Dec 29, 2008

統計学復習メモ6: χ^2検定で独立性の検定

以前のメモではカイ2乗検定の例としてばらつきの検定(適合度の検定)をやってみたが、もう1つのカイ2乗検定の使われ方として、独立性の検定がある。これもやってみる。

プログラマー35歳定年説というのがある。あるプロジェクトにおいて、
35歳未満で、受けたバグ指摘件数が20件未満のプログラマーが45人、
35歳未満で、受けたバグ指摘件数が20件以上のプログラマーが15人、
35歳以上で、受けたバグ指摘件数が20件未満のプログラマーが25人、
35歳以上で、受けたバグ指摘件数が20件以上のプログラマーが15人、
だったとする。表にすると、

O(a,b)B<20B≧20
age<354515
age≧352515
(Bはバグ票数)である。暗雲が立ちこめてきたが、有意水準を95%として、35歳以上であることとバグ票数20件以上であることに相関はあるだろうか。

まず、age≧35とB≧20が独立の場合の理論値を計算する。age<35が60人、age≧35が40人、B<20が70人、B≧20が30人なので、これだけから考えると、B<20の70人は60:40でage<35とage≧35に分かれるので、それぞれ42人、28人である。同様に、B≧20の30人は18人、12人に分かれる。

E(a,b)B<20B≧20
age<354218
age≧352812
帰無仮説を、相関がない(独立である)と取ると、観測値が理論値から大きくばらついていれば棄却されるので、ピアソンのカイ2乗検定が使える。χ^2分布に従う、ピアソンの検定統計量
T=¥sum_{i=1}^n¥frac{(O_i-E_i)^2}{E_i}
を計算すると、T=(45-42)^2/42 + (25-28)^2/28 + (15-18)^2/18 + (15-12)^2/12≒1.79となる。このTは、4つの理論値を固定すると、4つの観測値のどれか1つが決まると定まるので、自由度は1である。自由度が1のχ^2分布の左側が95%になるχ^2の値は3.84なので、今回のTはばらついていない方(χ^2が小さい=理論値の通りに近い方)の95%に入っており、仮説は棄却されず、相関があるとは言えないことになる。

これは、B≧20かどうかで分けたのが明暗を分けた可能性があり、もしB≧25で分けると

O(a,b)B<25B≧25
age<35555
age≧353010
だったりした場合はT=5.23でOuchとなるので、あまりいい例ではないかも知れないが、そこまでは敢えて考えないことにする。


同じ考え方で、2つの属性で2x2に分類したデータから2つの属性の独立性を検定する方法を定式化してみる。1か2かを取る2つの属性をa,bとし、母数がnの、それぞれの属性の組み合わせに属する標本数の観測値を

O(a,b)b=1b=2
a=1x11x12
a=2x21x22
(x11+x12+x21+x22=n)とする。a,bを独立とした場合の期待値は、b=1について(a=1):(a=2)=(x11+x12):(x21+x22)、a=1について(b=1):(b=2)=(x11+x21):(x12+x22)…となるので、
nE(a,b)b=1b=2
a=1(x11+x12)(x11+x21)(x11+x12)(x12+x22)
a=2(x11+x21)(x21+x22)(x12+x22)(x21+x22)
の定数倍である。これらを全て足すと(x11+x12+x21+x22)^2=n^2なので、これらが期待値のn倍であり、1/nすれば期待値になることがわかる。
E(a,b)b=1b=2
a=1(x11+x12)(x11+x21)/n(x11+x12)(x12+x22)/n
a=2(x11+x21)(x21+x22)/n(x12+x22)(x21+x22)/n
これを、
O(a,b)b=1b=2sum
a=1x11x12a1
a=2x21x22a2
sumb1b2n
という風に行和、列和を取って整理すると、
E(a,b)b=1b=2
a=1a1b1/na1b2/n
a=2a2b1/na2b2/n
となる。検定統計量Tは、各セルの(O-E)^2/Eを合計したものなので、
T=¥sum_{i=1}^{2}¥sum_{j=1}^{2}¥frac{(x_{ij}-¥frac{a_ib_j}{n})^2}{¥frac{a_ib_j}{n}}
と書ける。これを自由度1のχ^2分布のχ^2の値として見れば良いわけである。

aがp個の値、bがq個の値を取る時も同じことが言えるので、
T=¥sum_{i=1}^{p}¥sum_{j=1}^{q}¥frac{(x_{ij}-¥frac{a_ib_j}{n})^2}{¥frac{a_ib_j}{n}}
(aiはa=iの標本の和、bjはb=jの標本の和)
となる。自由度は、aについては(p-1)、bについては(q-1)なので、全体としては(p-1)(q-1)である。

以上を踏まえて、もう1つ例題をやってみる。原理はわかったので、手計算チックな計算は卒業して、次はMaximaに組み込みのカイ2乗検定関数を使おう、と思って関数を探すと、手元のMaximaには入ってなかった。ExcelにはCHI2TEST()という名前でデフォルトで入ってるのだが、Maximaにはデフォルトでは入っていないらしい。上記の計算だけなら大して複雑じゃないので、自分で関数を作ってみる。

chi2test(x_,row_,col_):=block([i,j,n,a,b,chi2],
    a:map(lambda([i],sum(x_[i][j],j,1,col_)),create_list(i,i,1,row_)),
    b:map(lambda([j],sum(x_[i][j],i,1,row_)),create_list(j,j,1,col_)),
    n:sum(a[i],i,1,row_),
    chi2:sum(sum((x_[i][j]-a[i]*b[j]/n)^2/(a[i]*b[j]/n),j,1,col_),i,1,row_),
    print("chi^2=",chi2),
    print("95% confidence at",quantile_chi2(0.95,(row_-1)*(col_-1))),
    print("90% confidence at",quantile_chi2(0.90,(row_-1)*(col_-1))),
    chi2
)$
試しに
chi2test([[45,25],[15,15]],2,2),numer;
(numerは結果が分数になるのを避けるため)とやってみると、
chi^2= 1.785714285714286
95% confidence at 3.841458820694166
90% confidence at 2.705543454095465
と出力される。有意水準90%でも、2つの属性が独立である仮説は棄却されないことになる。

次の例は、バグの原因を設計ミス要因かコーディングミス要因かに分けて、さらにそれをプログラマーの年齢層で分けて数えてみたという架空のデータである。

O(a,b)設計ミスコーディングミス
30歳以上35歳未満176195
35歳以上40歳未満85139
40歳以上45歳未満90106
年齢層とバグの原因との間に相関はあるだろうか。

chi2test([[176,195],[85,139],[90,106]],3,2),numer;
これを実行すると、次の出力が得られる。
chi^2= 5.35085981290286
95% confidence at 5.991464547107982
90% confidence at 4.605170185988094
従って、有意水準を95%とすると、年齢層とバグの原因が独立であるという仮説は棄却されない。
有意水準を95%とすると、である。

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Posted at 22:53 in 数学 | WriteBacks (0)
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Dec 16, 2008

統計学復習メモ6: χ2検定で独立性の検定

以前のメモではカイ2乗検定の例としてばらつきの検定(適合度の検定)をやってみたが、もう1つのカイ2乗検定の使われ方として、独立性の検定がある。これもやってみる。

プログラマー35歳定年説というのがある。あるプロジェクトにおいて、
35歳未満で、受けたバグ指摘件数が20件未満のプログラマーが45人、
35歳未満で、受けたバグ指摘件数が20件以上のプログラマーが15人、
35歳以上で、受けたバグ指摘件数が20件未満のプログラマーが25人、
35歳以上で、受けたバグ指摘件数が20件以上のプログラマーが15人、
だったとする。表にすると、

O(a,b)B<20B≧20
age<354515
age≧352515
(Bはバグ票数)である。暗雲が立ちこめてきたが、信頼度を95%として、35歳以上であることとバグ票数20件以上であることに相関はあるだろうか。

まず、age≧35とB≧20が独立の場合の理論値を計算する。age<35が60人、age≧35が40人、B<20が70人、B≧20が30人なので、これだけから考えると、B<20の70人は60:40でage<35とage≧35に分かれるので、それぞれ42人、28人である。同様に、B≧20の30人は18人、12人に分かれる。

E(a,b)B<20B≧20
age<354218
age≧352812
帰無仮説を、相関がない(独立である)と取ると、観測値が理論値から大きくばらついていれば棄却されるので、ピアソンのカイ2乗検定が使える。χ2分布に従う、ピアソンの検定統計量
T=¥sum_{i=1}^n¥frac{(O_i-E_i)^2}{E_i}
を計算すると、T=(45-42)2/42 + (25-28)2/28 + (15-18)2/18 + (15-12)2/12≒1.79となる。このTは、4つの理論値を固定すると、4つの観測値のどれか1つが決まると定まるので、自由度は1である。自由度が1のχ2分布の左側が95%になるχ2の値は3.84なので、今回のTはばらついていない方(χ2が小さい=理論値の通りに近い方)の95%に入っており、仮説は棄却されず、相関があるとは言えないことになる。

これは、B≧20かどうかで分けたのが明暗を分けた可能性があり、もしB≧25で分けると

O(a,b)B<25B≧25
age<35555
age≧353010
だったりした場合はT=5.23でOuchとなるので、あまりいい例ではないかも知れないが、そこまでは敢えて考えないことにする。


同じ考え方で、2つの属性で2x2に分類したデータから2つの属性の独立性を検定する方法を定式化してみる。1か2かを取る2つの属性をa,bとし、母数がnの、それぞれの属性の組み合わせに属する標本数の観測値を

O(a,b)b=1b=2
a=1x11x12
a=2x21x22
(x11+x12+x21+x22=n)とする。a,bを独立とした場合の期待値は、b=1について(a=1):(a=2)=(x11+x12):(x21+x22)、a=1について(b=1):(b=2)=(x11+x21):(x12+x22)…となるので、
nE(a,b)b=1b=2
a=1(x11+x12)(x11+x21)(x11+x12)(x12+x22)
a=2(x11+x21)(x21+x22)(x12+x22)(x21+x22)
の定数倍である。これらを全て足すと(x11+x12+x21+x22)2=n2なので、これらが期待値のn倍であり、1/nすれば期待値になることがわかる。
E(a,b)b=1b=2
a=1(x11+x12)(x11+x21)/n(x11+x12)(x12+x22)/n
a=2(x11+x21)(x21+x22)/n(x12+x22)(x21+x22)/n
これを、
O(a,b)b=1b=2sum
a=1x11x12a1
a=2x21x22a2
sumb1b2n
という風に行和、列和を取って整理すると、
E(a,b)b=1b=2
a=1a1b1/na1b2/n
a=2a2b1/na2b2/n
となる。検定統計量Tは、各セルの(O-E)2/Eを合計したものなので、
T=¥sum_{i=1}^{2}¥sum_{j=1}^{2}¥frac{(x_{ij}-¥frac{a_ib_j}{n})^2}{¥frac{a_ib_j}{n}}
と書ける。これを自由度1のχ2分布のχ2の値として見れば良いわけである。

aがp個の値、bがq個の値を取る時も同じことが言えるので、
T=¥sum_{i=1}^{p}¥sum_{j=1}^{q}¥frac{(x_{ij}-¥frac{a_ib_j}{n})^2}{¥frac{a_ib_j}{n}}
(aiはa=iの標本の和、bjはb=jの標本の和)
となる。自由度は、aについては(p-1)、bについては(q-1)なので、全体としては(p-1)(q-1)である。

以上を踏まえて、もう1つ例題をやってみる。原理はわかったので、手計算チックな計算は卒業して、次はMaximaに組み込みのカイ2乗検定関数を使おう、と思って関数を探すと、手元のMaximaには入ってなかった。ExcelにはCHI2TEST()という名前でデフォルトで入ってるのだが、Maximaにはデフォルトでは入っていないらしい。上記の計算だけなら大して複雑じゃないので、自分で関数を作ってみる。

chi2test(x_,row_,col_):=block([i,j,n,a,b,chi2],
    a:map(lambda([i],sum(x_[i][j],j,1,col_)),create_list(i,i,1,row_)),
    b:map(lambda([j],sum(x_[i][j],i,1,row_)),create_list(j,j,1,col_)),
    n:sum(a[i],i,1,row_),
    chi2:sum(sum((x_[i][j]-a[i]*b[j]/n)^2/(a[i]*b[j]/n),j,1,col_),i,1,row_),
    print("chi^2=",chi2),
    print("95% confidence at",quantile_chi2(0.95,(row_-1)*(col_-1))),
    print("90% confidence at",quantile_chi2(0.90,(row_-1)*(col_-1))),
    chi2
)$
試しに
chi2test([[45,25],[15,15]],2,2),numer;
(numerは結果が分数になるのを避けるため)とやってみると、
chi^2= 1.785714285714286
95% confidence at 3.841458820694166
90% confidence at 2.705543454095465
と出力される。信頼度90%でも、2つの属性が独立である仮説は棄却されないことになる。

次の例は、バグの原因を設計ミス要因かコーディングミス要因かに分けて、さらにそれをプログラマーの年齢層で分けて数えてみたという架空のデータである。

O(a,b)設計ミスコーディングミス
30歳以上35歳未満176195
35歳以上40歳未満85139
40歳以上45歳未満90106
年齢層とバグの原因との間に相関はあるだろうか。

chi2test([[176,195],[85,139],[90,106]],3,2),numer;
これを実行すると、次の出力が得られる。
chi^2= 5.35085981290286
95% confidence at 5.991464547107982
90% confidence at 4.605170185988094
従って、信頼度を95%とすると、年齢層とバグの原因が独立であるという仮説は棄却されない。
信頼度を95%とすると、である。

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Posted at 21:50 in 数学 | WriteBacks (0)
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Dec 07, 2008

「〜ますでしょうか」

仕事でたくさんのメールを書いていると、日本語的にというか敬語的にというか、どう書くのが適切かわからなくなることがしばしばある。元々、筆者は国語が苦手なのである。中でも、「よろしいでしょうか」「合ってますでしょうか」などの「〜でしょうか」は長きに渡り決まり文句のように使い続けているのだが、書く度に違和感がある。

なぜ「よろしいでしょうか」に違和感があるかというと、語尾を肯定文にかえると「よろしいです」であり、デアル調に変えると「よろしいである」だからである。ファミ・コン語の「よろしかったでしょうか」は論外だが、「よろしいですか」より「よろしいでしょうか」の方が柔らかい気がするから使ってるのだが、「よろしいですか」でも問題は同じである。では「よろしいですか」の正しい敬語は何なのだろうか?

「合ってますでしょうか」については、「合ってますか」より柔らかい気がするから使ってるのだが、「合ってますですか」と考えると敬語が2重だし、これで既におかしいが、肯定文にして口語体に変えると「合ってるです」「合ってるだ」だ。

「合ってますでしょうか」などと書く時に時々思い出すことがある。
ある将棋の解説で、驚きをユーモラスに表す為に、解説者がわざと「これは…恐ろしいことに…寄ったですね〜。」、その後「これは…詰んだですね〜。」と言ったのを聞き、笑いながらもその表現にとても共感したことがある。その局面は、私にとっては「寄りましたね」→「詰みましたね」と表現されるより、「寄ったですね」→「詰んだですね」と表現されるべきものだったのである(関係ないが、「〜べき。」で終わる表現も違和感がある。「〜べし。」とすべし。じゃないのか?)。解説者の横の聞き手が「詰んだですか。」と返したかどうかははっきりと覚えていないが、その時に限り「詰んだですか」はありだったと思っている。
なぜその状況において「詰んだですね」しか有り得ないと思ったのだろう、私の言語感覚がおかしいからだろうか、とずっと考えている。「詰んだですね」の口語体は「詰んだだね」だから、おかしいことはおかしい。今の所、「これは『詰んだ』ですね」という伝聞調だったのだろうと思っているが、まだ自分で納得できていない。
とりあえず、そんな私の言語感覚でも「詰んだですね」は稀にしか正しくないのだから、「よろしいでしょうか」「合ってますでしょうか」も基本的に正しくないと思う。

閑話休題、「よろしい」の敬語は「よろしゅうございます」と読んだことがあるが、するとその疑問形は「よろしゅうございますか」だと思うが、私の仕事関係で実際に使われているのは見た記憶が無い。「合ってますでしょうか」は「合っておりますか」が正しいと記憶しているが、ちょっときつい気がする。「合っておりますでしょうか」だと元の問題が解決してないし、「合ってございますか」はやはり見た記憶が無い。「合ってます?」は結構見かけるが、また別な違和感があるので、私には書けない。

私には何年も前から気になっていて、おそらくその辺りには敏感になっているにも関わらず、未だ解決していないということは、少なくとも私が読んできたメールには私が納得する答えが無かったということだろう。敬語に無頓着な人以外は「よろしい」の疑問形や「合ってます」の疑問形を使わない表現方法を身に付けているのだろうか。

明日からまた「合ってますでしょうか」と書くんだろうな。気を緩めていると「合っておりますでございますでしょうか」等に進化してしまうかも知れない。

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Posted at 23:03 in 雑記 | WriteBacks (2)
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初めておじゃまいたします。本日URLを教えていただいたので早速遊びに来ました。 このエントリー、笑い転げながら読みましたよ~ (^o^) 私も改まった文章を書く際にはいつも違和感と戦っているので 似たようなことを考えている人がいるとわかってうれしいです♪ 「合ってますか?」を柔らかく書きたい場合の決まり文句として 最近は「認識合いますでしょうか?」を愛用していますが、 いい表現に出会うたびに変えるので自分の中でも流行り廃れがありますね~。

Posted by ゆきねこ at 06/24/2010 12:03:19 AM

早速の御チェケありがとうございます。 認識合いますでしたようで良かったでした。

Posted by ynomura at 06/24/2010 10:51:43 PM

Dec 06, 2008

統計学復習メモ5: χ2分布とχ2検定

以前のエントリーにて実際にやってみたが、カイ2乗分布とカイ2乗検定に軽く触れてみると、χ2の定義が違うので混乱した。カイ2乗分布で定義されるχ2
¥chi^2=¥sum_{i=1}^n ¥left(¥frac{x_i-¥mu_i}{¥sigma_i}¥right)^2
(xiは標本値、μiは平均、σiは標準偏差)であるのに対して、カイ2乗検定で使われるχ2
¥chi^2=¥sum_{i=1}^n¥frac{(O_i-E_i)^2}{E_i}
(Oは観測値(observed)、Eは期待値(expected)または理論値)である。何でそれらをχじゃなくわざわざχ2と置くんだ、ということも少し引っ掛かるが、それは分散のσ2の例もあるので、値の意味的にきっと何か2乗的、2乗系、2乗fulなんだろうと思って通り過ぎるとして、2つのχ2の式は関連がありそうに見えて何と何が対応するのかよくわからない。Σ内の分母は上のが分散なのに対して、下のは期待値である。分散で割るのと期待値で割るのは違うであろう。分母だけ見るからそう思うんだろうかと思ってΣ内全体を見ても、上のはお馴染みの(xが正規分布N(μ,σ2)に従う時の)標準正規分布N(0,1)に従う値の2乗であるし、下のは平均からの差の2乗を平均で割ってて、平均の大きさに比例しそうな、2乗的には見えない、奇妙な値である。まるで1つ期待値で割り忘れたかのような形をしている。

結論から書くと、上の2つの式は、何か対応がありそうな形はしているが、真正面からパーツ毎に対応させてようと考えるのはやめた方が良さそうだ。
落ち着いてWikipediaを眺めていると、「ピアソンのカイ2乗検定」という言葉が目に入った。カイ2乗検定というのも色々ある中で、以前のエントリーに書いた検定の例は、最もポピュラーな、ピアソンのカイ2乗検定というやつらしい。数学的に説明するのは大変難しいが、検定統計量
T=¥sum_{i=1}^n¥frac{(O_i-E_i)^2}{E_i}
がカイ2乗分布に従うことがピアソンによって示されているので、カイ2乗分布を使って、この検定統計量がある値以上になる確率を知ることができるということだ。
Tは、各事象の実際の発生回数と期待値とのずれ(ばらつき)が大きいほど大きくなるので、観測されたTが十分低い確率でしか起こらないかどうか、すなわちそのばらつきが十分低い確率でしか起こらないかどうかを、このピアソンの方法で知ることができる。
逆に、実際の発生回数を真実、期待値を仮説とすると、Tが十分大きければ、もしその仮説が正しいとするとかなり稀なことが実際には起こったということになり、むしろその仮説が間違っていると考える方が合理的であるので、ある仮説を確率的に誤りと見なす(仮説を棄却する)のに使えるということである。

N(0,1)に従う標本の2乗和と、カイ2乗検定の検定統計量の両方がχ2と定義されるから、学ぶ人が混乱するんだ、と思うのは筆者だけだろうか。きっと何か合理的な理由があるんだろうが、それならその理由を先に知っておかないと混乱の元になると思うが、筆者には未だに見つけられていない。

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Posted at 23:41 in 数学 | WriteBacks (0)
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Dec 04, 2008

Windows XPでのかな入力のトラブル記

今年の春、会社で異動になり、転勤先で新しいパソコンを買ってもらった。仕事柄、メールをよく打つようになった。秋には仕事にも慣れてきて、横の席の人がメールを打っている音が耳に入ってくるようになった。すごい速さでキーボードをヒットしている。画面上に日本語が何文字か増える間にも、やたらキーボードを叩いている気がした。
すると、自分のタイピングも気になり出した。何せローマ字入力は指が完全に覚えているし、文字数に対して打鍵数が多い。「させて頂きます」は"SASETEITADAKIMASU"、「申し訳ございません」は"MOUSIWAKEGOZAIMASENN"、「よろしくお願い致します」は"YOROSHIKUONEGAIITASHIMASU"である。我ながらよくこんなにたくさんキーを打ってるものだ、と思った。1つのメールを書く間の打鍵量は、数えてみたらすごいことになるのではないか。
そんなことを意識すると、キーボードのJIS配列のかなキーに目の焦点が合うようになってきた。9割以上の人がローマ字入力で日本語を打つこの時代に、まだあったのか。

よく見ると、我が家のパソコンのキーボードにも、アルファベットキーや数字キーを中心に、キーの1つ1つにひらがなが刻印されている。数字キーには「ぬふあうえおやゆよわ」、アルファベットキーの1段目はUキーから左に読んでいくと「なんかすいてた」である。

20年以上前に買ったMSX2パソコンにも、JIS配列が書かれていた。「12345」が「アイウエオ」、「QWERT」が「カキクケコ」であるアイウエオ配列も書かれていたので、JIS配列で打つ訳が無かった。
大学で触ったパソコンには、ローマ字かな入力があり、実質それが標準だったので、私もローマ字入力で日本語を打ち始めた。同時に電子メールも使い始めたので、指が完全にローマ字入力になった。
以後、キーボードにJIS配列の刻印があっても、まず意識することは無かった。

1日の日本語入力量が増えて、ますますキーボードのひらがなの刻印にピントが合うことが増えた。子音、母音、子音、母音、子音、子音、母音、子音、子音、子音、母音。日本語入力中もローマ字入力のために頭の中はアルファベットが流れ続けている。指が押し続けているアルファベットにはひらがなが書いてある。

私には、かな入力を試さないことは不可能だった。

家で練習を始めてから1ヶ月ちょっと経ったが、時間に余裕がある時に会社でかな入力を試し始めると、やはり打つのに時間がかかる。指が配列を十分に覚えていないことも、英数字や記号を打つのが面倒なのも要因だが、致命的な問題が、時々勝手にかな入力モードから英数入力モードに切り替わってしまうことだ。
会社で使っているパソコンはWindows XPで、日本語入力に関しては何も設定を変更していない。ALT+ひらがなキーを押してローマ字入力とかな入力を切り替えているだけである。それでいて、漢字変換しながらひらがなを入力し続けているだけで、ふと画面を見ると「スケジュール4a30p」と表示されていたりする。間違って英数入力モードに切り替えてしまったのかと思って、反射的に「半角・全角/漢字」を押してもう一度「うちあわせ」と打ち込むと、画面には「4a30p」と出る。
突然かな入力モードから全角の英数入力モードに切り替わるのである。しかも、言語バーの表示は「A」ではなく「あ」のままなので、いつ英数入力モードに切り替わったのかは打ってみないとわからない。よく起こる時は1分に1回くらい起こる。何度も何度もそんなことが起こると、時間のロスになるだけでなく、平常心を保てなくなる。使い物にならない。

1つのパターンとして、Internet Explorerの入力フォームで、かな入力して、スペースを何度か叩いて漢字変換の候補枠を出して、カタカナを選んで確定して、数字キーに割り当たっているひらがなを打ち込もうとすると、100%の確率で発生することが判った。「スケジュール」を候補窓で確定して入力し、「う」キーを押すと全角英数に切り替わってしまうのだ。これを防ぐ方法は、候補窓でカタカナを確定した後は「半角・全角/漢字」を2回押してリセットすることしか見つけていない。しかも、この現象が起こるのはその手順だけではない。
不思議なことに、ほとんど同じ状況を家のPCで再現しても、家のPCでは全く起こらない。OSはどちらもWindows XP、日本語入力FEPはどちらもデフォルトのMS-IMEである。

Webで調べ回った限りでは、正確な原因には辿り着けなかったが、同様の症状に遭った人は少なからず居るようで、MS-IMEのバグというのが定説のようであり、確実にこれを回避する方法はただ1つ、コントロールパネルの「地域と言語のオプション」で「詳細なテキスト サービスをオフにする」を有効にすることなのだそうである。

確かに、その設定をすることにより、上記の問題は全く起こらなくなった。しかし、この設定をすると、言語バーが貧弱になり、半透明にならなくなったり、タスクバーに入れても出しても見えなくなったりして、とても悲しくなる。なんともはや、という感じである。JIS配列は至る所のキーボードに刻印されていても、既に見捨てられているのだろうか。

参考:http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/630ctfmon/ctfmon.html
本件のバグに関する直接的な記述は無いが、色々バグがあるようだ。

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Posted at 23:31 in PC一般 | WriteBacks (2)
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リカバリーかけると 直るらしいですよ。

Posted by もちっこ at 04/23/2009 12:02:15 PM

そういう問題ではないようです。

Posted by ynomura at 04/23/2009 09:10:06 PM