新々悪徳商法手口

1.解約

 物やサービスを購入する際には契約を我々は業者とかわしている。どんな契約のときでも、解約についての条件を明確にして、理解しておきたい。また、きちんとした契約であれば、解約などについての条件なども書いてあるはずである。

 消費者の方から、もういらない、解約したいと申し出れば、解約金を請求される。常識的な解約の違約金のパーセントと、かけ離れた額を取るような契約は注意されたい。

 悪徳商法では、はじめから、解約してくださいということを、被害者が言ってくることを知っている。だから、解約にはことのほか厳しい条件をつけているし、なかなかさせない。だから、解約について注意しておいてほしいのである。

 また、中には、はじめから、解約に持っていかれるだろうなあ、と承知の上でやっているのもあるようだ。解約金目当てというわけだ。解約してもらって、ああよかったと思うが、向こうはそれで十分と思っているのか知れない。

 それでも、悪徳商法で、被害者がサインする瞬間、「解約するときにはどうなるんですか?」と聞かれれば、ビクッとするだろう。あまり話したくない事項だからだ。正直に、何10%はらっていただきますとか、全部はらっていただきます、解約はお受けできません、なんていったら、そこで契約を中止される可能性がある。だから、大丈夫ですよ、とか話を濁すだろう。でも、それでも、解約の事項をじっくりと読み、相手に直接聞くのがいいだろう。うろたえるようだったら、慎重になりましょう。

2.事務所

 道端で声をかけられて、キャッチされても、最近はすぐに、付近にある事務所に連れて行こうとするのが流行だ。その場でサインさせるのは減ってきているのだろうか。「ちょっと、そこにあるところまで来て。ね。よく話を聞いてもらったほうが僕たちも嬉しいからさ」ウソである。うれしいはホントだが。

 なんで事務所につれていきたがるのだろうか。

1.道端で、何時間も話せまい。(説得できまい)被害者がもういいといって、かえってしまう。事務所なら、座らせて、じっくり説得(料理)できる。何時間でもかけられる。

2.つれてこられたというのは、すでにカモになる可能性が高い人間である、と踏んでいる。事務所には、客を落とすベテランがドンと一人いて、豊富な経験と訓練された話術で、その選ばれた候補者に集中できる。つまり、一番うまいやつを、効率よく使うためにも、事務所においておく。また、これならば、キャッチする人間は、まだ半分素人でも、なんとかなる。落とすのは別担当だからだ。彼らの経験・訓練はハンパでなく、まずほとんどの人が落とされてしまう。

3.話を中断させにくくする。道端だったら、すっと歩いていってしまえば終わりだ。まさか、追いかけるわけにはいくまい。事務所にいってしまえば、かえるキッカケを作らないと帰りづらくなるものだ。

4.威圧などの違法的行為も可能だ。事務所の部屋なら、誰も見ていない。だから、まず「ウソ」のトークをしても第三者は聞いていないし、なんでもいえる。おとなしそうだったら、脅しっぽいこともできる。部屋のドアのところに、誰かをたたせてもよい。脅そうがなにしようが、誰もみていないのだから、やりたい放題なのだ。警察などに言われても、なんの証拠もない。

5.催眠効果が期待できる。契約に合意するまで、何時間でも粘れば、やがては根負けして、契約してしまうこともあるだろうし、意識が朦朧として、相手の言葉が催眠のように頭にはいってくることもあるようだ。魅入られてようにサインしてしまう。

 ともかく、相手の土俵にはいってしまうわけで、もう相手のいうことに逆らうのは難しい。飛んで火にいる夏の虫状態である。

 「ちょっと、すぐそこだから、来てよ。ここじゃなんだから」このセリフがでたら、絶対に「急ぎます、失礼します」といって一礼して、人のいる方向に向かって歩き出すことだ。

 ほんと!事務所につれていく、2階につれていく、別室にきていただく、こういう人が最近悪徳商法ではやってんだよ!

3.絵の展覧会?

 絵の展覧会や、美術館に行くのはいいものだ。気持ちも安らぐ。確かにそのとおりだ。でも、時間がないからなあ。

 さて、地下街などを歩いていると、なにやら、特別な催し物らしくものをやっている。急ごしらえの板で場所を作り、何10点もの、絵画、ポスター、リトグラフを展示している。

 あ、絵だ、ちょっと時間あるし、たまには絵でも見てみるかあ。見ると有名作家のポスターなどである。忙中閑ありだなあ。豊かな気持ちになってみていると、やがて人が近づいてくる。みると、センスのいい服をきたかっこいい人(男女どちらの場合もある)が、にこやかな笑顔で、こちらを見ている。「素敵な絵ですよね。XXXXの最新作です。XXXXはYYYYの....」と解説をしてくれる。品がありそうで、まるで名門博物館の説明員のような印象だ。話を聞きながら、相槌をうったりする。ここまでは美術館を訪れた紳士に自分がなったようだ。

 と、即席美術館の時間はここまでである。ここからは、数10万円の絵画の売りつけ場所へとはや代わりしていく。誰がこんな場所で、無料で絵画をかざっているものか。変ではないか。慈善事業ではあるまいし。公共団体ならわかるが。実はこれは、何気なく立ち止まった人間を狙った、絵画販売のゾーンなのだ。

 さりげなく彼らは、話を聞いてくれる人間に、絵画の薀蓄の話からはじめて、いつのまにか、今回安くお分けしております、市場では50万円でも、20万円で今回だけお分けしております、と芸術から商売の話にかえていく。

 通常、そんな金額になると、びっくりしていってしまうはずだが、絵の世界だとなんか、薀蓄があるようなミエで、うなづいてしまう。(「ふうーん、そのくらいするんだろうねえ」「お客さまよくご存知ですね!」)それが狙いなのだ。20万でも高いと思ってると、売り込み文句が立て続けに浴びせられる。そして、ローンもご用意しております。初回、5万円お支払いいただければ、結構です、となる。ここまでなら、まあ、絵画のセールスだから、商法としても問題は特にない。

 しかし、ここで、意思表示を明確にしないで、まだ、薀蓄のある人間などを振舞っていると、得意の別室に案内されてしまうここではさらに強烈な売り込むをされる。悪質な業者であると、監禁に近い状況に持ち込み、無理やりサインをさせてしまうのだ。これがこの悪徳商法による絵画販売の問題である。(前回の内容通り、「事務所、別室にはいくな!」である。)

 通常、絵の話などは、商談ルームなどの静かな別室にいくのはまあ、普通だ。その常識を悪用して連れ込むのである。40万円の健康器具の説明で別室へなどとなると警戒するが、芸術の分野の絵画の話とかだと、別室なども自然に考えてしまうのだろうか。

 かくして、移動中のわずかな時間で、絵画でも鑑賞するかと立ち寄った場所で、いつのまにか、アリ地獄のような場所に案内され、ローンを組まされてしまう。部屋から開放されると、まるで、白昼の都会の悪夢をみたような気分になるだろう。

 絵画だろうが芸術だろうが、価格というものがある限り、悪徳商法のツールなのだ。見え透いた商品を売りつけるよりも、「芸術の誉れ高い商品」だと、悪徳商法と気付くのが遅れてしまうのだろうか。やつらにとっては「モナリザ」だって、この商法で売りつけることができるのだろう。芸術性と商品性は別である。

 今の世の中、「ちょっと時間があるから、見ていこうかな」という遊びの感覚すら獲物にされてしまう時代なのだろうか。

4.教育

 教育は「人を作っていく」過程であり、本来、教育者は聖職であるはずである。ここを狙ってくるのだろうか、現状、悪徳なものが大挙して参入し、もう「教育」といったら、胡散くさいものになりつつある。私自身が教育関係なので、この現状は涙がでるほど情けないものである。電話や、訪問販売で、相手が「教育」といってきたら、きたぞ、と警戒が必要な状態だ。教育(研修含む)関係で、胡散臭い商売はいくらでも例があげられるほどだ。これだけ、教育分野に怪しい奴らがはいってきたのは、時代がそれだけ、教育を求めているという証なのかも知れないが。

1.自己啓発セミナーと称する、数10万〜100万程度の受講料金をとるセミナー。出れば出るほど、「その業者への盲目的信頼」が啓発されていく。間違えても大切な友人を勧誘しないようにね。友人を失うことに比べれば100万程度の勉強代で済めばオンの字かもしれないです。

2.研修とセットにされた自宅ビジネス。仕事をやるなら、研修受けろというわけだ。仕事ほんとにくれたらイイネ。

3.全く価値のない、自己満足の資格を目標にさせて、教育を受けさせる。そんな資格だれも知らないって。また、金と受動的で取った資格で仕事なんかないっす。ひどい場合は、ある認定機関(公的組織に聞こえる)が認定してるけど、その機関はなんと業者の資本でやってたりする。それに、誰でも簡単に、講習受けた程度で取れる資格なんて、価値ないっすよ。「伊藤大作認定、ウルトラスーパービジネス検定超一級」なんて資格はどうですか?いまなら、「お金」だけで認定証を送ります。

4.会社の上司から、あなたを推薦されたとか、オオうそこいて、教育を受けさせる。だいたい受講料100万円。どの上司かは、秘密になっておりますだって。かんべんしてよ。「キャンセルすると上司にいいつけますよ!」なんてのもあるので、あきれ返る。いいつけてみんかい!

5.いまだけ、特別に簡単に電検3種とれますとかいうやつ。簡単だったら権威ないだろうが。国家資格を自分らの商売のネタにしおって。

6.子供の教育も、奴らにとってはおいしい。亭主の小遣いけずって、子供に金をかけまくるのは、今のハヤリだから、業者も笑いがとまらない。ロクでもないコピーしまくりの教材をやまほど、置いていっておわり。電話、FAXの指導ったって、ちゃんとした一部の業者以外は、手抜きまくり。単なる「悪質教材、超高価販売」業者でした。

7.子供教育の勧誘もすごいよ。まず、学校の放課後、校門に結構、子供に直接アンケートとかドリルくばってる男いるものね。無料で採点してあげるとか書いてあるので、子供がそのドリルをといて、次の日渡したりするんだ。すると、子供が書いちゃった名前と住所でセールスマンがやってくるという仕組みになっております。「ただほど恐いものはない」ですね。子供は素直で、まだ、世の中の暗黒面を知らないから、簡単に自分の名前と住所おしえちゃうんだ。これを読んでいるお子さんのいる家庭の人は子供にすぐ注意しといてね。でも、子供から狙うというのは、いやな奴らだ。教育内容に自信があるのなら、そんな勧誘しますか?親も教育業者には最近は塀が高いから、奴らも自分の身分をごまかしはじめたらしい。傑作は大学のサークルだといって、信頼させる手だ。奥様たちは、大学生がバイトで子供教育の研究、バイトしてるなんて言うと、ころっと信じてしまうらしいです。

 教育は、本来、自分が主体的に勉強していくものだ。完全に主体的にやるのなら、本屋に行けば、腐るほど、優秀な教材うってますよ。非常に安く。主体的に勉強する気になれば、それで十分なんだ。金はかかりません。実習が必要な分野や、勉強の援助が必要な場合は、資材や優秀な先生が必要だから金額がどうしてもはってしまう。でも、だから、教育のような高価な買い物をする際には、よーく考えて購入しなきゃならないでしょう?相手のセールストークだけを催眠術のように信じて、玄関でサインして買うものじゃあないんです。もっと気をつけましょう。高価だから、悪質業者がどんどん増えているんだ。社会人向けのIT教育にしても、子供向けの受験産業にしても。

 よく、わからないけど、何10万かする高価だから、買って、やらせる/やれば、なんとか勉強になるだろう・するだろう、なんてのは大間違いであります。いい教育と悪い教育は存在するし、その間には天地の開きがあります。

5.買戻し商法

 この前、倒産した宝石商がありましたね。まず、ともかく宝石買ってください、何年かたったら、うちが元値で買い戻します、とかいうやつ。みんな、高価な宝石がただで着けられると喜んで申しこんでいました。結局倒産で、安物の宝石と、借金が残ったわけであります。ここでは以下の教訓が得られました。

1.TVコマーシャルしていて有名でも、悪いことをするときはする。信用にはつながらないということ。

2.こりゃ、得だ、と思ったでしょう。でも客が得な面、店は非常に危険な状態になります。お金の流れのわからない人は、ただ、喜んでいたのでしょうが、わかる人は、このビジネスはあぶない、と分かるはずです。でも、会社がでかいから、いくらなんでも、平気だろう、と思ったと考えます。でも倒産してしまいました。悪徳商法の切り札、必殺技は「倒産」なのです。株式会社ですから、倒産してしまえば、客は単なる債権者にはや代わり。個人には1部をのぞいて責任はまず及びません。この彼らの必殺技をわすれないようにしましょう。たとえ、計画的ではなくても、企業の資金繰りがつかなければ顧客に損害が及ぶことはわかっていたはずで、そんなビジネスをはじめたところが、すでに悪質だと思います。宝石に限りませんよ。今、まだ、破綻していませんが、私など「この会社が倒産したら、客はどうする気なの?」と傍で見ていて、ひやひやする商法が沢山あります。この倒産という悪徳商法の得意技はまた別途詳細に説明します。ともかく、いつでも、この会社が倒産したら、どうなるかを考えて契約しましょう。

 ちなみにこの買戻し商法だって、いまでも、宝石からいろんなものに商品を変えただけで、平気でやってます。高価なものなら、なんだっていいのです。

 マンションなんかもバブル時はそうでしたよね。住むだけすんで、いざとなったら、高値転売しようと。でも、価格が下がることを考えていないために、大変です。高級外車なんかどうですか?夢の外車を乗り回して、期間経過後、買い取ってもらう契約をするのです。こりゃあ、あぶないでしょう?だって、買い戻すときに、いくらでも、業者はいちゃもん付けられますよ。車だから、やれ、シートが汚れた、車体に傷がついてる、なんでもいいです。買い叩かれます。また、さっき書いた、倒産なんかしちゃったら、どうするのですか?買い戻してはくれませんよ。

 宝石にしても、外車にしても、買戻し特約は、たとえ良心的な業者でも危険だと私は思いますし、悪質な業者であれば、なおさら、危険極まりないものになります。

6.「あたった」と携帯電話

 携帯電話の価格を見ると、0円とか、100円とかで売ってるのを見かける。なんでこんな値段で売れるの?と思うだろう。もちろん、0円で売れるはずがない。携帯電話に限らないが、毎月料金を支払う商品では、こhういった根付けになることが多い。それは毎月の料金での業者側の利益が、既に売値に反映されているからである。たとえば、若い女性がつきに10000円くらい使うと考えよう。すると、6ヶ月で60000円になる。これだけの利益が予想されるのだから、これは安くても全然有利である。で安くなっているわけだ。でも、すごく安い場合には、よく見ると、何ヶ月かは解約できないと明記された契約になっていて、解約する場合には違約金を支払いことになっているのである。このシステムを考えれば、当然であろう。でも、ともかく、0円とは条件付きの0円だということを忘れてはならない。本当の0円ではないのだ!100円などの値段も同様である。

 まあ、上記のことをよくわかって、お店に出向き買うのであれば、全然問題ない契約である。合理的な商売である。でも、これをいろんな方法で、「あたりました」と絡めて、錯覚を起こさせるように売り込むのは、悪徳でないにしても問題ではないだろうか。顧客の思い込み、錯覚を、業者側から、引き起こそうとするのは褒められたものではないと思うのだが。

 たとえば、懸賞の商品である。ちょっと前まで、「携帯が当たる!」などと懸賞をやっていた。ショップで、100円でうっているようなものを、懸賞の商品に該当させるのだ。おめでとうございます、当選しました!とやる。100人に1人あたったりするから、「おめでとう」というのが常識ではないか?見てると、みんなほとんど、(全部だと思うが)当たっている。こういうのを通常はおめでとう、とは言わないだろう。おめでとうございます、早急に契約をお済ませください、などと連絡がくる。すると、当たったんだったら、これはもらわなければ、と「非常に少ない有利なチャンスを自分はゲットしたんだ。ラッキーなんだ、このチャンスをのがすまい。」と事情がわからない人は誤解しないだろうかまた商品価格の相場、仕組みがわからない人は「こんな高価なものをいただいて」と誤解しないだろか。知らないほうが悪いということなのだろうか。買うかまよっていたが、この「あたりました」で購入になってしまう人が沢山いると思う。これも当たり前の売り方なのか?かくして、本来、自ら店に出向いて拘束期間を理解し買うのはことなり、おめでとうおめでとうといわれて、せかされたように貰って?(買って)しまうのだ。こんなことを書けば、「みなさん、契約書にサインしていただいてますから、問題ありません」と業者はいうだろうが。

 懸賞だけではない。店頭などで、また、いろんな場所で、抽選形式でやっている。見ていると、みんな当たり!で、おめでとうございます!携帯が無料になりました、とやっている。これは正常な、消費者への売り込み行為なのだろうか。みなさんはどう思われますか?場所貸しをするほうも、立派な団体、会社が事情もわからずに貸しているようだ。懸賞を実施する団体も無料で景品を提供してもらえるわけで、よろこんでしまうのだろう。最近はさすがに、携帯当たりましたは価格・システムが知れ渡り、チャンスでもなんでもないことが知れ渡り効果がなくなりつつあるようだ。

 懸賞であたって貰えたもので、毎月基本料金を取られる、しかも、解約を一定期間できないわけだ。市場でも、ほとんど無料、または近い価格で契約して販売している。これが「あたった」ものといえるだろうか。

 当たりました、は、前にも書いたように、携帯だけでなく、指輪とか宝石とかでも得意技でやっている。最近は、CS放送でも、視聴料とのからみで同様にやっているようだ。あたりましたは、胡散臭い代名詞と私は思っている。電話でも悪徳商法は「おめでとうございます。当たりました!」と年中、被害者候補に叫んでいるのはみなさんご存知のとおりである。

7.ダイアルQ2

 ダイアルQ2と言えば、最初はいろんな慈善活動での募金集金などに使うことを目的としていた。しかし、その後、アダルト関連の集金に使われるのが主になってしまったのは皆さん、ご存知の通りである。また、これを使って、悪徳商法が新たな集金をしている。

 インターネットを使用している人間は、よく読んで欲しい。

1.ActiveX

 アダルトサイト、MP3サイト、アングラサイトなどで、クリックとやると、プログラム(XXX.EXE)のダウンロードが開始され、それを支持通り実行すると、ダイアルQ2や、国際電話につながり、いつのまにか、莫大な料金が自動的に請求される。

 でも、最近のはこれほど、単純ではなく、もっと複雑な手法をとり始めているようだ。プログラムのダウンロードも、通常のダウンロードではなく、ActiveXを使用するものが多い。ActiveXとは、ウィンドウズだけで使われるプログラムの単位で、サイトをのぞくと、自動的に、そのプログラムがダウンロードされてしまうのである。一応、セキュリティ警告が表示されるが、一般のサイトでもよく似たような画面は表示されるので、なんとなく、OKをクリックしてしまう。

 すると、自動的にダウンロードされる。さらにActiveXの恐ろしいところは、プログラムが自動実行されることだ。従来のEXEをダウンロードしてから、実行などという面倒な操作をする必要がない。かなり慣れたネットサーファでも容易にひっかかる。ページを参照しただけで、ロードし実行されるので、気が付かない。

 このプログラムは、Javaのような中間コードではなく、バイナリコードなので、いろんなことが可能である。ロードされて実行されると、このプログラムはすかさず、現在の接続を切り離し、ダイヤルQ2の接続を開始する。通常の回線であれば、ダイアルパルスや、トーン音が聞こえるので、「あ、ダイアルしてる?」とわかるが、ISDNであると、全くわからぬまま、ダイアルが可能である。

 そして、このダイアル先は一応、インターネットに接続されるので、使用者はまず気がつかない。再接続されてしまうわけだ。かくして、通常のインターネットの使用と思っているが、莫大なQ2課金が行なわれる。

 さらにこのプログラムは悪質で、次回からのダイアルアップをこのQ2先に自動的に変えてしまう。次の朝、接続したときに、通常通りインターネットにもつながるので、使い続けるが、実はこれはダイアルQ2なのである。

 ヘビーユーザなどの場合には、1ケ月でどの程度の課金がされるのだろうか?6秒10円として、1分で100円。1時間で、6000円。10時間で、60000万円である。ましてや、使い放題のインターネットや、テレホーダイなどをやってようものなら、もう1ケ月後に、何10万、いや、100万を超える可能性がある。

 この問題が顕在化して、NTT側も困っているようで、ダイアルQ2にかけていないかをチェックするプログラムを提供しているようだ。でも、最近バグが見つかったそうで、提供は中止されている。やれやれである。

 インターネットの活用を電気通信事業者は強くアピールしている反面、ダイアルQ2というシステムも提供している。そしてOSには、ActiveXなるシステムが提供されている。これでは、悪徳商法をどうぞ、やってください、といっているようなものではないか!

 どこに全部の責任があるとは言わないけども、少なくとも電気通信事業者には、いろんな悪質なやり方のクレームが沢山届いているはずである。きちんと、これらを公表し、郵送する請求書などに、彼らの手口を公開し。悪質なものはどんどんQ2契約を解除してほしいものだ。これでは、安心して、一般の人が使えないではないか。

 さらに恐ろしいことに、それらのQ2ダイアルアップでの使用の場合には、ダイアルアップサーバに、ユーザ名とパスワードを送信している可能性すらある。そうすると、それらの情報が漏れる可能性もあるのだ。あまりに脆弱なセキュリティといえよう。

 ともかく、1.システムの設定でActiveXを使用禁止にする。使用している場合も、セキュリティ警告がでたら、いいえを選択する。2.NTT提供のダイアルQ2監視プログラムを導入する(バグがとれて再度提供されてから)といったところであろうか。3.かかってしまったらすぐに、通信事業者のダイアルQ2の相談窓口に相談することだ。4.プロバイダにも接続パスワードを変更してもらうようにしてもらう。などの対策を至急講じたい。

2.これはNTTサイトに書いてあるが、ダイアルQ2の使用料金が業者に振り込まれた後に、業者側が直接、ダイアルQ2料金を払えと、被害者に請求してくる場合があるようだ。ダイアルQ2は通信事業者しか料金請求をしないのである。

 ダイアルQ2自身を使用しないように、してしまう手もあるが、意外に便利なものなので、全面禁止ももったいない。(セガのプロバイダ接続での従量制料金請求もダイアルQ2なのである)

8.メール友達商法

 今日の朝、TVで、「メール友達商法」の被害者が増加していると報道していた。なんだそれはと思ったが、聞いてみると単純な手口である。

 インターネット(iモードも含む)で、「メール友達(メル友)求む」というのは、いろんなところで見つかる。メル友掲示板とか、専門のサイトもある。それだけ、人は出会いを求めているのだろうし、人間関係が希薄で心寂しいのかも知れない。メールを通じて、出会いができていくというのはいいものである。私のもと、友人でも、インターネットで知り合って結婚した人が2人もいる。私もメールをやりとりして、いろいろ情報交換している友人(悲しいかな男性)がいる。

 その手口というのは、まず、それらのメル友募集のコーナに、名前を出す。すると、すかさず、異性から、メル友になりましょうとやってくる。しばらくの間、やさしい文言で優等的な友達になり、親交を深めていく。また、いうまでもなく、異性の心を捉えるのがうまいし、会っても受けのいい感じの奴がやるのである。

 ややあって、「会いましょう」と来る。それまで、心を通じ合えた相手なので、会う。そして、しばらく友達として、お付き合いし友好を深めていく。(この深めていく過程を省略する場合もあるだろう。きっと)そして、おもむろに商品を買わせるのである。それも、今までの友好関係と関連させるような口調で迫るので、断りにくい雰囲気になっていくのである。

 買わせるやりかたも、いろいろ考えられる。いきなり「買ってよ」でもいいし、「SF商法」のような催眠的セミナーに「2人で出席しようよ。つきあってね」でもいい。なんだって断りにくい。だから、悪徳商法の被害者にひきずりこむきっかけにすることができる。

 この友人関係、恋愛関係を使って、引きずり込みやすくするのは、大昔からある手口であり、さほど、目新しいものではない。1人だますのに、苦労するから、高価なものをかわせて、被害を大きくさせるようだ。

 この関係を作るきっかけに、電子メールを使うようになっただけで、昔から出会いの手段を使っている。でも、電子メールを使うのには、それなりのメリットがあると考えられる。

1.いきなり会うのと違って、「メール」を使うと、最初、気軽にやりやすく、メール友達をつくりやすい。メールで知り合ったあとはゆっくり、親しくなっていけばいいのである。

2.メールだと、面と向かったつきあいよりも、いきなり、自分をさらけだすことができるものだ。人生や家庭、人間関係の悩み、愚痴などを聞いてもらえるで意外に、早く親しくなれる。また、それを通じて、被害者の情報を得やすい

3.完全な匿名を保つことができる。

4.メール段階で親しくなっているので、会ったときに、なかなか、次には会いません、とはいえないものだ。(だいたい悪徳商法でなくても、この「会いません」の段階でストーカになるやつも多いぞ!)

5.メール友達の需要が物凄いので、いくらでもカモがいることになる。相手に困らない。

 電子メールで、悩みなどを聞いてもらって、暖かい言葉をもらった、しかも、お互いの心が通じ合う、で、会いたい、と来れば、あなたは、それを拒否できるだろうか?

 そして、会って、さらに親しくなったところで、XXXXの説明会へいこうよ、YYYYっていいものなんだ、1セットでいいから買ってよ、僕との仲じゃないか、つきあいなんだよ、などと迫られたら、あなたはそれを断れるか?ことわれないだろうと思う。拒否したら、友達を失うかもしれないし、怪しくても、友達を疑うように見えてしまう、それはいやだ、ということだ。

 メール友達を否定するものではないが、非常に危険な面もはらんでいることをしっておこう。会うときには、警戒心100ではじめよう。それはおかしなことではない。あたりまえなのだ。なぜなら、ちょっと前には、赤の他人だったのだから...

 「XXXXへ、いこうよ」といわれて、言った場所が、セミナー・説明会っぽかったら、「来たな!」と警戒モードに入ろう!「XXXを付き合いで買ってよ」とくることもあるが、「いらない」で一本でいく。やばいぞこいつ、と本能が知らせたら、早く関係を切っていくことだ。「親が病気になってお金がない」「事故って金がない」とかはじめたときも同様である。親に相談するなりして事実関係を相談しよう。

 ちなみに会ったあと、すぐに関係し、それを写真に撮って、ストーカ化した中年じじいの話を、TV番組でやっていたっけ。こわいものだ。

 最後に、メール友達の相手の本名を聞いて、それを確認できるまでは、自分の本名も絶対だしちゃだめだよ。