続々悪徳商法手口

1.脅迫と非難

 切れる若者が増えているという。しかし、良く聞くと、「俺は、頭にくると何するかわからねえぞ、おら、恐いだろう?」という、単なる、「おどし」である。おどしは昔は暴力団の専売特許だったが、今は若者が一般的にやっているだけである。若者総暴力団化というわけだ。本当に精神的に、特殊な状態になっているのはわずかであろう。切れているフリをして周りの大人がビビって退いているので得意がっているわけだ。

 悪徳商法側の人材にも、若手が参入するにつれ、この「切れたフリをして相手をびびらせる」というのが一般化しつつあるようだ。なんか恐くなり、乱暴されたらいやだから、契約してしまうということだ。

 特に電話での悪徳商法の勧誘でよくあるようだ。相手をしていると突如、「てめえ、ふざけんじゃねえぞこのやろお。ぶっ殺してやろうか。なめやがって、てめえの家はわかってんだ。このやろうお」と豹変して毒づく。別に本当に興奮しているのではなく、びびらせよう、そうすれば、相手はいうことを聞くだろうという単純な発想であろう。(もちろん、本当に切れているやつもいるのだろうが)

 私は毒づかれたことはまだ、ないのだが、(相手をできるだけ怒らせるチャンスを与えないため)、もし毒づかれたら、次のようにするだろう。試したわけではないから、効果は保証できないが。

 こういった商法の電話が来た場合、私は必ず、最初に相手の会社と名前を聞くことにしていることは既に書いた。言わなければ話は聞かない。だから、一応会社名と名前(ほんとかどうかわからんが)はきいている。相手が十分に毒づいたあとで、動揺した口調で、あなたが脅したので、私は大変恐い、この電話の録音を警察にだすことにする、と泣き声をいれてはなす。決して強気に話さない。こっちが恐怖で逆ギレしてしまったという感じにするわけだ。そして電話を切る。別に録音してなくてもかまわない。もっとも、最近は、電話器自体に録音機能がついているものが多いので、この録音機能は使い方を覚えておくとよい。なんかこいつ切れそうだな、と思ったらホントに録音を開始しておくといい。最近の電話器の録音機能は、悪徳商法と闘う時の武器となるだろう。ここまでいっても、脅してきたら、ほんとうに消費生活センターや警察に録音を持って連絡するより、しかたあるまい。最近でも、「おどしを入れた取り立て」をしていて、社会的に糾弾された金融系企業があったが、これも、被害者が行なった電話の録音が大きな武器となっている。どんどん録音しておこう。

 乱暴な口調でのおどしだけでなく、非難してくる、というのもあるようだ。「あんた、XXXだといったじゃないか!簡単にかえるんじゃあないよ!社会人だろ?はずかしくないのか!」「おれはもう、会社の中で手続きしちまったんだよ、いまさら、やだはないだろ?おれの立場はどうなるんだ。」「責任とれよ、おい」「お前は自分の発言に責任もてないのか?社会人か?」

 まず頭には「おまえら、悪徳商法で人を嵌めようとしている人間にそんなこと、『いわれるすじあい』がない」と頭の中で考える(そんなこと電話で相手にいっちゃだめだよ)。そうしないと、聞いているうちに、なんか本当に、自分が悪いことをしたような「錯覚」を起こして、動揺し、すいません、と思わされてしまうからである。もともと、筋書きにそうなるようになっているのだから、悪いと思うような必要はまったくないのだ。そして、向こうの話の相手をせずにそれには答えず聞くだけきいて、「...はあ、でも、XXX(解約、お断りなど)させていただきます」と我慢強く、こちらの主張だけをくりかえす。毒づいてきたら、最初に書いた対応を取る。

 法律的な話をしてきたら、「わかりませんので、父親に相談してお答えします。」という。「お前がガキか!自分で判断できないのか」ときたら、「はい、なさけない男です。」というだろう。

 どちらの対応も、やったことはないので、本当に効果はあるのかわかりません(すいません、いいかげんで)。実際に効果のあった例ありましたら、教えてください。でも、電話の録音はぜひ、やってほしい録音されるのは、この手の人にとってはいやなものなのだ。ワイドショーのインタビュワーがいやがるのは、自分がインタビューされることだ。録音には、できるだけ、相手の会社名、担当者名、日時をいれておこう。最初に上げた、切れた男の例では、脅迫罪になると思われます

2.ニ次被害注意

 最近は、一度被害を受けた人間に、的をしぼってきているようだ。彼らにしてみれば、一度落としたのだから、もう一度、必ず落とせる、と甘くみているわけだ。効率がいいわけだ。

 だから、被害をうけたら、「もう一度、必ず来るぞ!警戒して、今度こそ撃退する!ひっかからないぞ。」と肝に銘じ、注意しておくことだ。2度かかれば、3度くる。3度かかれば、4度目もくる。

 また、被害をうけ、動揺している人間は、判断力が低下している。だから、人のいうことを聞きやすくなっている。「損害を今のうちに抑えなければ! 私のいったとおりにしてください!!」などと電話をしてくるわけだ。冷静に判断力が回復するまでは、誰かにいちいち相談するべきである。

 そのとき、同じ会社名を使ったら、絶対に相手はきいてくれないので、

   「現在、被害をうけた皆さまに、悪徳商法被害調査のお願いをしております」
   「被害を最小に食い止めるために私達は皆様をお助けしている団体です」

 などと自分の身分を詐称して言ってくるわけだ。この2つが手口としては多いようだ。そして、だんだん、商売に入っていく。ふざけた連中である。

 ともかく、相手の身分を徹底的に、まず問いただすことが重要である。一度被害を受けた件に関連して、電話をかけてきたら、体中を針のように緊張するべきだ。同業者である可能性があまりに高い。「どこから、そのことを知ったのですか?」とこれも徹底的に問いただす。言ってることに矛盾があれば、さらに問いただす。

 悪徳商法の担当者も、こいつはもうあきらめよう、とか、こいつは落とせる、とか判断するわけだが、一度、落ちた被害者には、その執拗さがアップすることは覚悟しておこう。彼らが、あきらめようと判断するのが、一般より遅れるということだ。頭にはくるが、頑張ろう。

1.既に相談していることを相手に告げる

 父親と全て相談している、とか、消費生活センターに相談した、とか、知り合いの弁護士に相談中である、とか、しかるべき人と、私はもうコンタクトとって、対策を講じているんだ、ということを早く告げる。「昔の私とは違うのだ」ということである。(うそはだめ。)

2.90%の警戒度

 やりすぎなくらいに、警戒し、慎重になる。それを口調にあらわしてよい。相手を全面的に信じない。

3.相手の話に乗らない

 うなづきをいれたり、相手の質問にこたえたり、感情を出したりしない。怪しかったら、できるだけはやく電話を切る。判断は電話では一切、絶対しない。、ことごとく、XXXに相談します、とする。

4.長期出張

 使える場合と、使えない場合があるし、注意しないと、悪徳商法以外の人間に誤って使ってしまう可能性もある。でも、あきらかに、悪徳商法の相手だとわかっている場合、外資とかで、友人に「あいつは、南アフリカに2年間転勤になりました。」日本企業でも「XXXにYY立ち上げ業務で長期出張してます。いつかえるかは、まだ全然わかりません」といってもらっているのも見かける。場合によっては使える手かも知れない。「連絡取りたい」といってきたら、「会社からの指示で、どういうご用件かお聞きしないと、電話番号はお伝えできないことになっております」と断ってもらう。「友人です」「あーすいません。友人の場合は、会社からはお伝えできないんですよ。お名前と電話番号教えてください。XXXにお名前を伝えておきますから」という。これで経験では相手はギブアップした。2,3日は、課の中などでもう一度かかってきたときを考え、御願いしておく。間違って「おります」と答えてしまったら、電話をまわしてもらって、別の人にでてもらって「はい、XXXですが。なんでしょうか。え?ああ、あいつは長期出張中です」とやる。

 信じてはいけない人間を信じて、被害をうけたのだから、今度こそ、安易に相手を信じないことだ。本当は...私を安易に信じてはいけないのです。正念場だと思って心して臨もう。

 玄関から、電話を通じて、(メールも追加された)わざわざ向こうから、人のために、やってくる人間はまずいないのだ。残念だが、世の中はそんなに暖かくない。連絡もしていないのに、「お助けするために、やってきました」っていう人間もいないのだ。

 もちろん、かかった人間のリストが別業者に流され、別の話題で切り出してくる場合がある。そのときに成長したとこをを示してやろうではないか。

3.メールマルチ

 最近、電子メールでのマルチ、マルチまがい、ねずみ講などの勧誘がよくくるようになった。文言もよくできており、簡単に儲かるようにかかれている「ちょっと、やってみようかな....」などと思ってしまう。いうまでもなく、幸せにはほど遠い現実がまっている。

 友人を勧誘するという従来型に加え、「メールをだすだけでいいです」などというものも表れた。出すだけでも、その話を信じて、被害を友人・知人が被害をうければ、あなたが恨まれるのは間違いない。

 気軽にできる、というのは気軽に損できます、ということだ。

 さて、メールを使う手口は更に危険なのだ。それは、ひっかかっても、相手の顔は知らない、名前も知らない、会社もしらない、場所もしらない。という事態になる。だから、ひっかかるともう捕まえらないし、悪徳商法側には、非常に便利な勧誘なのだ。

 今後とも、悪徳商法にメールががんがん使われるようになるだろう。こんなものは、ほとんど、ゴミである。捨てるくせをつけましょう。メールソフトの受信拒否機能を使うのもいい。メ−ルでお金のやりとりが発生する内容がきたら、99%の警戒度をもってよみましょう。

 やばい理由(悪徳商法がメールを多用すると思われる理由):

1.犯人側は匿名でできるので、検挙、摘発の可能性がない。あったこともないので、捕まえようがない。犯人は安全。情報がすくなすぎる。これは便利。

2.メールだと、出すのも作るのも簡単なので、電話と比較して、非常にコスト・労力を少なくして、効率的に悪徳商法が可能。原本のメールをかけばいいだけ。

3.原本をもとに、いくらでも、何通でもメールをだせる。数うちゃ、ひっかかるやつもいる、になる。大量に、カモをつかまえやすい。1000人に電話するのは難しいが、1000人にメールをうつのは簡単すぎ。効率的。

3.ひっかかるほうも、メールなら簡単だ、などと誤解しやすい。メールなら、出してみようかな、などと思う

4.最近ぱっとネットに参入した人だと、ハイテクツールの危険度がよくわかっていない。

5.文面で騙すものなので、いくらでも、いいことが言える。「かくだけなら、いくらでも、バラ色の未来をかける」のである。

 メール悪徳商法に注意報発令!!!

4.かかし

 「コンビニにいくと、本は必ず出入り口付近にある。しかも、立ち読みしていても店員は注意しない。なぜか?」わかりますか?

 これは「かかし」といわれる手法である。どんな店でも、客が誰もはいっていないと入店しずらいものだ。ましてや、夜などではそうである。しかし、立ち読みをしている人間が外から見えると、その心配がない。不安なく入店できるのである。これなどは、出版社にはあたまにくるかも知れないが、うまい手法である。消費者もなるほどね、と思うだろう。

 でも、この類似の手法でも、悪質なものがある。

 うーん、買おうかなあ、と迷っているときに、横の客が「あら、これは安いわ。いいものだし、買います!」と威勢のいい言葉とともに持っていく。すると、あなたも、買わなきゃ損だわ!と買ってしまう。ところが、何度も、その客は、同じことを繰り返しているのである。なんと、その人はその店に雇われている人間なのだ。これは先のコンビニの例とはことなり、卑しいやり方だと誰でも思うでしょう。

 少なくとも、このやり方、つまり「客のふりをして、他の客に購買のきっかけを作らせる」というやり方をしている店は、悪徳ではなくても、避けられたほうがいいと私は思う。他の面でも、同じセンスでやっているだろう(商品開発、値付け、メンテナンスなど)経営者のセンスを疑う。

 逆に悪徳商法は実に多くの会社で、この手法を使っているのだ。SF商法ではもちろんこの手法で、ラストの羽根布団を買わせる。あげます、あげますとやっておいて、盛り上がったところで、いよいよ、メインの羽根布団を登場させる。社員が、おお安い、いいものですね、買いますと客のフリをして真っ先に買ってみせる。これで、参加者の催眠的な購買のきっかけが作られるのだ。

 ほかにどういうのがあるかというと、デンスケ賭博である。競馬場などの近くで即席の台の上でやっている将棋とかだ。いつも、何人かの客が覗き込んでいる。あれは、全部、ぐるであり、餌がひっかかるのをああやってまっている。みんなが覗き込んでいるので、つい覗き込んでしまう。すると、客のふりをした人間が取り囲んで、せかしている。ラーメン屋などで、行列ができていると、つい並んでしまうという人は要注意である。

 また、悪徳商法の配布したパンフレットをみてみるがいい。「こんなにお金がはいってきました」と大喜びで客のふりで語っているし、「こんなに健康になりました」といった、やらせ人間が大挙して出場している。

 「人が買ったのでつい、つられて買ってしまった」とか「人がやっているので、私もやった」という人はこの手法にひっかかりやすので、その考え方自身をおやめになられたほうがいい。悪徳商法では、客のふりをさせて、購入・参加させ、人を誘導するやり方を多用しているものなのだ。

 違法なものだけでなく、こんなことしていいの?というレベルのやり方はする企業はもっと多い。ある宝石の売り方で、まず1000円とかの馬鹿安で金の宝飾品などを売り、客を店内に引き込む。店内は、あたかも客に見える人間が沢山、みているが、これらは、なんと店員である。そして、店員、客(にみえるが店員)全員で、説得し、褒め称え、せかし、なにやら、催眠状態のような興奮状態に持ち込む。そして、2Fにつれていき、何十万円の宝石のローンを組ませてしまう。店をでたときには、「あら。あたし1000円のを買いにはいったのに、なんで、40万の宝石のローンくんじゃったのかしら」と呆然とすることになる。いうまでもなく、自分から店にいっているので、クーリングオフが出来るかを考えてほしい。

 最近TV CMみてると、どうみても、俳優が、あたかも客のようにしてインタビューを受けて答えたり、サービスの感想(べたほめ)を述べたりしている。外資系に多いようだが、ああいうCMを外国では平気でやっているわけだ。あれを見て、本当の客と思う人間は、少ないかもしれないが、必ずしもいないわけではないだろう。まあ、俳優に加入させておけば、文句ねえだろ、というわけなのか?いずれにしても、私はあのCMを見ていて、寒気がする。俳優を消費者の演技をさせる会社の商品・サービスは私は絶対に買わないようにしている。これは個人の自由だが。

5.ぼったくり

 サラリーマンがよくかかる「ぼったくり」というものを考えてみると、これもまあ、悪徳商法であろう。ほとんど、恐喝ともいえるが。

 店がはやらない、客がこない、売上が少ない、すると、その経営者、社員は食っていけない。だから、無理やり金を取り上げるしかないということである。だから、客が頻繁にきている、または客が良く来そうな店ではぼったくりはあるはずがない、ということになる。また、金がないわけであるから、派手な宣伝はしたくてもできないということだ。

 さて、自分はぼったくりバーの経営者だったとしよう、どうやって、犠牲者を店いれるかということに注目することになる。入れてしまえば、あとは脅して、ビール一杯で数万円を取り上げ、なんだかんだで持ちがねを全部、おとなしそうだったら、更にカードを使わせればいい。

 普通に店をあけていて、はたして客がはいってくるだろうか。はいってくるかもしれないが、一度入った客は2度ときてくれない。ぼったくり店には「常連さん」はいないのである。ここに他の店との違いがある。一度きた客を大事にすれば、その客も次にきてくれて、ドンドン売上が伸びるということではない。

 だから、普通に店をあけていては、何人か騙せば「あの店はぼったくりだよ」と知れ渡ったころに、売上は0になるわけだ。次から次へと新規に客を引きこまなければならない。しかし、広告をうつほど、金はない。だから、「客引き」「看板」「観光地」「若い女性」という手段にたよる。

1.客引き

 盛り場を歩いていると、必ず客引きがくる。客引きはいかにも、人のいいおじさんに見える。いろいろ、いい話をして、安いよ、いい子いるよ、店にきてよ、とささやく。で、友人などといると、じゃ、いってみるか、となる。

 うまく経営できている店が、こんな、おっさんを使った客収集の手段をとるはずがないではないか。ぼったくり店に、客引きが多い、のではなく、客引きのほとんどはぼったくり、というのが現実である。客引きの勧める店は、ともかく避けるのが、賢い人間である。

 実は客引きも命がけである。ひっかかった客がよく、客引きをぶん殴るからである。

2.看板

 捨て看板である。これは風俗店などであろう、これらも、ぼったくりが多いと聞く。気をつけたほうがいい。また、最近は、人間が看板をもったまま、かかしのように突っ立っている場合もある。彼らのほとんどは、店の内容については何も話さないそうである。

3.観光地

 場所であるが、地元の人間しか行かない場所に、ぼったくりを置いてもすぐに知れ渡ってしまって、客がこなくなる。観光地の盛り場などであれば、客はいくらでもやってくる。しかも、事情もわからないのに、なんとなく、冒険をしてみたくて、ついていってしまう。「探検してみるか」などという好奇心を持ちやすい場所が狙い目である。観光地では、事前にガイドなどを読んだり、地元の人に聞いたりして、情報を仕入れておくことだ。親切そうなタクシーの運転手などに聞くと、きっと、いい店につれていってくれる。すくなくとも、「危ない場所」くらいは調べておこう。

4.若い女性

 男性のおろかな下心を利用した手である。若い女性がいかにも、「つまんないなあ、声かけてほしいなあ」といった感じで盛り場をうろうろしている。声をかけると、「知っている店にいこうよお」といって、男性をつれていく。もちろん、女性の方から、男性のほうに「ねえ、遊ぼうよ」と声をかける場合もある。

 つれていかれた店は、カラオケバーだとかいっているが、ぼったくりバーで恐いお兄さんが会計時にやってくる。金を払って、店を出ても、彼女たちは、そんな店になったとは知らなかったとシラをきるわけだ。

 別れると、女性たちは、また、次の獲物を探す。女性たちは連れて行った男性の数に応じて報酬を受け取ることができる。

 最近、この手口は、東京の歌舞伎町などでも盛んに行なわれている手法である。盛り場ではじめて知り合った女性が、はじめから、XXXXに行こうよと執拗に繰り返したら要注意であろう。電話をかけにいくふりをして、「あ、ごめん、今から急に戻らなければならなくなった。」とかなんとか言って、かえることだ。

5.総論

 つまり、観光地、出張先では、情報を集めてから、安心できる店にいくことだ。出たとこ勝負の冒険だ!、とか軽はずみなことをしないことだ。冒険代が高くつきすぎてもいやだろう。

 店の前ならいざしらず、何10メートルもはなれた場所から、客を集めているというのは、よっぽど、常連がいない(ぼったくりということ)ということになるではないか。

 有名な観光地には、あり地獄のようにカモを待っているぼったくりが多いのである。

6.被害者

 悪徳商法の被害者になる人間と、ならない人間。その違い、差について誤った考え方が常識化している。

 「ひっかかった奴も甘いんだよ。欲出すからさ。俺は慎重だからな。そんなのにひっかからないよ」というやつである。

 これぞ、悪徳商法に関する最も見識のない、あさはかな意見である。こういうことを恥ずかしくもなく言う人間がいる間は、悪徳商法はなくならないだろう。悪徳商法側もこういう人間が増えてくれると嬉しいと思われる。

 「被害者となった人間と、ならなかった人間。なんの差もない。俺も同じ立場なら引っかかるだろう。ますます慎重にならなければ。人の経験はよーく聞いて自分の糧にしよう」これが正解なのだ、

 その理由をいう。まず、被害をうける際には、悪徳商法の相手は人間の持つ欲望にあわせてワナをかけてくるわけだ。「楽して金を儲けたい」「すてきな恋人をつかみたい」「割安のものがあれば、ぜひ買いたい」 「人を信じたい」「幸せになりたい」などの欲望である。これには、被害者もそうでない人も差が全くない思う、誰でもそういう欲望をもっているのだ。で、その程度にも差はない。

 じゃ、なぜ、かかったのか?情報の差である、「そういう人を騙して金とろうとする人間が世の中にいるんだ」「こうい手口だと人を騙せるんだ」といった情報を知っている人は騙されなかったし、知らなかった人間は、騙された。情報をもっていれば、そのパターンでは人間は自然に慎重になるのだ。賢いとか賢くないとかの問題ではまったくない。同じような騙しの環境におかれれば、情報の差がなければみんな騙されるのである。

 「ひっかかった奴も甘いんだよ。欲出すからさ。俺は慎重だからな。そんなのにひっかからないよ」このよくきかれる、うぬぼれの言葉が誤っていることを分かってもらいたいのだ。

  ひっかかった奴も甘いんだよ。欲出すからさ。−> あなたにも同じ欲望があります。別に特別な人がかかるのではありません。
  俺は慎重だからな。ー> いつ、あなたは慎重になるのですか?こういうときにやばいぞ、っていう知識からきているんでしょう?
    そんなのにひっかからないよ ー> ひっかからないのは、意志ではどうにもなりません。それに誰でもひっかかりたくないのです。 

 だからこそ、騙された人間の体験をよくきき、自分の体験のように思えるかどうかが大切なのだ。情報の差なのである。

 俺はかかんないよ、人生の達人だからね。なんていってる人間こそ騙しやすい。中には、「偵察にいってやれ」などといって、わざわざ物見遊山のつもりなのか、悪徳商法の集まりにいったりする。愚かな行為である。彼らはプロであり、そんな相手すら騙す手法すらもっているものだ。危うきに近寄らずなのである。
 謙虚に人の被害、体験、反省などに耳を傾けたいものである。
 うぬぼれているうちに聞いたこともない、あたらしい手口にひっかかって、あわてないようにお互いしたいものです。他人の誤りは、よくみえるし、馬鹿にみえるのです。でもそれは誤りなのです。

7.確率サギ

 これから述べる行為に、何の疑問も感じないあなたは、完全にこのサギのパターンにひっかかる。

 風邪にかかった人がいた。ここに薬屋が来ていった。「ここに風邪に非常に効く薬がある。貴重なものなので、価格は高い。1万円である。1週間以内に直らなかったら、全額お金をおかえしする。」

 これがサギであることがわかるだろうか?私がこのサギをやるとして、風邪の人100人に、ただの小麦粉を1万円でうるのだ。もちろん、小麦粉がきくわけがない。でも、100人に配れば、そのうちの多くの人は、1週間以内に風邪が自然に直るだろう。この人以外は、1万円を返すのだが、1週間で直った人には、返す必要がない。「なおってよかったです、ありがとう」などと礼まで言われるだろう。かくして小麦粉を配っただけで、数10万円の利益をえることができる。

 この手法の巧妙な点がわかりましたか?わからなかったら、ヤバイです。1万円でうって、効果なかったら、1万円を返すだけでよい(つまり0になる)というのが、サギなのだ。本来なら、1万円を返すだけでなく、損害を賠償しなければならないのだ。

 この手法は、マルチ商法みたいなものであり、いろんな材料に応用できる。つまり基本手法なのだ。この手法を私は「確率サギ」と命名している。確率的に負けるはずのないサギだからだ。科学的思考ができないとこの手法にひっかかる。

 では以下にこの手法の応用例を示すので、じっくり読んで、この手法の恐さをしってほしい。

1.ギャンブルのコーチ屋

 競馬でも、競輪でもなんでもいい。会場に行って、お金を持っていそうな人に近づく。なんとか、会話をかわして、親しくなったあとにこう切り出す。「あのー。実は次のレースですが、私、秘密の情報を持っているんです。お教えしましょうか?いえいえ、情報料なんていりません。お近づきのしるしです。」といって、ある目を極秘情報だといっておしえる。
 これを、何人もの人間に、やるのだが、そのたびに教える目を変えるのだ。
 そして、レース。教えた目のどれかが当たる。はずれを教えて相手には、近づかない。さようならである。当たった相手に近づき。「よかったですね。当たって」と笑顔で近づく。だいたいの人は「情報教えていただいてありがとう。ほんのお礼です」といって金をくれる。
 本当にこうやって、金を稼いでいる人がいるそうである。

2.公団住宅申し込み代行業

 「わが社に、代行させますと、公団住宅の当選確率が、大幅にアップしますよ。お申し込みください。お金は当選してからで結構です」と大量の人に申し込みをさせる。ところが特別なことはなにもしない。単に、公団申込書を出すだけである。
 このうちの何人かは、いうまでもなく当選する。当選した人には「おめでとうございます。では、XX万円をお送りください」と振込み用紙を送ればいい。実際に行なわれている商法である。

 その他にも、これは悪徳商法ではないが、よく教育機関が発表する「わが、教育機関を受けていただいた方が、資格試験合格者の80%をしめました!」というやつがある。ところが有名な教育機関だと、その教育が効果あったかどうかなど関係なく、みんなが受講していたということが多い。つまり、合格に直接結びついた優秀な教育とは限らないということだ。彼らは決して「わが教育を受けた方の半分が不合格でした」ということは発表しない。集合論で考えてほしい。「合格者の80%がAの教育を受けた」と「Aの教育をうけた80%が不合格者だった」というのは、両方が同時に成立できるのだということを知って欲しい。言葉の魔術である。

 この確率サギの手法の本質は「何もしないで、うまくいったときには、わが功績。しっぱいしたのは知らん振り」ということである。わかりにくいし、世の中にこの手法を使った悪徳商法が蔓延している。非常にかかりやすい悪徳商法の手法であるから、注意してほしい。今後も多くの商法で取りいれられると思われる。

8.郵便・宅配

 郵便・宅配を使用した悪徳商法を述べてみたい。

1.商品を送りつける

 いきなり商品を送りつけて、「いらなければ送り返せ。いるんなら金おくれ」という奴。ネガティブオプションである。最近はかなり手口も、必要な対応も知れ渡ったようだ。あまり聞かれない。これは法律で決められた経過をたどれば処分できる。

2.代金引換郵便

 ある日、自宅に代金引換郵便がやってくる。自分1人であれば、そんなもの払えないと拒絶するだろうが、家族がいるときが問題だ。大家族とかだと、「あれ、XXXが頼んだのかなあ」とついお金を払ってしまう。もちろん、頼んだ覚えもないし、中にはガラクタが入っている。家族の連絡を密にし、家族から聞いていなければ、受け取り拒否をするようにするしかない。
 ダイヤルQ2もNTTが当初、寄付などの目的を想定していたが、ああなってしまった。代金引換も既に悪用されている。

3.アンケートはがき

 アンケートはがきを見ると、意外に躊躇することなく、きちんと自分の属性を書いて疑いもなく送ってしまう。雑誌などについていると、もう安心してしまう。でも、投資ジャーナル事件では、投資ジャーナルという雑誌についていたアンケートが、電話勧誘の顧客候補リストとして用いられていた。正直に書けば、それは、悪徳商法も勧誘時の有力な情報になってしまうのだ。インターネット関連でも、書いたけど、アンケートに安易に個人情報を書くな!投資関連だけでなく、他の分野の悪徳商法も、きっと、このアンケートを使った顧客情報収集を行なっている。

4.往復はがき

 往信はがきに、誘い文句(儲け話など)を書いて、返信はがきに名前と資料請求などを書かせれば、安く被害者有力候補リストを作成可能だ。そういったはがきを返してくること自体がもう、ひっかかりやすいですよー、と自分から連絡してきたようなものだからだ。さて、心しておいてほしいのであるが、資料請求などといっても、向こうは平気で電話をかけて勧誘を行なってくる。怪しい往復はがきには、資料請求であっても返信してはならない。

5.封筒

 封筒だと、立派なカタログや、入念に開発された資料をたっぷり入れることができる。有名人の推薦の言葉や、すでにうまい汁をすった人間の喜び?の言葉なども入っている。うまく、読む人の欲望をくすぐる文句が並べられており、読めば読むほど、相手に説得されてしまう。今しかチャンスがない、さあ今こそお電話を、同封のはがきを投函して、とか書いてある。その後は、いずれにしても、勧誘のプロから電話がかかってくる。

 悪徳商法で使用するメールアドレスのリストはまだ、数少ないが、住所録はいくらでもあるし歴史もある。コンピュータを持っていない人でもターゲットにできるわけで、費用はかかるが、その分ターゲットを広く設定できる。

9.プライド・自慢

 といっても格闘技の話題ではない。

 彼女と2人でいるときに、電車の中で、いかにも変な奴が近づいてきた。よく、彼女の前でいいカッコみせようとして、平気な風をよそおい。余裕の冷静の表情して、対応する、というのがほとんどだろう。そうでないと、気の小さい人間に見られてしまうし、プライドの問題もある。しかし、ある心理学者がいっていたが、これは危険だそうである。不自然なのだそうだ。未知の危険に遭遇した際には、自然の恐怖を表現し、顔をひきつらせ、相手に向き合い、全身を素直に警戒態勢においたほうが、すぐに緊急事態に対応でき、いいそうなのだ。

 人間のプライドというのは、いい面もあるが、緊急の事態には不便な面もあるのである。たとえば、悪徳商法にかかったことがわかった。これは緊急事態である。通常なら、不安やら、動揺やら、誰かに相談したくなる。金銭被害も大きければ寝込みたくなる。泣き出したくなることもあるだろう。

 それが自然なのだ。その自然のとおりに振舞うべきなのだ。すなわち、家族に相談して協力を仰いで頭をかかえこんでもいい、友人に話してなぐさめてもらったりアドバイスをうけてもいい、しかも、真っ青な顔をして、消費生活センターに電話かけこみしたりする、それが本能の命じる危険回避の行動なのだ。そのとおりにすればいい。

 ところが、プライドなどというものがある。特に年齢はあがってきて(中年とか)、この歳でひっかかるなんて、恥ずかしい、そんなこと誰にもいえないし相談できない。隠しておこう、なんとか、秘密裏に処理しよう、家族にも黙っていよう。若者なら、親にいつもたてついている手前、相談しにくい、または、親に心配をかけたくない、カッコわるい、とか思ってしまう。

 これが良くない対応なのである。悪徳商法にかかって、すぐに応急処置をしないで、悪化させ、手遅れにしてから、明るみに出したりする。悪化とは、2次被害や、誤った対応などを指す。また先物などで、取り返してやろうと、更に損害を大きくしてしまうことを指す。最後に追い詰められて、自殺をかんがえたりもしてしまう。

 友人に相談し、簡単なアドバイスをもらって、助かったり、経験豊富な父親などのノウハウを聞いたり、一刻も早く、しかるべき窓口に相談して、解決に向かったりできる。家族の前で泣き出せば、精神的に安定し落ち着いて判断できるようになり正しい行動を取れたりしたはずなのだ。子供などは自分が考えるよりはるかに父親のことを心配しているのだ。「やばい状態になったら、子供に戻って素直な行動を取ろう!

 され、次に自慢やプライドを材料にした悪徳商法を。有名なのが、紳士録であろう。中年とかになって、一流企業、役職者などになったり、事業が成功したりすると、自分が人生の成功者になったような気がしてくる(らしい)。そうして、そこに業者はつけこんでくる。「XXさまのような、人生に成功された皆様をお選びしてお電話をしております。せひ、XX様のお名前を私どもXX紳士録に掲載させていただきたく...」おお、やっぱりみてるところは見てるな、などと内心得意になってしまう。

 結局、掲載料や、1冊購入することになってしまう。これだけでも馬鹿にならない。そうして、1度掲載されると、これは毎年掲載される。そのたびに掲載料を払わされたりする。たまらず、掲載をやめてください、などと言おうものなら、「1名の名前をはずすためには、あとのページを全部、一名分前にずらさなけらばならないんですよ。その分の損害を払ってください」とくるのである。

 以前に書いた、秘密クラブでの「女性の相手をするホスト」になりませんかの商法などでも、自分のルックスに対する自信をうまくくすぐっている。また、啓発教育(通信教育、セミナーなど)などの電話勧誘でも、トークにしつこく「...この教育のメンバは、誰でもではなく、私どもが立派な業績を残された信用できる方だけが入る権利を持っているのです」といったフレーズをいれている。

 彼らは、人間のくすぐったい箇所を知っている。だから、そこをくすぐられて、判断力を失わないようにしよう。

10.横並び

 バブル時には、「人と同じはいやだ。自分が一番目立つんだ!」といった感じで、ディスコのお立ち台が現れる。不景気な今は「人と同じことをやる。人、友達と違うことをやってしまうのは恐い。仲間はずれにならないようにしよう。みんんなと一緒に動くと楽しい」といった感じで、パラパラが現れた(ホントか?)。

 そうでなくても、人と違う、ということには誰でも不安感を持つ。不安を解消するために、人と同じになろうとする。これは昔から同じだ。「みんな、もう塾いってんだよ。僕もいかせてよ」この言葉に親は弱い。「となりでは、毎年旅行いってるのよ。うちもいきましょうよ」この「まわりの人と私だけ違う。仲間はずれになる」という不安感を悪徳商法はいうまでもなく利用する。

 訪問販売でウソをつく。「あのーこの周りの近所の皆様は、みなさん、購入されましたよ」「アパートの向かいのご家庭はもうご契約すみです」どの家でも同じことを言っている。昔の濃密な近所付き合いがあれば、すぐにバレるが今はまずばれない。私なら、そんなことを言われた瞬間、もうそのセールスマンを胡散臭く感じるようになってしまう。

 「みなさん、この方法で御小遣いを増やしておられるんですよ」あら、じゃ、私もその投資話のってみようかしら。「そうそう、あなたも、やってみなさいよ」

 「AAA社さんも、BB社さんも、実は当社のYYを導入されておられるんですよ、お客様のことを話しては本当はまずいんですが....」うーん、だから、うちより業績いいのか。

 「お隣も、XXXさんも、友達もみんな、UUUUUで、だんなさん、健康そのもの。ここ1年医者にかかったことないのよ。すごく効くんだから! ねえ。あなたも、1ダースかってみなさいよ」えー、みんなそうなって健康になってんだ。私もかおっと。

 「あら。Aさんは、買われないの? 他の皆さんはみんな今日、買ったのに」えー、10人もBさんの家にお呼ばれしたのに私だけ買わないの?この調理セット。買わないのまずいかしら。「買います」

 「あら、あの人も、あの30万の羽根布団かったわ。え、Aさんも手を上げた。買うのね。Bさんも..ほとんど買わないの私だけじゃない。あのー!買います!!」

 「えーこまったなあ。じゃ、これだけ言っても消火器、入れ替えないんですか?困ったなあ、3丁目でここだけだよ。面倒だなあ、またこなきゃ」

 これらの言葉がどういう悪徳商法の場面で使われるかはあえて書かない。今まで読んでくださった方であれば、おわかりになるだろう。

 みんながやっているから、私もやる、これはほとんどの場合は正しい。既に多くの人が判断したから、より正しい判断になっているだろうということで、そんなに誤っていない。おいしい食べ物、おいしいレストランなどではいい方法なのだろう。

 しかし、「高額なものを、向こうから売りに来た、または特殊な状況におかれて買う」場合には、この判断はやめたほうがいい。なぜなら、「みんな本当に買っているのか確認しない」し、「誤った判断も伝染しやすい」「サクラの可能性あり」だからである。この場合だけは、「名誉ある孤立」をお勧めした。「買うという行動はいつでもとれる。売り物は逃げない。ゆっくり判断してから買えばいい」

 なによりも、最近の悪徳商法の被害は、「みんなかかっている」のが特徴であり、多数が一度に被害にあうものが増えている。多数だから正しいと思う判断はよくないのである。

11.場所貸し

 サギ事件で、犯人が被害者に会う際に、超一流ホテルのロビーをいつも使っていた。ということが多い。ホテルの名声と、ロビーに座っている人間のステータスとは無関係であるが、なんとなく、超一流ホテルにいるのだから、一流に感じてしまうのだ。もちろん、このホテルで悪徳商法で騙されても、ホテルには何の責任もない。

 このほかにも、場所に超一流を使用して、あたかも、一流の信用できる人間・企業に見えるように錯覚を利用している悪徳商法がある。

 なんで、2つを無意識に関連つけてしまうのか。不思議である。

1.一流新聞、一流雑誌、一流TV?

 ここに広告をうっているからといって、別にそのメディアが、その会社の商売の適法性、社会性を保障しているわけではない。ある程度は判断しているどうが、それも確実ではない。広告は広告である。

 悪徳商法がマスコミで非難されだせば、さすがに広告出稿を拒否するだろうが。また世間が忘れれば、広告が出る可能性もある。その程度のことである。

 更に注意するべきは「ペイパブ」である。広告営業が主体となって、記事風の広告を掲載するのである。ここで徹底的に持ち上げることが可能だ。あくまでも広告だから、編集は関係ない。一見記事に見えるが、自由に企業側が内容を決定できる。気をつけて欲しい。ページの端に「広告のページ」とか書いているはずだ。

 ちなみに、たとえ、記事でその悪徳商法を持ち上げるような記事を書いてしまっても、別にそのメディアが責任をとるとは限らない。引っかからないように注意しなければならない度合いは変わりはない。

2.一流ホテル

 ロビーを使用した面会・商談などがある。ホテルマンと軽口をきいたからと信用できない。毎日いって口を聞いていれば、ホテルマンも接客だから、相手をしているだけだ。

 また、マルチのパーティ、セミナーなどもホテルを好んで会場として使用するようだ。

3.映画館

 よく映画館などでは、スピードくじを引かせ、「おお、あたりです!」とやっている。これも、映画館が単に業者(映画館側もわかっていないのだろう)に場所を貸しているだけだ。映画館が許可を取って、貸しているのだから、安心だ、などは何の意味もない。

4.有名巨大ビルへのオフィス、出店

 これは以前書きました。

5.今後予想される悪徳商法の場所借り

 ・有名メールマガジン: システム側も判明しだい、禁止しているようだが、そのときには既に被害者がでているわけだ。

 ・有名仮想商店街: モール運営者側をまず騙してから出店するだけのことである。被害が将来でたときに、モール側が保障してくれるのだろうか?

 ・有名サイトへのリンク: 悪徳商法のカモを探しているサイトを気付かずにリンクしてしまう場合なども予想される。

 十分注意しましょう。運営側と業者には、場所貸し以外の関係はありません。悪徳であるとわかれば、拒否するでしょうが。

 繰り返すが、その場所の一流さを、その場所を借りているすべてのものにつなげてはならない。なお、メディア、そして、サイト、メールマガジンの運営側も利用されないように注意していかなければならない。

12.書類

 契約は、口頭でももちろん成立する。しかし、やはり証拠残しておかないと、トラブル時になにもできないので、契約に関する書面を作成しておくことになる。

 悪徳商法で出てくる書面としては、借用書、契約書などであろう。悪徳商法としても、被害者をひっかけたら、すかさず契約書を作らせ、あとは法律によって、被害者を苦しめるわけだ。つまり、悪徳商法で被害者がサインする書類は、悪徳企業側によって都合のいいことが圧縮されて書いてあるのである。で、契約書にサインする際に、慎重にそれを読んで確認すれば、やばいことがわかるのである。

 どんなに口うまく、ひっかけても、事実を契約書に書いてサインさせなければ、悪徳企業としては困るわけだ。契約書をサイン前にじっくり読めば、問題なく被害を避けることができる。でも、実際には、契約書などは読まれない。契約書はちゃんと読んで、「ああこれでいいですね」と双方が確認してサインする。しかし、ほとんどの被害者は読んでいないでサインする。これは悪徳企業側の思うツボなわけである。

 なぜ、読まないでサイン(押印)するのだろうか?「契約書の文章が読みづらい」「文章が異常に長い」「文章を読まなければならないと知らなかった」といったところだろうか?

 でも、文面が読みづらいのは、最初だけである。必ず読むくせをつけ、努力してでも目を通せば、苦労なく読めるようになってくる。やればできる、ということである。また、文章が長いというには、しょうがない。これがお金のやりとりなどの全てが書いてあるのだから。悪徳商法はわざと長く、かつ小さな文字で印刷したりして、被害者が読まないようにしている。だからそれを意識して、必ず契約書を読むくせをつけるのだ。

 日本人は契約書なんて、めんどくさい、形式的なものと考えるくせがついている。でも、それが間違っているのだ。考えかたをかえよう。必ずサイン前に契約書を読むのだ。読めなければならないのだ。それは世界的に当然なのだ。悪徳商法含めてトラブったときには、結局契約書の文言で、大変な差がうまれるのだから。

 サインする前に契約書を読んで疑問がうまれる。セールスマンなどに質問すると、「ああ、それは、まあ、非常の時のことを念のためにかいただけですよ」と軽くいうだろう。本当のときもあるのだが、それを真正直にとって、「ああ、そうなんですか。」とサインしてはならない。疑問に思ったら、ちゃんと聞いて、それでも満足できなければ、友人の契約書になれている人に聞くことをお勧めする。だからセールスマンには、「考えて、よければ明日サインしておきますよ」とかにして、その日はサインをしない。で、友人に聞く。「こういうこと書いてあったんだけど。これって、ほんとに普通、かくことなの?」と。

 中には、セールスマンの話を聞いてこういうことと思っていたけど、書類をみたら、そうなっていなかった、などということがある。それは悪徳商法である。また、貴方が、契約書をちゃんと読もうとしたら、やたら、せかしたり、読ませまいとする場合もおかしいと思っていいだろう。

 きちんとした企業なら逆に、自ら契約書などの説明をするものだ。(要点だけでも)読ませまい、読ませまい、とするのは変だ。また、何を聞いても、「それは形式的に一応そう書いてあるだけですよ、ほらそんなことに心配しないで」と早くサインさせようとするのも変だ。お金のやりとり、商品のやりとりに関する部分は、特によくチェックしよう。セールスマンの言っていることと違っていないかどうか。

 サイン(押印)する直前....それは、悪徳商法のわなから、脱する最後のチャンスでもあるわけだ。いやだったら、どんな状況でも、平気でサイン拒否をしよう!遠慮する必要はない。サインしたら、それに従わなくてはならないのだから。日本人は契約書を甘く見すぎているし、その割にはサイン(押印)を拒否できない。