2000/8/11 マンガ2

 記憶に残っているマンガを書きます。

1.地球防衛軍、新喜劇思想体系: 山上たつよし

 山上氏は、まず「光る風」という超傑作のシリアス恐怖マンガ(再度、日本が軍国主義になっていく様をかいた近未来もの)を連載した。

 突如、ギャグマンガに転向し、「がきでか」で有名になった。でも、ギャグマンガとしては、上記の2つのマンガの方が上だと思う。

 地球防衛軍は、短編だが、ギャグのエッセンスがこめられている。表紙からしてトンでおり、花嫁衣裳をした、ひげづらの中年男が指さしている。そして、地球の上空をゾウが編隊を組んで、とんでいく。

 地球防衛軍と信じている男と、地球を何がささえているかを悩む3人ぐみのはちゃめちゃマンガ。

 新喜劇思想体系は、連載ものであるが、もうめちゃくちゃである。ギャグ、エロ、ナンセンス、シュールレアリズムの連打である。特に殺人狂の医師夫婦と、その息子の異常性のマンガがすきである。新喜劇思想体系はまだ、文庫本サイズのマンガでよめるはずである。ぜひ、読んで欲しい。

 逆向という青年と、その仲間との日常を描いた異常マンガ。

2.ねじ式

 作者が、ネタが浮かばすコマって、「ええい、夢をかいてしまえ」と自分の夢をそのまま書いたものだそうである。シュールレアリズムだとか騒がれた。 「メメクラゲ」は実はXXクラゲの誤植だったそうである。

 このマンガは有名なのでみんなご存知ですよね。

3.タンタンボウの穴、砂かけ婆: 水木しげる

 水木しげるは、戦争で肩腕を失った漫画家である。ゲゲゲの鬼太郎とか悪魔くんで有名であるが、短編では純粋の恐怖マンガを残している。私はこれらが恐くて大好きであった。

 タンタンボウの穴は、最も恐怖を感じたマンガである。祭られていた何かを不敬し、たたりに会い、少しづつ、体のパーツを奪われていく様は鳥肌がたつ。

 砂かけ婆は、男がルックスをよくしてほしいと砂かけ婆に依頼し、交換条件に結婚するという約束をかわす。しかし、その男は約束をやぶってしまう。その男に恐るべき報復がまっていた...というストーリ。

 ゲゲゲの鬼太郎の、初期バージョンが墓場鬼太郎であり、育ての親を殺してしまう恐怖の妖怪として描かれている。

4.カムイ伝、忍者武芸帳: 白土三平

 カムイ伝は、江戸時代を生きる複数の「カムイ」を主人公とする大河マンガ。多くの漫画家を生んだ大赤字漫画誌「ガロ」に連載されていた。忍者カムイだけでなく、野犬のカムイなども主人公なのである。カムイ外伝は、抜忍カムイの物語でTVアニメとなった。特に私は野犬カムイの物語が印象的であった。自然の残酷さと脅威がたんたんと描写されていた。江戸時代の悲惨さをよく理解することができた。「いのちのツル」「五人組」「江戸時代の差別・非人」とか、江戸時代の用語をいろいろ知ることができた。

 カムイ伝は超大作で、連載の一応の区切りがついたとき、そこに「第一部終了」とあったとき、腰を抜かした。第一部で作者はなくなったが、作者は100巻程度の長さを考えていたのだろうか。

 忍者武芸帳は、一時、プレミアがついていた人気忍者マンガである。驚いたシーンがある。忍者が相手に首を切断されてしまう。敵が去ると、胴体が動き出し、自分の首を探し、それをつけ、なんと、糸で縫ってしまうのである。そして、生き返るのである。解説で、忍者は日ごろから、首を切られても、脊髄反射でちゃんと、糸で縫えるように訓練してあったというのである。そんな馬鹿なと今では思うけど、当時は忍者ってすげえんだなあと信じていた。

 また、別の機会にマンガについては書きます。