600万円の範囲を変化しているのとはわけがちがうのだ。だから、悪徳商法では、カモの注文の逆逆を自分たちで注文を出し、破産した段階で、自動的に自分たちは儲けるようにしている。そのためには、彼らはカモが儲かった時には、絶対に取引を終わらせない。清算してくれないのだ。ほめて、おだてて、居留守を使ってずるずる取引を長引かせる。場合によっては、更に取引を膨らませる。長くやってれば、必ずカモは破産する。そのときに、逆をやってた業者は儲かる。先物の悪徳商法にひっかかたカモは、全財産を残らず取られる。「いい勉強になった」などというレベルのものでない。

・先物自体はそんなに難しいものではない。しかし、業者は説明を難解にして、かつ専門用語を連発してカモに理解させまいとする。しかし、カモをやる気にさせる、うまい話は実に理解しやすく話すので、「よくわからんけど、儲けが大きそうだ、いっちょやってみるか」というヒドイ状態ではじめてしまう。はじめてしまえば、こっちのものだ。あとは、反対売買を繰りかえしても、ナンピンかけさせても、業者側の思うがままである。よって、手数料をかせぐために、大変な数の取引を実行してしまうのだ。業者が何をやっているのかもわからない。わからないのでおまかせします、とかになる。莫大な手数料を払わされることになる。

・電話勧誘などで、全くの素人に平気で取引をはじめさせる。その商品を扱っていたり、相場の長い経験があったり、情報が入るルートをもっていたり、市場関係者だったりする人を勧誘するのであれば、理解できるのだが。相場は、人より上の予想をして儲けるものではないか。何の知識もない人間が勝てるわけがないのである。それを電話で、まったくの一般の人間に先物の勧誘をする。それも、やる気もない人間を無理やりやらせてしまう。ゴムの価格の動きの予想を、どうやって、家庭の主婦ができるのだ?車のセールスマンができるのだ?かくして、勝てるはずのない、しかも、理解もしていない人間を先物の世界にひきずりこむ。いくら自己責任といっても無茶すぎるの冒険に一般の人間を引きずる込むのはいかがなものか。

 電話で、会社などに勧誘電話をして、サラリーマンの小金を全部むしりとるのである。その際には、「おだてる」「難解な用語を連打する」「必ずこれからは儲かる」という3つの手法でせめてくる。あなたが、ゴム相場でプロを敵にまわして勝てるのかをもう一度考えてみようではないか。情報をもっているのか?経験・知識をもっているのか?と。「おだてる」のは、「俺は勝てるような知識・情報もってないよなあ」と自覚するのを妨げようとしているからだ。

 なお、まだ、一般の公設市場であれば、まだいいほうだ。ブラックマーケットといって、何社かの業者で、ほとんど勝手にやっている市場なんかに注文を出す場合には、本当のやらずぶったくりになる。どんな商品でも公設市場があると思ったら大間違いだ。

 また、先物は電話でのやり取りになることが多いが、「もう、いいよ」なんていうのは、注文を出していいよ、と、とらえて、注文を出されてしまう。「やりません」の一言でいきましょう。彼らは電話を必ず録音しているので、注意。 

 かつて、私にも先物の勧誘電話がきた。「これから、必ずゴムは値上がりします。間違いないです。」「ほんとうですか?なんで、あなたがやらないのですか?」「いやー、わたしもやりたいんですけど、残念ながらお金がないんです」「そうですか。じゃあ、私があなたに資金を貸してあげますよ」といったら、ガチャと電話を切られた。(既に「怒りの一言」でかいたけど)

2.ワラント

 ワラントは、危険度は先物に近い。株の購入権を記載したものだ。600円で1株買える、というふうにかいてある証書だ。株価が800円になると、200円もうかるが、500円になると、....なんの価値もなくなる(価格0)になることがおわかりだろうか。

 だから、先物のように、値動きが大きすぎる。うまみもあるが、危険度も桁はずれに大きいのだ。一般家庭の大切な貯蓄をつぎこむものとしては、全く適していないことが明らかだろう。

 ワラントは、証券マンなどが、危険度をきちんと話していないことによる被害が圧倒的である。価値が0になってしまうこともある、ということがわかっているのならいいのだが。バブル時期などでは、物凄いうまみのある商品であったので、リスクなどをほとんど説明しなかったのだろう。しかし、バブル崩壊。投資した金額が0にばけたという事例が続出した。最近は、ワラントといっても、買う人は減ったが、歴史は繰り返す。また、バブルはやってくる。そのときに大きく儲かるこのような商品には気をつけよう。危険も大きいのだから。

3.抵当証券

 抵当証券は、利率のよい確定利回りの商品である。確定なのだから、どうして?と思うかも知れない。実は銀行や、証券会社の発行しているものではないのである。だから、預金や、証券とことなり預金保険は適用されない。だから発行企業(抵当証券会社)が倒産してしまえば、ただの債権者になるだけである。山一證券とは違う。

 やっかいなことに、母体が銀行など金融機関であることが多い。だから、金融機関からの紹介で買ったりする。でも、金融機関の商品ではない。そして、最近のバブル崩壊で、金融機関本体が倒産して、よく抵当証券会社も連鎖倒産してしまう。国は保証してくれない。

 ワラントも抵当証券も危険性が報道されたから、もうさすがに、不注意に購入することはないと思うが。でも、少し過去をさかのぼろう。

 抵当証券も、ワラントも「危険性がある」「値動きが大きすぎて一般投資には向かない」と結構、主張している人間、本、マスコミも当時、一部ではあるがあったのである。だから、このあたりの警戒信号をキャッチしていれば、慎重になれたと思われる。少なくとも、銀行金利より高い利回りがあるものは、自分で危険性などの評判をつかんでおくべきだ。預金以外の投資をする際には、最低限必要なことである。

 抵当証券も例外にもれずに、一般投資家に、危険性を十分、説明せずに売ってしまった場合が多いようだ。

4.総論

 ・理解できてないものに投資することはやめる。
 ・自分が他人に優っていると思えない世界での勝負はやめる。
 ・営業マンに自分の金の取引をまかせるなんてことは絶対だめ。
 ・大きく儲かるものは、大きく損する率も高い。
 ・発行母体の倒産の危険性を調べておく。
 ・電話勧誘での「おだて」(よくご存知ですね!)には乗らない。
 ・金融に詳しくない人が手をだすものではない!汗をかいて、その分のお金をもうける、これがなんといっても一番。

4.安いコンピュータ

 コンピュータは当初は、プロやマニアの占有物だった。だから、その狭い世界での「決まりごと」があり、それに従っていれば問題にならなかった。しかし、コンピュータが広く一般の方に普及すると、そんな狭い世界での決め事など、通用しない。やはり、世間一般の常識が優先するようになる。

 狭い世界では、常識であっても、世間一般では、悪質な商慣行になってしまうものもある。市場はかわって、その分、利益が大きくなったのだから、業界も考えを代えなければならないはずだ。業界の常識だけで進めば、いつかは社会の非難を浴びる。

 今回は、安いパソコンの裏の面を書いてみたい。もちろん、ほとんどの安いパソコンを販売している企業はまともな企業である。しかし、ほんの一部やばそうなところも現れているようだ。

 「うちは、徹底的に値引いているんだ。だから、買った後で面倒は一切みないよ。不良交換だけだね」こう開き直って、売り場などにそのコンセプトを張り出し、危険と引き換えにディスカウント価格を提供している業者もある。それはそれで買うほうが、認識をしているのであればいいだろう。いやなら、そこから買わなければいいのだから。

 でも、そう明確にいっていないのであれば、当然、購入者はサポートを要求する。それに企業は答えられなければならない。それなのに全然サポートスタッフをおかずにサポートを拒否すればあきらかに大問題となる。さすがにそこまで手を抜く企業は少ないと思われるが、それに類するぎりぎりのところをしている企業は多い。

 たとえば以下のようなパターンである。
 ・サポート要員といっても、技術力のない、新人に限りなく近い、ほとんどサポート能力のない人間を置く。ユーザが解決しないので、根負け。
 ・何千、万台をうっているのに、なんとサポート要員はたったの1人だけ、彼はもうつかれきっており、満足なサポートできない。
 ・電話はおいてあるけど、実際には何時間も電話機をはずしており、実サポート時間は1日、2,3時間。常に話中というやつ。

 サポートはお金がかかる。人件費、教育費がかかるからだ。それが通常は製品価格に転嫁されている。それが当たりまえなのだ。しかし、問題は、サポートに手をぬいた、お金で、製品価格を値下げし、競争力をつけているような企業があることである。

 サポート要員だけではない。品質管理(テスト工程や、品質のいい部品の確保など)に手をぬくことによって、費用を削減?し、その分を製品価格の値下げにもってくる。もっとひどいと、品質劣悪なのを知りつつ仕入れてそれを用いていたりする。そして、販売しているそばから、客が初期不良などをガンガンうったえてきているのに、かまわず、方針を変更せずに売り続ける。客が修理や、交換をいそいでいるのに、そういった対応を、実に緩慢(交換になかなか応じない。修理に異常に時間がかかる、など)に行なうのである。

 コンピュータを購入するのが、プロまたはマニアだった時代は、これでもたいしたことはなかったのであろう。サポートなんか受けられなくても、なんとか自分で解決してしまうし、異常に価格がやすけりゃそれなりの理由があるのかと想像できたからである。そういったリスクを知り覚悟して購入していたのだろう。

 しかし、現代は違う。一般の人間が家電感覚で買いにくる。彼らは、使用している部品の特性などもわからないし、単純に価格の安いほうをねらって、買い求める。せいぜい、CPUブランド/速度とディスク容量、メモリ容量程度だろう。そして、まさか、業者によっては、初期故障の交換に応じてくれなかったり、修理にえらく(2,3ケ月)かかるなんて思ってない。わからないときに、教えてもらえないなんて毛頭思っていないのだ。

 最近、どうも、意識的に、サポートや品質をないがしろにして、激安価格をつくりあげ、それをうたい文句にしている企業があるようなので書いてみた。一般の人にしてみれば、何十万円のものを買うのである。一大決意をして、ローンを組んで買うのであろう。しかし、それが動かなかったりそれで交換してくれなかったり、修理になかなか応じなかったり、何をサポートしてくれないのであれば、それは、一般購入者から見れば、「寝ることのできない30万円の羽根布団」を買わされたのと同じなのである。パソコンを知っている人間には、なかなか理解できないかも知れないが、彼らには大変な被害なのだ。やっているほうは罪の意識はないのかも知れないが、多くの悲劇をもたらしているのだ。それは通常?の悪徳企業と差がない。

 業者は、もちろん、そういった点を反省してほしいし、消費者も賢くなる必要があると思われる。早く、Windows Meで32MBモデルなどを無視できるような商品知識を身に付けるべきである。我々は、この記事を見ている人間はそれなりに理解できれていると思われるので、パソコンをはじめてみようかといった、初心者の友人に、パソコン選びのポイントを親切に教えてあげるべきである。

5.買ったつもり

 バブルの時には土地が高騰した。そのため、土地から派生するいろんなものが同様に高騰した。その中に、ゴルフ会員権、墓地、リゾート会員権などがある。

 ゴルフ会員権などの高騰の理由はこうである。ゴルフ場の広大な土地、この価値は大変なものである。だから、この価値を会員数で割ったものが、妥当な会員権の価格なのだろう。墓地でも同じで、墓地全体の地価はこのくらい、で、墓の個数で割り算して、このくらいの値段になる...

 事実、ゴルフ会員権を買った人間は、ゴルフ場の一部のオーナーになったと思っているのであろう。墓地なども、よく「俺も墓を買ったよ」といっているようだ。

 以上は、全くの勘違いであり、ゴルフにしても、墓地にしても、それらのオーナーのなったのでは全くない。単なる利用の権利を契約によって得ただけである。それを、バブル時期に、勝手に解釈して、土地、施設を買ったと勘違いしているのである。つまり、今回のタイトルのように、「買ったつもり」になっているのである。全然違います。こんな馬鹿馬鹿しい勘違い解釈を誰がはじめたのであろうか。

 墓にしても、そうである。自分の墓の権利の証明書を見て欲しい。墓の登記簿?ではないであろう。単なる永代使用権とあるはずだ。これは何かというと、墓の土地を貸してあげるから原則的にずーっとこの墓を使ってもいいよ、ということなのだ。つまり永代使用権者は、借りているのであり、それも原則的にだ。つまり、借地なのである。自分の持ちものではまったくない。(ずーっとお墓参りに誰もこないと、かってに無縁仏にして、骨を処分してしまう墓地もあったようだ。で墓を撤去して別な人間に貸し出す)

 それが否応なしに明らかになってしまうのが、「倒産」(またかよ)時である。倒産すると、自分の持ち物と勘違いしていたものが、なんと、自分のものでなく、債権者に押さえられそうになっていることに気付くだろう。本当に自分のものだったら、倒産したって、自分のもののはずではないか。ゴルフ会員権は、ゴルフ場の分割所有ではないし、墓地は自分の墓の分の土地の所有権ではまったくありません。マンションの購入とは全く違う。

 つまり、こういうたとえ話とほとんど同じなのだ。「家を借りていた。貸主が、『あなたにずーっと未来永劫かしてあげます。安心して住んでください』といった。で、あなたは、500万円を払った。しかし、貸主が破産。債権者が新しい家のオーナーとなり、あなたに立ち退きを請求してきた。あなたは自分の家だと主張できるか」

 であるから、ゴルフ会員権にしても所有権ではなく、利用する権利にすぎないことを頭にしっかりと入れておくことが大切である。悪質なやり方として、ゴルフでは、膨大な人数に会員権を売っていたところもあるし、墓地などは公益法人、宗教法人のはずなのに、勝手に投機にのりだして莫大な借金をして、破綻しているのところがある。あなたのものではないのだから、経営母体が破綻すればおわりである。買ったと安心するのではなく、経営母体の経営状況を我々は監視していかなければならないのである。難しいかも知れないが、しょうがないことだ。

 リゾート会員権も利用する権利なだけである。しかも、ゴルフ会員権のように、取引できることもないので、更に深刻である。倒産したら、どうするのかをいつも考えるようにと何度もいっているが、ゴルフ場、墓地も同じなのである。

 あなたが買ったつもりになっているものは、本当にあなたの物になっているのか?

6.薬もどき

 薬のようで薬でないペンベン♪一番儲かる「薬もどき」

 薬と呼んだり、病気がなおるなどと効果を記載するには、厚生省が審査して承認されなければならない。しかし、怪しい健康食品、怪しい健康雑誌、TV番組をみていると、ひやひやするような事を書いたり、言ったりしている。ほとんど、違法と合法の間の壁の上を歩いているようである。

 いわく「XXXでガンがなおった」「1日X回、YYを食べると、高血圧が直る」

 上記のようなフレーズは、最近特にみかけることが多い。本当にそんな効果があるのなら、厚生省に薬として承認してもらえばいいのである。そのほうが売ってる方も儲かる。しかし、そういった怪しいものは承認されない、というよりも、申請などされない。売っている、言っているほうが、実はそんな効果はあやしいと思っているからである。実験しても効果を立証などできないからである。食品も持つ健康促進を表現するのに、病気が直る、といったイメージを与える表現を使うには悪質であると思う。

 TVでXXがボケにいい、などと放送されると、その日、スーパー食品売り場で「XXで効果が放送されたXX!大特価」などというコーナーができるそうである。いいかげんなものである。TVでは3人くらいの主婦に実験して、数%の改善があれば、「XXXXの効果が実証された!」などと、あなた方は学校で理科の時間に何をしてたんだ、といいたくなることを平気でいっている。仮説が学会誌に報告されただけなのに、もう効果が証明されたような表現をしている。まあ、自分たちが売っているわけではないので、悪気はないのだろうとは思うが。

 ただの食品をXXXに効く、などといっても、かわいいものだが、こういったいいかげんな表現で、あたかも医薬品のような効果があるようにいえば、これは犯罪だし、そのすれすれをやって、健康好きの人間からあくどく金をもうけている業者も多い。

 でも、「これはXXに効くのよ実際に!」、などとムキになって主張する信者もいるけれども、どう誤っているのだろうか。

1.100人中1人直ったり・効いても、「効く」「直る」と表現するのは間違え。薬もどきにも以前書いた「確率詐欺」的な売り方があるわけだ。

2.ブラセボー効果(歯磨きでも信じれば、病気が治る)を考えていない。

3.自然治癒、自然改善、他の要素による治癒・改善(つまり、その薬もどきも飲んでたけど、実は運動もしていた。その運動が血圧をさげていた、とか)がある。

 通常の人では1,2,3のようなことを排除して、判断するのは難しい。本当に効果を確認するには、多くのサンプルと、比較実験、対象実験も実施、考察が必要なはずである。そんなことはできるはずがない。飲んで直れば、直った原因がなんであっても「これは効く」といってしまうのだ。だからこそ、薬事法という法律ができているわけだ。この法律がなければ、でたらめな薬がガンガンでまわって、被害者がどんどんでるだろう。馬鹿にならないチェック機構なのだ。このチェック機構を信じたほうがいいと思う。(盲信はまずいが)

 しかし悪質な業者は、その法律にふれるギリギリの表現をして、われわれに売りまくっているわけだ。そして、単なる食品認定されたものなのに、それを薬のようなイメージを何とかつけてうる

 本当に病気が直るのなら、薬になってますって。薬のような言い方をした単なる栄養食品には、気をつけましょう!!(だいたい超高価です)

 売っているほうは、罪悪感が少ないのだろう、「ちょっと、おおげさに、効き目をかいただけじゃんか!」てなところか?でも、中には、その効能を信じて、病気が治るのを信じて、買いつづけ、たべつづけている人たちが沢山いるのである。老後で病気なのに、大切なお金を使いつづけ、しまいに、副作用で病気が逆に悪化したりする場合もあるだろう。薬関係の悪徳商法は大変な罪悪なのである。

 こういった業者のいいわけの決り文句が「現代医学は間違っている。うちのこのXXXは内側から自然になおすのだ。自然治癒力を高めるのだ。現代医学でこのXXXの良さを理解できないのだ」カルト宗教にようないいかたをする。

 さて、健康食品の表現で、悪徳商法ではないが、私が大嫌いな「セールス表現」をあげておく。食品自体は立派な栄養をもった素晴らしいものであるが。

1.みてください!ロイヤルゼリーのパワー!ほらと、働き蜂と女王蜂を比較する。女王蜂ははるかに大きく、寿命も長い。女王蜂はロイヤルゼリーをあげることで育つ。でもあくまでもこれは蜂の話である。蜂は、昆虫で節足動物である。ゴキブリの親戚といえる。人間は哺乳類である。鯨の親戚である。生物によって、効果はまったくことなるのが普通だ。人間が飲む水道水で金魚をかったら、喜ばないし、牛に、豚肉たべさせたり、ライオンに炊いたお米をたべさせるのも無茶である。しかし、なんか人間も長寿になれるような気がしてしまうのだ。蜂が元気になるのは事実だが、だから人間が食ったから、なんだってんだ!といいたくなる。いかにも非科学的なセールストークである。あくまで、ロイヤルゼリーは栄養食品である。

2.あのNASAが研究したクロレラ!といっても、NASAは宇宙航海の際に、宇宙船の中で人間の排泄物を肥料にして、光を当てた水槽内で培養でき、できるだけバランスの取れた食品源をさがしていて、クロレラに食料として注目したわけだ。栄養は比較的整っていた。しかし、どう料理しても、うまくない。今、宇宙飛行士はクロレラを食べているか?誰もたべていないのである。今ではあたかも、「宇宙に行ける科学力を持ったNASAが認定した薬」のようなイメージで売っている業者もある。NASAが研究しようが、なんだろうが、これも単なる食品でなのである。魔法の薬などではない。

7.不動産

 不動産の世界に、あいかわらず不景気が続いている。地価も下落を続けており、「もう底、もう底」という声をあざけわらうかのように、どんどん値下がりをしている。でも、マンションなどの価格下落で市民にも、家が「前よりは」手に入りやすくなってきたようだ。マンションの新築ラッシュはまだ続いている。

 老人ホームの選択には、細心の注意をはらったほうがいいと書いたが、いうまでもなく、不動産の購入時にも、まけないくらいの注意が必要である。理由は、いずれも、一生に一度あるかないかの買い物であるからだ。額もそれなりだし、そこが生活の基盤になるわけだ。時間をかけすぎ、慎重すぎるということはあるまい。不動産屋や販売会社は早く早くとせかすだろうが

 不動産の価値や、購入に際して注意するべき点などは通常の人間にはよくわからないものだ。わからないものを購入する際には、専門家に聞く、信頼のおける場所に行くというのは鉄則だ。

 一戸建ての住宅はもちろんだが、マンション購入でも慎重にいきたいものだ。不動産関係の方に聞いたが、「昔は、家を買うといったら、家族会議をして、一大決意をしてきたものだ。だから客は慎重だったし石橋をタ叩いてわたるようだった。それが最近は、軽い気持ちで買いにくる。まるで車1台を買うような雰囲気だ。説明を聞いて、じゃ、これを買いますといったように」といっていた。一般市民が数千万を軽く考えられるほど、生活が向上したはずはないので、単に慎重さがかけてきただけのことであろう。

 普通の人間はよくわからない、しかも高額、といえば、悪徳商法が目をつけないはずがない。

 「工事の手抜き」「わけあり安値を告知しない」などが問題となってくる。通常の人間は、軒下、天井裏などをみることもないし、マンションなどでは工事にも立ち会わないわけで、家の工事の品質については、まったくの盲目となる。手抜きは、購入してすこし住んでみないと、わからない。だんだん、家が傾き、かびが生え、戸が閉まらなくなってきて、あ、手抜きだとわかるわけだ。しかも、そういった安請負の工事をさせた業者は、そのころには、倒産してしまっており関係者はつかまえることはできない。どこどこのマンションが工事手抜き、なんてのは、いつも、報道されている。ざらにある話なのである。

 また、安いなあ、と思って喜んで買ったが、わけありだった、というのもある。そもそも土地が湿り気が多く。かびが生えやすく、なめくじ(!)なども多く発生するといったように。近くにあまり好ましくない建築物ができる予定になっていた、とか中古マンションなどでは、先にすんでた人間が自殺した、なんてのもある。近くに暴走族の溜まり場があるなんてのもあるのだ。私の家の近くも多くのマンションが販売されている。しかし、このあたりは、非常に夜間(深夜の3時ころが一番多い)暴走族が多く、われわれはもうなれているが、静かな人間が引っ越してきた場合にはまず安眠は不可能だろうと思う。深夜に、購入予定のマンションを見にくる人間はおるまい。したがって絶対事前にはわからない。ご愁傷様である。そしてそのあたりは、すこし夜遅くなると、人通りがほとんどなくなるのだ。

 一般の人が、広告などを見て「あ、安い!この物件は掘り出し物だ!」などと買い気に走るのは、無謀としかいいようがないということがおわかりだろうか。われわれには、昼間の情景と、価格。間取り程度しかわからない。掘り出しものと思ったら、なんのことはない、安物買いの銭失い、至極妥当な価格だった、というわけだ。あなたが不動産の専門家であれば「掘り出しもの」という言葉を使ってもいいだろうが、一般の人間には掘り出し物などわかるはずがないのだ。

 注意するべき一般的事項:

1.できるだけ専門知識をもった友人・知人・専門家(不動産、建築関係)に相談する。本当に安いのか。どこに注意をして安請負を見抜けばいいのか、などである。専門家に依頼して、多少のお金をとられるけど数1000万、数億の確実な買い物を確保したいか、それとも、そのお金をけちって、わかりもしない高価な買い物をしたほうがいいのか。

2.物件は1日、昼間に見るだけでなく、「土日」「平日」「昼」「夜」と近くにいってみる。休日、突如、付近に怪しい人間の集団が集結し始めるなんてことがないように。土地というのは時間帯によって雰囲気がまったく違ってくるものだ。

3.少しでも信頼のおける業者から購入する。「今、どこの不動産関係企業も財政的に安心できない」というのも事実であるかも知れないがそれでも、きちんと自分なりに審査が必要だろう。管理費をあずかったまま、倒産して回収できないなんてことのないように。

4.「掘り出しもの」などという用語を使って、自分を自己暗示にかけないように。バブル時期と違っていくらでも、物件はある。本当の掘り出し物は、あなたが見つけるまえに専門家が買ってしまっている。あせって、飛びつく必要などはない。だまして買わせようとする輩も、「すぐに売り切れちまいますよ」と脅すことがある。

8.ぼった2

 ぼったくり条例が施行された。まるで日本全国で有効なような錯覚に陥るが、実は東京都だけである。たとえば、日本の北で有名なボッタ名所があるが、そこには施行されない。国の法律ではないのだ。今でも北の某所では、出張サラリーマンがビール1本7万円むしりとられている。しかし、これだけ、被害が明らかなのに、ぼった店は堂々と店をかまえているというのはどういうことなのか?理解に苦しむ。暴力、脅迫で法外な料金を取っているのは明らかというのに、取り締まり条例がでなければ、被害者が、人が死ぬまで対応できないわけだ。全国の被害総額を計算している時間があったら、法律のせいにしないで、真剣に徹底的に取り締まったらどうなのか。脅迫行為をしているのが明らかなのに、民事不介入もないであろう。ともかく、やっとこさ、重い腰をあげて、一歩を踏み出したということだ。これまでに、何人の人が泣き、何人が怪我をし、脅迫され、しまいに、殺害されたのであろうか。何10年かかったのであろうか。屍の山の上での条例ということだ。

 ぼったくりの被害を受けた話をまたある人から伺った。私の周りだけでも、4人の話をきいている。ぼったくりの被害は思ったよりも多いのだろう。被害がでているのに、よくぞ、ここまでほっといたものだ。

 ぼったくり条例で、暴力的料金取り立てがなくなるとは到底思えない。こうしたことで明日の糧を得ていた人間が、「今日から、私達はまじめな飲み屋になりますです。はい」なんてことはありえない。隙をみつけて、より巧妙な手口でぼったくるか、条例の網をくぐったような合法?手口を見つけると思われる。

 これでぼったはなくなったなんて、とんでもない誤解をしないように。彼らの新しい手口に備え、より注意深く、繁華街をあるかれますように。 条例の抜け道が何か見つかり、新しい手口を発見されれば、被害を受けても、また、前と同じように検挙できないのである。つかまえてはくれないのである。彼らはアイデアマンであり、最近紹介した、若い女性を使った逆ナンパ方式といったものも発明する。これは、「客引きはボッタくり」ということが、かなり知れ渡ってしまい、客がつかまえられなくなったことへの彼らなりの対応である。女性の逆ナンパも知れ渡れば、また別の手を考えるだろう。こんどはどんな手をかんがえるのだろうか。

 今のところ、彼らは、しばらく様子をみているようだ。客引きの身なりが急に立派になっているとも聞く。(なお、最近は若者の客で、体が大きく、怖いもの知らずの凶暴そうなのが客だと、「ざけんじゃあねえよ!そんなもん払えるかい!とってみろ!」と客の若者がキレて逆に店員の方が脅されてしまい、堂々と出て行かれてしまったということもあるようだ。毒をもって毒を制すか?キレる若者には暴力関係者も手をやいているようだ。でも、われわれは真似をしないほうがいい)

 なお、10万円頂戴します、なんていってくるのはいいほうだ。飲み物に睡眠薬をいれて眠らせて、身包み全部剥いじまうほうが、彼らも危険がなく、効率がいいと気づいていたらしい。だから、被害者が凍死した例などはご存知と思う。

 ぼったに会うのは、1人の時でなく、2人、グループの時が多いようだ。1人では警戒心があるが、複数人だと警戒心が弱まるし、冒険してしまえ、という相互作用が働くのだろうか。ぜひ、こういったときには、その中の人でも警告を発した方がいいと思う。例をあげれば、道を歩く1人の女性をナンパするのは非常に困難だが、2人づれの女性はナンパしやすい(らしい)。ついお互いの顔を見合わせて、ねえ、いってみる?となってしまう。

9.採算

 どうしたら、悪徳商法の魔の手にかからずにすむかをこの一連の文章はのべてきたわけである。これは、だましのテクニックを見破ることに他ならない。.

 見破るポイントのひとつに、採算がある。通常に販売、製造していたら、こんな価格でできるはずがない、採算がとれるはずがない、というものである。もちろん、理由があればいいのだが、特別理由なくショッキングプライスになっている。なんの理由もなく、安く販売できるのであれば、みんなとっくの昔に安くしているのである。商売では人間を雇用し、場所を借り、借用資金の利息をはらっている、それらをどうやって払って、かつ利潤をうんでいるのか理解できない場合がある。理由を理解できない安さには警戒である。

 こりゃへんだ、くらいの気持ちをもつべきである。ある人はいつも、あ、あんなに安いぞ買おうと反射的に行動している。私は安い、といわれると「なんで?」と思わず聞き返してしまう。だって、理由なく安いはずがないのである。

 「安いから買ってきちゃった」「なんでそんなに安いの?」「知らない、けど、XXよりも80%やすいの、得しちゃった」だいたい買って使うだすときには、その安かった理由をいやというほどわかるようになるものだ。あなたが買った、お得な商品とやらはほんとにとくなのか?

 店員に聞いたりして、本当に正しいことを教えてくれるとは限らないのは当然だが、一応きいて、これを自分でせめて一度は本当かどうか判断して購入するようにしたいものだ。そうでないと、安い、疑いなく買うという誠に販売側にとって理想的な反射回路ができてしまう。

 悪徳商法ではないが困るものには「デザインが古い」「素材が安物」「単にうれなかったものの処分」「バッタといって、出所の不明なところ得たいの知らないもの」「保証なし」「将来性なし」「腐ってくる寸前」「すぐこわれる」といったところか。(これとて、購入者に理由を告げなければ悪徳商法であろう)

 悪徳商法では「素材が極端に粗悪」「賞味期限うそ」「不良品」「ブランド偽物」などがある。

 悪徳じみたやり方のひとつが、「おとり商品」である。馬鹿安い1品を広告、派手な広告と、店内ディスプレイで強調し、客をひきこむ。しかし、他の商品が若干高めに設定されており、顧客はちゃんと利益を提供している。(ここまでは悪徳とは断言できない)しかし、ひどい場合には、そんな商品、実はなかったり(聞くと売り切れ)、10個くらいしかなくて、それも店員が購入してしまったりする。

 私の体験を話そう。ある有名なディスカウントショップの新聞広告でビデオデッキが安く19800円で販売されていた。私は友人とともに車で買いにいった。すると店員は「すいません、うりきれちゃいました。」残念がっていると、「でも、29000円のこれなんかいいんじゃないですか?」とすすめる。心がうごいたが、「でもいいです」と帰ろうとした。すると「ちょっとまって、電話でXX倉庫に問い合わせてみるから」と電話をして、「お客さん、よかったよ。19800円の1台だけあったそうだよ」こういうやり方を平気でやっている。実に悪質である。多くの客に29800円で販売しているのだ。

 採算を考えるというのは、実に効果的な方法である。純金ピアスXXX円というのがあり、これで採算がとらないことはだれでも、すこし考えればわかるはずなのだ。もちろん、ちゃんと、店がわは取り返す仕組みができている。金製品は世界中価格は同じであり、営業努力で安くはできないのだから。

 売上から、費用を引き、それはマイナスなら、その会社が時間の問題で倒産する。何の理由もないのに、馬鹿安いのは、あなたが気づかないところで、利益を彼らは生んでいるのである。「営業努力・工夫」と「単に安い理由をしらないだけ」を見分けられるようになりたいですね。