新悪徳商法手口

1.ハイテク

 最近、インターネットを見ていると、ほんとに怪しいものが増えてきている。それは私だけでなく、みなさんも同じように感じられるでしょう。以前、メールを使ったマルチ商法などを以前書いたが、悪徳商法もハイテクの世界に簡単にはいってきたのだなあ、と思う。

 ハイテクだろうがなんだろうが、人を騙すんだから、原理は同じというわけだろうか。単なる応用なのかも知れない。ただ、ハイテク時代になって、あらたに悪徳商法をはじめるようになった人間もかなりいるのではないか?

 偽プランド品で騙す技術があれば、そのまま、CPUブランドの偽物も容易に可能だろう。前はかなりのマニアのみ、パーツを買い集めて自分でパソコンを組み立てていたものだ。でも今では、多くの人が自作パソコンを作り上げている。これだけ、単品の部品が多くの人にうれるようになると、悪徳商法の市場ができあがる。彼らは非常に単価の高いものをその道具に選ぶ。一時はメモリが使われていて、アクセスタイムを書き直していたものだが、今ではめった見なくなった。今はなんといっても、ペンティアムCPUである。単価が数万円である。バッグと違って、使ってみて動かないと困るので、完全な偽者ではない。CPUは最新型は高価だが、ちょっと前のだと、一気に価格が下落している。また、インテルのCPUは、製造の過程でかなりの動作周波数の速度の「あそび」を持っているのでこれを使う。
 だから、600MHzのCPUのパッケージの印刷を書き換えて、800MHzのCPUに見せかけて売るなんてのも平気でやる。インテルのCPUはだいたい、それくらいは動くようになっているからである。でも、800と信じて設定して動かしていると、なんとなく、不安定になったりしたり、自作派の醍醐味のオーバークロックをやると、全然動かなくなるのである。

 激安だけの看板・広告につられて、聞いたこともない怪しげな店で買うとこういったものを仕入れてしまう。高価なものについては、やはり信用のある店で買うべきだ。この点はブランドものと同じだ。もっとも、印刷の書き直しは、店自体も騙されていることが多いのであるが。(ちゃんと返金してくれるといいのだが)一般の人が、印刷を書き直しているかを見分けるのはほとんど不可能である。

 怪しげなホームページも多い。メールと同様、やたら、「マルチ商法」(さあ、あなたも、成功しましょう!先頭の1人に5000円を送ってください云々)「内職(サイドビジネス)商法」の2つが多い。この2つは簡単に騙しやすいのだろうか?

 パソコンがわからない、といえば、すかさず、「パソコン教室」のサギが多くでてくる。これは内職商法の一種なのだが、やたら、今、被害が多いようだ。どういうのかというと、パソコンを使ったアルバイトを紹介するが、その前段階で、指定のパソコン教育を受けてほしいとするものだ。この教育費用のローンを組ませてしまえばこっちのものというわけだろう。パソコン教室も結構高価なので、ターゲットにされるわけだ。もちろん、仕事紹介するのでパソコンを買え、というのも健在だ。

 エッチサイトの参照で検索をしてみると、ヒットするほとんどのサイトが、ダイヤルQ2を使用した、国際電話料金徴収ものばかりで、うんざりする。またかよ、ここもかよ、という感じだ。まともなサイトの方が少ない。HPでのアンケートを応えた結果、電話がかかってきてしまうのもある。メール情報提供のサイトなどでも、怪しげなものが満載のメールが送られてくるものが多い。

 もはや、インターネットなどは怪しげな情報に満ちており、「インターネットは魔界の巣窟」という感もある。ハイテクの世界には、どんどん覚えて入ってくる新入生が沢山いるわけで悪徳商法にしてみればおいしい世界なのだろう。インターネットなどをあたかも、きれいな世界のように最初は信じているものだ。だから、その人たちに先制パンチというわけか。よく友人、知人などにパソコン、インターネットの使い方を教えてあげている人がいるが、大切なのは、「インターネットはハイテクの世界ではあるが、善人の世界とはほど遠い、要注意の世界である」ということも、必ずきちんと教えてあげてほしいのだ。ただ、乗り方だけを教えてあげて、あとは知らないよは、危険だし、かわいそうだ!悪徳商法と直接は関係ないが、ストーカなどもごろごろしており、若い女性などにはそのあたりの注意もしてあげてほしい。治安の悪い国に友人をつれていって、危険について何も教えないのはまずいでしょう。私は友人などにインターネットなどを教えるときには、危険性も必ず伝えている。

 iモードなどで例外ではなく、これだけの人間が参入してくる世界ともなれば、悪徳商法はすぐにそこに引っ越して、根城にして、ワナを沢山しかけるだろう。iモードなどには「電話料金徴収と併用した集金システム」「iモードのページかっら電話をかける機能」が組み込まれているので、うまく利用した悪徳企業が現れ、そういった被害がそのうち出るのでないかと、私は実に不安に思っているのである。注意されたい。

 またHPを使って、パスワードや、口座番号などをとるのも、やはるだろうなあ。

2.ツーショット

 これを使った問題商法は、以前に書いた「いいずらい商法」に該当するのかも知れない。その恐ろしさ、不条理さを知ってほしい。

 まず、あなたは以下の質問にいくつYESと答えますか?

 1.家の電話を客に良く貸すことがある。
 2.携帯電話を友人に貸すことがある。
 3.ツーショットダイアルを過去に一度でも使ったことがある。
 4.家に思春期の息子・娘がいる。

 一つでもYESだったら、あなたは、この地獄にはまり込む可能性がある。くれぐれも注意されたい。

 ツーショットダイアルというのをご存知であろうか。知らない貴方のために簡単に説明すると。これは、主に男女の未知の出会い系に使用する(意味わかりますよね。)ものであり、電話システムを使う。ある専門業者が業者の専用の電話番号を若い男女に告知する(広告、ティッシュとかで)。出会いを求める男女がその電話にかけ、まず登録申し込みをする。そして今かけている電話番号とパスワードを通知して電話を切る。やがて、向こう(業者)からその電話にコールバックされる。つまり、業者の相手確認というわけだ。そのときに、パスワードを通知して本人であることを確認する。これで、登録が完了。あとは、そのパスワードを使用して再度電話をかけ異性と会話ができる。男性はだいたい有料であり、女性はほとんどがサクラといわれている。業者は利用した時間で料金を計算し、請求してくる。どうやって請求するかというと、自主的に利用者が振り込むのである。だいたいこんなところである。

 さて、料金が未払いの時にはどうするのか?これは回収(つまり取り立て)が行なわれる。金融業だと、貸し金取立てにはいろんな規制があるが、これは料金回収なので、いっとくけどシビアであります相手は回収の専門家であらゆる方法を躊躇なく使います。通常の支払い拒否などしても、彼らには通用しないようです。(生命の危機すら感じる脅迫にも聞こえる電話、家の付近への張り紙、威しとも取れる督促状なども行なう)税金の督促などとは、わけが違います。

 どこから回収するかというときに、登録したときにコールバックとパスワードで確認した電話番号が生きてくる。この電話の加入者を割り出す。そしてその加入者に請求をかけてくるのである。利用していて、払っていないのであれば当然はらうべきだ。でも、ここで以下のような問題が発生する。

1.電話番号は再利用されるものだ。過去その電話番号を使用していた奴が登録したとしても、回収は、今の持ち主に対してやってくる。

2.登録した電話以外の電話からでも、サービスの利用が可能である。登録時のパスワードさえ、指定すれば利用できる。本人かの確認は、パスワードだけで済んでしまう。登録時に確認した電話番号というのは回収時に使用するだけだ。。本人が利用したとみなして、請求が行なわれる。だからパスワードさえ知ってしまえば、あとは、誰でも利用しまくることができる

3.電話での登録なので、誰がやってもいい。客でも、家族でもいいわけだ。登録さえ、してしまえばいい。また利用者が誰であるかはわからない。誰が利用しても、請求は電話加入者となる。客が電話を借りて登録して、自宅で利用などもできる。

4.携帯電話でもできる場合があるので、借りたり、拾ったものでも、登録可能である。一度登録すれば返しても、得たパスワードでどこの電話からでも利用できる。

5.業者側が利用状況を管理(?)しているので、業者側のいうがままになる。利用した、していないの水掛論となる。「利用していない証拠」を出すのは難しい。

6.一度でも本当に登録し利用していれば、その電話番号は他の業者に流れる可能性もある。

7.一度でも利用した人は、サービスがサービスなので、悪質回収などのその後の被害を受けても、なんとなくうしろめたく、被害を報告しずらくなる。回収側も、できるだけ、その点を利用し、近所に張り紙「早くツーショット料金を払え!」とかを貼ったりする。

 このシステムの恐ろしさがおわかりだろうか?つまり簡単にいうと、「ある日、突然、全く身に覚えのない、多額の請求がやってくる。そして、拒否すると、恐ろしい地獄の取立てがやってくる」可能性があるのである。いくら、利用していないと言っても信じてくれない。ただ、かつてのサラ金のような恐るべき取立て行為が続くのである。

 原因は次のいずれかだ。

1.本当に利用していたが、忘れていた。
2.勝手に何者かに登録され、利用されている。
3.利用していないのに、かつての利用者リストなどを別の業者に悪用され、利用をデッチ上げされ請求されている。または業者が利用していなのにでっちあげて請求している。
4.登録したのは事実だが、別の何者かが本当に利用している。

 1の場合は素直に思い出してはらえばいい。2、4の場合には法的には業者が悪いのではなく、悪用して利用している人間がいることになる。2の場合は、家族や客、4の場合は登録した人間からパスワードを聞いた人間となる。この場合業者にしてみれば、利用代金を通常通り回収しているだけ、ということだろう。電話の管理や、パスワードが漏れて悪用されたのなら、それは加入者の電話器の管理が悪いからだ、といいたいのだろう。3の場合と、4で実は業者側の人間が使っていたという2つの場合には、その業者は悪徳業者ということになる。3の場合ではなかり業者がサギで検挙されているらしい。

 しかし、2、4の場合でも、このような代金回収の手段は本当に適切といえるのだろうか。登録時の加入者に、パスワードだけで確認する利用を全て課金するという回収システム自体に無理があると私は思う。なぜなら、2,4の可能性がはじめから考えられるからである。このシステムでは完全に匿名を維持できるからだ(もっとも、ツーショットではそれが重要だが)トラブルが続出しているのであるから、業者もこの代金回収方式はやめて、先払い方式に全面的にするほうがいいのではないか。

 この被害を受けないようにするには:

1.代金後払い方式ができるツーショットは避ける(というか、本当はツーショットを使わない)君子危うきに近寄らず!
2.電話の管理を厳重にする。電話を貸したときには、使用している状況をみておくこと。
3.家族などには、このツーショットの危険を話しておくこと。

 というのが原則となる。

 また、2次被害があとをたたないようだ。上記の3の場合、一度支払いに応じれば、また、「お前は、また利用したな。料金をはらえ」と再度いってきたり、リストを入手した別業者が、同じことをいってくる場合もある。また払ったのに、業者自体が、受け取ってない!と言ってくることもある。別の悪徳商法が業者になりすまし、騙し取ったのであろう。いやはや、ここまで来ると被害者も地獄だろう。

 本当に利用していないのであれば、警察(脅迫的取立ての場合)、法律の専門家、消費者機関などに早く相談しましょう。取立ては昔のサラ金を思い出せばよく、早朝、夜、きわめて強い調子で取り立て電話をする、FAXなどで、回収文句を送ってくる、近所、自宅のドアに張り紙をする。などがある。これらには、「払わないのであれば、さらに利息をつけるし、回収費用も追加させていただく。当方は絶対に回収をあきらめない」などをかいてある。ノイローゼにならざるを得ないだろう。

3.コミュニティ

 コミュニティとでもいうのか、一定の条件で人間が集まって作る集団がある。団地には、その団地に住む住人のコミュニティがある。同じ趣味で集まっている人たちも一つのコミュニティであろう。規模も数万人もものから、数人もものまで考えられ、その内部の人間関係も濃密で組織ともいえそうなものも烏合の衆みたいなものまである。

 マルチも、不特定多数の人間を狙うよりも、一定のコミュニティを集中攻撃したほうが、浸透・拡大が速く短期間に大きな利益を得られるようだ。

 一時は、大学の中で異常にマルチがはやったことがある。大学の中は思想を自由に闘わせる自由な雰囲気があり、かつ、仲のいいメンバはほんとに仲がいい。マルチは人間のネットワークで感染していくものだから、人間関係が濃密なほうが迅速に感染していく。社会人でもないので、ある意味で世間知らずの面もある。結果としてあっというまに広がり。いろんな大学で悲劇が発生したものだ。

 また、中華街で急速に広がったこともある。中華街ではみなさん、お互い競争相手でもあるが、助け合いの暖かい関係もある。同じ民族であり、同胞同士の濃密な人間関係もあった。

 団地では、団地コミュニティを狙ったマルチについて以前に書いた。

 あなたが、もし趣味や、地域や、仕事などで、濃密な人間関係のコミュニティに参加しているようであれば、気をつけてほしい。仲がよければよいほど、しばらみ、つきあいを利用したマルチが急速に広がるのである。そしてそのコミュニティは人間関係を崩壊させてしまい、金銭関係になってしまう

 このページを読んでいただいている皆さんは、ぜひ、その際には、早急に危険を察し、対策を講じて、コミュニティの仲間を救ってやってほしい。

4.悪徳商法企業と普通の企業

 悪徳商法をやっている悪い企業と、普通の企業はどの点で明確に違うのか?

 私は、良い企業、悪い企業の2つにくっきりデジタルに分かれるのではなく、アナログに変化していくものだと思う。つまり、良い企業、やや良い企業、まあ普通、少し悪い企業、悪い企業、極悪企業...というふうに、単なる程度の差しかないと考える。

 どんな企業でも、自社の商品をうるときには、オーバーなほめ言葉と、巧妙な催眠的セールストークはある程度、使っている。反対に悪徳といっても、直接、法律違反をしてはいない。ぎりぎりをやっているのだ。企業は利益の追求をしているので、その点は差はない。立派な企業でも、第一にくるのは自社の利益である。

 また、最初はまともな企業だったが、成長する中、だんだん悪くなっていくこともあるし、悪徳だったが、次第に善良な企業になっていく場合もある。どの企業にもある程度、悪徳的なものはある、と捕らえるのが、自然な考え方だろう。優良企業が、いざなにかあると、消費者に不利益を平気で隠蔽するものなのだ。全面的に消費者の味方なんて企業はないと思う。

 1.会社のミスの隠蔽、不告知
 2.会社のミスの社員責任への押し付け
 3.計画的陳腐化ー無理やり捨てさせる
 4.誇大広告
 5.環境破壊
 6.まずいとは思っているが、非難されるまではとりあえず続ける。

 この程度のことはどこだってやっている。

 まあ、世間で一般的にいう悪徳商法は、「消費者も利益を犠牲にして、自社の利益を最優先する企業」というのがピッタリなのだろうか。法律の隙間を悪い企業は狙ってくるので、「法律を守っているかどうか」は定義としては、正しくないだろう。弁護士の問題だけでなく、政治家の問題でもあるのだ。

 世間の一般評価はまあまあだが、顧客と関係者には、ひどい残酷なことをしている企業なんぞ、いくらでもあるし、株式上場だってしているのは普通。

 会社のイメージで、信じたりするのはやめるべきということになる。自分の子供が、イメージだけで喜んで就職し、中に入ってびっくり!しまいには社会から糾弾されるなんてことのないように。逮捕されたりもするのだ。

5.消火器

 消火器サギは、面白い悪徳商法だ。(失礼!)理由は「悪徳商法の基本」がほとんど全て駆使されている見本のようなものだからだ。

 どんな手法をこの消火器サギは使っているのか。

1.服装をいかにも役所から着たかのようにして身分をごまかす。(身分詐称)
2.近所全部まわっていて、どこも買ってもらったというウソ。(疎遠だが横並び意識が強い点を利用)
3.お年寄りの家などを狙う。(弱者を狙え)
4.これはもう使えません。これでは、いざというときに大変です。(恐怖・不安を煽る)
5.法律でこれではいけないのですというウソ。(法律についての知識のない点を利用する)
6.消火器という、一般の人はよくわからないものを使う。(商品知識のないものを使え!)
7.価格が安すぎず(安いと儲けにならない)、高すぎず(高すぎると通報され、摘発されやすい)、相手の我慢をさそう。(利潤を押さえる)
8.その場で、料金を徴収し、ものを置いてきて終了する。(完結性)
9.数多くアタックして、かかりやすいカモをつかむ。(確率)

 もしわたしが、悪徳商法の会社を作って、社員教育を行なう場合には、この消火器サギを実地訓練として採用するだろう。これができれば、一人前?の悪徳商法社員だ。

 冗談はさておき、この消火器サギを、みなさんも、研究し頭に叩き込んでおくことだ。多くの訪問型のサギは、これと類似しているのだがら、注意を維持する際に有効だと思う。頭にパターン化しておきやすく、記憶し注意を維持しやすい。

6.共犯商法

 いつも間にか、または、まあ平気だろうと、ともに犯罪者にされてしまう悪徳商法もでてきたようだ。騙されて、かつ、犯罪者にされてしまうのだからこれはたまらない。

 海外旅行好きの女性などを集中的に狙っている犯罪がある。バイトで「海外でブランド品を代行購入してきてほしい。旅費は支払う。」なんでも、ブランド品を業者は買い付けにいくのだが、沢山仕入れなければならず、忙しくていけない。その手間をはぶくのだという。

 「あら、いいバイトだわ。旅行もただでいけるし、おいしいバイトじゃない!」と申し込む。旅費はあとで、ブランド品代金とともに支払う、ということで、早速旅行を申し込んで、出発。無事、沢山のブランド品を購入する。帰ってくると、業者が待っており、そのブランド品を受け取る。「代金は、振込みますので」といわれ、彼女は、自宅で代金の支払いを待つ。しかし、いつまでも、振り込まれず、問い合わせると資金繰りで支払えない、といわれる。

 もちろん、ブランド品代金大損というわけだ。こういったものは20万円以上は税関申告が必要だが、それを超えて購入してくる。それを隠して税関を通過しろ、といわれる。つまり、密輸犯だ。さらに中には、指定の店で購入させ、そのバッグの中に麻薬を入れておき、麻薬密輸の共犯にしてしまうそうである。恐ろしい。よくまあ、こんな手段を考え出したものだ。

 ねずみ講なども親になれば、もう、いつのまにか犯罪者だ。アルバイトとサイドビジネスはもう悪徳商法のお得意の分野に入るようだ。聞いたことのないうまい話のバイトには、超警戒モードで接しましょう。

 前にも書いたけど「お金が入ってくるバイトをやるのに、まず自分がお金を払う」「後ろめたいことをさせる」ようなバイトは絶対に避けましょう。

7.NOといえる消費者

 日本ではまともな社会人ほど、「いらない」「やりません」と明確に意思表示するのを避ける傾向がある。そこを利用され、つけいれられてしまう。

 つまり、政府だけでなく、1人1人が「NOといえない」のである。いきなり断るのは悪いという気持ちがあるので、「XXXXXXなので、今回は、やめておきます」などと余計なことを付け加える。これによって、悪徳商法のセールスは、話を続けて説得できる。「XXXXXXとおっしゃいますが、当社のは決してそのようなことはございません」などと言われ、断りにくくなってしまうのである。

 奥ゆかしいがゆえに、悪徳商法側はやりやすいわけだ。単に「いりません」の一本やりでよく、意思表示をしたあとは、もう終了していいのである。「相手に悪い」と思うから、長々と話して彼らの材料を与えてしまう。

 「うーん、確かに面白いんだけど、うち、貧乏でね。お金なくてダメなのよ」貧乏というキーワードをくれたので話はつづけられる。「そんな貧乏など、ご冗談を。だって、今、預貯金もXXXX万円を越えておられるでしょう?」「そんなに大金はいらないんですよ。ローンもありますし、最初は小額からはじめられます」などと、セールスはいくらでも話を続けられる。

 「また、しばらくたってからきてね」「では、来週うかがってよろしいですか?」

 「まだいらないわ」「必要になってからでは遅いのです。いまから...」

 「もう持っているわ」「どの会社のですか?満足されてますか?当社のは、全然品質がいいのです。下取りしましょうか?...」

 「主人に聞いてからにしますわ」「今日までなんですよ。割引きは。ご主人ではなく奥様にとって必要な器具なんです」

 「うち、家族も多いし、置く場所ないし、」「ご家族は何人ですか?」

 で、長々話しているうちに、うーん、とか曖昧に承認ともとれるような、あいづちをしてしまうのだ。

 悪徳商法のセールストークは黙っていれば、切れ目がない。いくらでも続く。そうして、客側の情報をいつのまにか、仕入れていく。そして、相手の断りの返事の理由を次々と、覆していく。次第に断れなくなる。また、自分の情報をうまく利用され、巧みなセールストークを展開されてしまう。奥ゆかしい拒否の返事は、まともな相手にとって必要なもので、悪質なセールスなどには必要ないのである。

 明確にNOといえる消費者になろうではありませんか!NOといい続けなかれば、相手はいつまでも、脈があると思ってやってくる。気が弱くて「NO」といえそうもない人間を見ると、相手は「落とせる!」と思ってしまう。

8.被害額

 騙されたのではないか?と思っても、その被害額で被害者の行動は変わるようだ。

 「だまされてんのかなあ。でも、安いもの(数千円)だからいいわ。」てな感じである。でも、その商品が、毎日、長年、購入し使い続けるようなものであれば、掛け算の世界になるので、わからないうちに巨額になる。

 さらに、業者側から見た話だが、1人から稼げる金がすくなくても、それによって(まあ、このくらいの金額ならはじめてみようかしら、と思うくらい)、参加者・購入者が大量に獲得できれば、莫大な金額になり、ビジネスに十分なる。

 悪徳商法の「大量生産による、価格低下」?である。

 だから、ひっかかったほうも、相談するほどのものでなしと思って、アクションを起こさないわけだ。また、被害報告をうけるほうも、そんな少ない金額なら、相談にくるなよ、などという、とんでもない勘違いをしやすい。

 今後、1人からがっぽりむしりとるのでなく。多数から少しづつ、かすめっとっていくような、悪徳商法ビジネスが増加していくだろう。うまくシステム、商品を見つけられれば、業者にとっても、被害報告も出されず、検挙される心配も少なく、安心で、おいしいビジネスとなる。

 マルチにしても、数10万〜数100万だったら。すぐに被害報告が目立ってしまう。しかし、5000円とかならば、あーあ、俺が馬鹿だったんだ、などと納得して終わってしまう。

 また、システム的に完成していれば、醤油を使っても、マルチっぽいものは可能である。そうすれば、醤油を使いながら、一生、その業者を食わせていくことになる。

 消費者として、額が小さいからというのは、アクションを起こさない理由にはならないと思う。悪質であれば、連鎖的であれば、社会的には糾弾されるべきものだろう。額が小さくても、泣き寝入りせず、消費生活センターなどに被害報告をするべきである。それが悪徳企業を追放していくことになる。

9.きみかわいいね

 東京の盛り場に夕方〜夜にいくと、そこらじゅうに、男性が立っていて、通行する女性に声をかけている。どうもキャッチセールスではないようだ。何をやっているのだろうか?

 夜などで、茶髪のかっこいいスーツの若者は女性に声をかえているのは、ホストクラブの客引き活動のようである。うまく声をかけて、店にきてもらう。別にこれは問題ないが、未成年者に声をかけだすと、話はことなってくる。でも不景気で収入が減り、ホストクラブ同士の過当競争になれば、苦しくて声をかける年齢をさげてくるようだ。未成年ともなれば、当然酒を飲んではいけないはずだし、既に違法行為である。だいいち、女学生が何日も通えば、そんなにお金を持っているはずもなく、たちまち破綻するではないか。ホストクラブでは当然お金を客からもらうわけで、女学生などから金を取ろうというほうが既に恐い商売である。御小遣いの3000円とかでは商売になるまい。若い女性が巨額の遊び金を持っている場合は少ないと思うのだが...入れ揚げてしまった女学生なんかはどうやって、何万円のお金を工面するのだろう。

 また、スカウトらしい会話をしている男性も多い。きみかわいいね、どう、モデルになってみない?タレントになってみない?美貌を生かして仕事をしてみない?とやっている。あれは本当のスカウトなのだろうか?本当にあんなにスカウトがいるのか?もちろん、街中でスカウトされて、芸能人になって大成功した人は多い。でも、タレント、モデルになってみないと声をかけられ、騙された人は、その何倍いるのだろう。いうまでもなく、騙す場合には、タレントー>AV女優、モデルー>Hな本のモデル、バイトー>風俗。でもまあ、これなどはいいほうだ。本人も最初騙されても最終的に納得しているのであれば問題ないのかも知れない。

 問題は、タレント志望を食い物にした商法である。狙いは、タレントになりたくてしょうがない若い女性である。彼女たちに近づき、言葉巧みにタレントになれる素質を君は持っている、どうだい、やってみないか、と声をかける。これは嬉しいだろう。で、頭はすぐに、TVで有名スターと活躍する自分の姿を思い浮かべてしまう。あまりに、輝かしい世界へのいざないに聞こえるので、一気に正常な判断力は失われてしまう。有頂天になってしまう。信じる信じないでなく、心はさらに先にいってしまう。で、簡単な書類にサインすると、やれ、歌のレッスンだ、やれダンスのレッスンだ、やれ、必要経費だ、と金をむしりとっていく。なんのことはない。才能もなにも、タレントレッスンの受講生にされてしまう。そのうちに、さすがにこれではデビューがいつかわからないと、気付いて怪しいと思うと、契約解除で、はいさようならである。

 岡目八目で見ると、結論はすぐに出てしまう。「スターになるのにお金を自分で払うのは絶対におかしい」「スカウトが未成年をスカウトするのに、親に説明しないのはおかしい」の2点であろう。街頭スカウトでスターになって人たちは、いうまでもなく、デビューまでの各レッスンはプロダクションが費用を持っている。プロダクションも一緒にリスクを背負うわけである。(そのかわり、成功した際には、上前をがっぽり跳ねられる、でもそれはやむを得ないだろう)それを、いろんな費用だといって、本人に負担させるなんてのは絶対に変なのだ。また、未成年であれば、保護者に説明し承認を取るのはあたりまえだ。お子さんをあずかるわけである。きちんとした仕事であれば、親に承諾をえようとするのである。それを未成年の女性とだけ、話しただけで、話をどんどん進めるというのは変である。この2点に該当する場合には、怪しいと思って、慎重になったほうがいい。私は芸能界とは何の縁もないが、常識的な考え方を書かせていただいた。

10.悪徳商法の人

 悪徳商法で困っている人は、消費生活センターに報告する。でも、「(マルチは別にして)友人が悪徳商法をやっています。やめさせたいのですが」という相談は相談事例を見てもないようだ。

 今回は悪徳商法をやる側の人間について考察してみたい。悪徳商法にひっかかると思うのは、「あの社員は人を騙してこんなに不幸にして罪悪感を感じないのだろうか?」ということである。

 中には、天下一家の会のように、私達は人を幸せにしているんだ、と本気で思っている人間もいたようだ。また、中には、性格異常で「人を苦しめるのが生まれつき大好き」というサディストもいるだろう。でも、ほとんどの社員は、そんなに通常と変わらない感覚の持ち主(だった)と思う。誰でも人を騙すのはいやなものだ、後ろめたい、人を不幸にすることによって成立する産業なのだ。私は、彼らはなんらかの方法で、それらの罪悪感を感じないように、人から、自らコントロールしているのだろうと思う。彼らが罪悪感を感じない理由を勝手に考えてみると:

1.身近な人間に優しくする反面、そうではない他人には残虐にしてもなんともない感覚。人を地獄に毎日落としている人間でも、ちゃんと家庭をもっており、妻も子供もいるのだ。彼らの幸せを願っている。そして、そういった身近な人間に優しくすることで、逆にそれ以外の人間には残虐にできる。精神のバランスを保つことができるわけだ。

2.金に対する異常な執着。金に対する欲望が強烈であれば、それに意識を集中させることによって、罪悪感が弱くなる。「大切なお金のために、しょうがないんだ」というわけだ。これで電話の先の人間については、「金を得るツール」と見切ることができるいうわけだ。営業マンを、得られる大金の歩合給でけしかけるわけである。罪悪感も消し飛ぶ。

3.他の仕事がもうできない。仕事がほかに見つからないというのももちろんあるし、一度、頑張りによって、これだけの報酬を得られる仕事をしてしまうと、他の仕事の給料では馬鹿馬鹿しくなる。やむを得ないのでこれをやっている、これしかない、しょうがないというわけだ。

4.被害者の苦しむ様子を実際に見ることが少ない。電話やメールであれば、相手の顔や生活を見るわけではないので、感情移入しなくてすむ。またほとんど、被害にあったとわかって苦しんでいるときには、もう担当者はでてこない、次の獲物に移っている。爆撃機から、市街地に爆弾を落とす爆撃手に似ている。「あいつ、あの後、苦しんでんだろうなあ」程度しか感じない。

5.それまでの個人経験で、変な価値感を得た。たとえば、「へん、騙されるお人よしが悪いんだ」とか「俺にこんな仕事しか与えない社会が悪いんだ。俺はこの世界にこうして報復しているんだ」などという、世を拗ねた、きわめて偏屈な考えを何らかの経験でもってしまった。この価値観で、罪悪感を押さえている。「人を騙すのは賢い仕事だ」などという考えもこれに近い。

6.マニュアル化の徹底。悪徳商法側も多くの営業を使う関係上、マニュアルが必要だ。このマニュアルができていれば、考えることなく思考を停止して、機械的に人を騙すことができる。ロボット化である。

7.会社ではみんなが、人を毎日騙しているわけで、なんとなく悪いことをしているという実感がない。みんなで騙せば恐くないってか?これにつかまっても、俺だけが罰せられるわけではないだろう、あいつよりは罪は軽いし、なんといっても会社のいったとおりにやってるだけだ。俺のせいじゃない。

8.会社側の精神洗脳。マルチなどでよく使われている。

9.人間は行動のほうに、価値観をあわせるものだ。悪いことをしていると、次には価値観も都合がいいように変わっていく。

 全て私の想像だが、こんなものではないだろうか。

 だからといって、悪徳商法の社員がやってきたときに、電話をかけてきたときに、説得してその精神状況を私達が変える、改心させるなんてことはできるとは思えない。彼らに反省させ、考え方・悪行をやめさせ、職業を変えさせてやろうなどとは思わないことである。

 もし私が悪徳商法をやっている友人がいたとして考えを変えてもらおうと努力するのだとしたら、やはり、つかまったときには、会社だけでなく、社員も逮捕されるのだ、ということを強く説明するだろう。会社の命令でやっていたとしても、やはり逮捕されるのは、1社員個人であり、逮捕されれば、会社はこの個人に全部の犯罪の重みをかぶせようとするだろう。まずその事実を告げると思う。悪徳商法が検挙された際には事実そうなっているはずである。逮捕されれば、自分の問題になり、大事にしている自分の家庭も崩壊してしまうのだ。裁判では、被害者の陳述、自分への恨み、被害者がどれだけつらかったか、などをいやというほど、聞かされるだろう。今、つかまらなくても、続けていればいつかは逮捕される時がやってくる

 そんなことばかりしてると、罰で地獄に落ちるぞ、とか、そんな仕事しかできなくなるぞ、とかいっても、屁とも感じないでしょう。

11.医療関係

 医学の分野でも悪徳商法といっていいやり方が多数存在する。医療行為では、へんなことをすればすぐに医師法違反で犯罪になってしまうようだが、そのすれすれをいく医療関係者もいるようだ。

1.XXXケアなどと称するサービスを提供する企業などで、やばい場合がありそうだ。医者でもないし、看護婦でもない。その分野の知識など、せいぜい、1週間程度の社内セミナーを受けてた程度しかもっていない、XXXXアドバイザとかいう人種。その知識の範囲内で害のないことをしていればいいのだが、平気で医療行為に近いことをしてしまう。健康相談に近いものをしたり、ほとんどいいかげんな健康などのアドバイスをしてしまう。で、しっかりお金をとってしまうのだ。医者でも看護婦などの国家資格をもっているわけでもないのに、平気で医者のようなアドバイスなどの医療行為をしてくる人は気をつけましょう。だいたいわずかな知識の中で、半分いいかげんなことをいってます。結構そういう人で商売している企業って多いんですよ。

2.私ごとで恐縮だが、「病院にいかずに痔をなおす薬をうります」とかいって、人の病状も知らずに平気でアドバイスつきであやしげな薬をうってる人が結構いる。このあたりを信じて変な治療をして、悪化させるだけして、最後に病院にくるひとが多いそうである。治療は、人を診察して、あった薬、手術が必要なのだろう。そんなことをしないで、宗教的に効果を過大にいって薬を売りつけてくる人間は間違いなく悪徳商法である。自分の健康をそんな怪しげな人間に依存するのはやめよう。

3.怪しげな、健康食品については、書くときりがなく面倒くさいのでここでは触れない。

4.宗教と医療が結び付けられた場合も要注意だ。最近、この悲劇が多くTVでよく報道されているだろう。宗教の医療的効果を否定するものではないが、「医者にかかることを禁止する宗教」は私は個人的には大嫌いである。現代の医療行為に効果があるのは実績から言って明らかなのだから、「医者などいってもむだ」とか断言している宗教は理性で考えても危険だと思う。みなさんはどう思われるか。現代医学を頭から否定する人は注意!

5.エステなど。かなり長期で高額な料金になるものについては、解約ができるか、できるとしたら、どの程度戻ってくるのかについて、あらかじめ聞いておくことをお勧めする。高いのだから、1ケ月やったけど、効果ないのでやめちゃった、お金は戻ってこなかったは悲惨ではないか!美容に関しての実績を聞く際には、「成功例」の各論に注目するのでなく、何人中、何人が結果に満足しているのかの確率に注目したいものだ。雑誌の成功例を信じるよりも、友人の体験談のほうが、1万倍信憑性がある。1000人中、1人成功して、それを掲載している場合もあるだろう。

6.密室の会話に注意。医師と患者は1対1になることが多い。そして2人だけで多くのことがきめられていく。医師の話したことなどは、証拠が残らない。そのことは知っておくことだ。テープにとれなどとは言わないが、危険性や、その効果、費用などは、重要事項なので、誤診などが合った場合や、異常に不自然に高額な治療がされた場合などは問題になる。重要な治療(美容手術、保険の利かない治療など)などの場合だけでも、水掛け論になったときのことを考え、話してもらったことをメモ帳などに日記みたいに書いておくがいいでしょう。