8月、9月、10月とエルニーニョ現象のために雨が少なく、暑い日が続きました。地方でも牧場の草が枯れて牛のえさがなくなり大変だそうです。
このエルニーニョとは、スペイン語で『El Nino・男の子』という言葉。どうしてそんな名前になったのでしょう?私のスペイン語の家庭教師のローシー先生に聞いてみると、「男の子が暴れてるんじゃないの?」という答えでした。
毎年10月、11月は一番雨の多い季節なのに、乾季を思わせるジリジリ天気。30°Cを越える日が多く、何だかとても疲れます。
8月末にM先生の奥様が、3人目のお子さんをパナマで出産しました。教員夫人がパナマで出産したのは初めてのようです。
パナマで出産するには、先ず、産科で好きな先生を選びます。一カ月に一回程度の検診と、希望する時に超音波専門の先生の所で診てもらうことができます。(別料金ですが)
帝王切開が多いので、出産が近づくと小児科の先生を選んで産科の先生と一緒に出産日を決めます。本人の希望よりも、この日はラッキーな日だとか、その日は忙しいとか、
先生の都合で決まることも多いらしいです。
帝王切開では、ビキニが着れるよう、おへその下を横に少しだけ切ります。麻酔も手術も日本より上手で、回復も早いと言う経験者の話です。しかし、いくら回復が早いと言っても、たった3日で退院するのは信じられないことです。日本人以外の人は、産んだその日に大勢で病室に押しかけてパーティーをするそうで、ますます信じられません。
「退院してからもメイドさんがいるので日本で産むよりずっと楽だわ。」と言う人がほとんどです。
海外で出産した人は、子供の名前を付ける時に外国風のミドルネームをつけているようです。パナマはクリスチャンの国なので、生まれた日にちなんだ聖人の名前をミドルネーム(クリスチャンネーム)にするのが普通ですが、日本人は好き勝手なミドルネームをつけているようです。ちなみに、日本人がよくつけるミドルネームは『クリストバル』。これはコロンブスの名前から取っています。
9月の初めに、クナ族のおじさん(注1)にハンカチほどの小さい布にモラ刺繍をしてもらいたいと頼みました。(この時の私の胸算用・・一枚$5でやってもらえたら成功!)
私 「この布に、モラの刺繍をして欲しいのですが。」
ク 「オーケー、オーケー。すぐできます。」
私 「5枚頼みたいんだけど、1枚$3払うから?」
ク 「とんでもない。1枚$8もらわないと。」
私 「だめ、だめ。これくらいの大きさは他のお店で$3で売ってるんだから。」
ク 「じゃあ、$7。」
私 「だめ、だめ。高すぎる。他の人に頼むわ。」
ク 「んん・・。じゃあ$6。」
私 「5枚も頼むんだから$5ね。$25払いましょう。」
ク 「オーケー、オーケー。」
ここで、「やった!」と思ってはいけません。パナマ人相手にそううまくは行かないからです。デポジット(前払い金)(注2)を要求されますが、決して半分以上払ってはいけません。観察したところ、まじめそうなおじさんなので、私は$10払うことにしました。
彼は2週間後にできあがると約束しましたが、期日を守ることは100%あり得ません。
それを見越して3週間後に取りに行きます。
私 「頼んだモラはできた?」
ク 「あー、もう少しなんですよ。(注3)」
私 「じゃあ、今日は1枚か2枚だけでもいいからちょうだい!」
ク 「へへ・・これから作ろうと思ってたんですよ。あと3日待ってください。」
私 「え〜っ、一枚もできてないの!嘘つきね。(ぶつぶつ文句を言う)じゃあ、3日後に必ず来るからね。ちゃんとできてなかったら$10返してね!」
しかし、3日後にできる訳がないので、2週間後に行きます。その時はこわい顔の主人を連れて行きます。すると「2枚だけ作ったからお金は返さなくていいだろう。」と言います。そこでまたさんざん文句を言って帰ります。
2週間後に再々度行ってみると、注文とは全く別の変なモラを作っていました。
問題.こんなときあなたならどうしますか?
正解.あきらめる。それがパナマでうまくやって行く方法です。カッカしても疲れるだけだからです。
結局思いどおりの物を手に入れるためには、3倍の時間と、3倍の手間と、3倍の予備(15枚注文しなければ欲しい物は5枚揃わない)が必要だということを考えなければなりません。『忍耐』『脅かし』『あきらめ』これが、パナマ人と付き合う方法です。
注1 クナ族は普通女性がモラを縫い、男性は農業、漁業などに従事しています。中にはパナマ市内でマクドナルドなどの掃除やさんやパナマ料理のコックさんなどになってお金を稼いでいる姿も多く見られます。このおじさんはクナ族の男の人では珍しく器用にモラを縫う人で、デザインが素晴らしいので頼みました。
注2 特別に注文する場合はほとんどのお店でデポジットを要求されます。けれども、パナマでは希望どおりにできることはまず無いので、デポジットは『捨てたお金』と思える額にしておかなければなりません。デポジットを持ち逃げされた話もありますので。
注3 パナマ人の「もう少し」とか「あした出来る」と言う言葉は当てになりません。電話では話にならないことが多いので、直接何回も足を運ばねばなりません。女性だと甘く見られるので、主人を連れて行ってにらみを利かせるのは効果的です。
『ミニマックス』と言うのは中国人(台湾人といううわさもあるが)の八百屋さんです。パナマで唯一日本食を買えるお店なので、ほとんどの日本人が週に一度は訪れています。
昨年から『エバ・エアー(台湾航空)』がロスとパナマを直通で飛ぶようになり、ロスからの日本食がいろいろと店頭に並ぶようになりました。
納豆 二年前、納豆は立派なお土産でした。
食べたくても手に入らなかった物だけに、
今でも『納豆はごちそう』という思いが
強いです。
味噌 一年目は熟成し過ぎて真っ黒になった
お味噌が並んでいました。(多分船便で
取り寄せたためだと思いますが。)
半年後には、お店のご主人のお手製
味噌が店頭に並び、毎日お味噌汁が飲
めるようになりました。
そして、二年目の終わりには信州味噌
やらマルコメ味噌が買えるようになり、
我が家のメニューに『味噌おにぎり』登場。
けれどもこれは新潟にしかないメニューだっ
たのか、東京の方から珍しがられてしまいました。
カップめん 三年目半ばにしてようやくカップめんが手に入るようになりました。
それまでは一味違う『カップヌードル』¢70にラーメンスープの素を足して食べていた私たちは大喜び。けれども売始めは一つ$1.75だったのに、翌日には$3.50に値上げされていました。
おもち 去年のお正月に突然登場したのが大量の鏡餅。日本では鏡餅は飾るものだと言うことを知らなかったのか、ほとんど売れ残ってしまいました。
今年は真空パックの四角いもちが小豆の缶詰(三日で売り切れたが)とともに売られるようになり、「それでいいんだよ。」とほめてやりたくなりました。
その他にも、いつもという訳にはいきませんが、青しそ、サツマイモ、ゴボウ、鳥取なし、里芋、山芋なども手に入るようになりました。主人の大好きなポッキーや、あてなの大好きな醤油せんべい(いつも湿気ているのですが買ってしまう。)、甘納豆やようかんまで、お菓子類も充実しつつあります。
このミニマックスでは日本人向けの食品と韓国人向けの食品を扱っていて、日本にいたときには知らなかったおもしろい食品を食べることができます。例えば、韓国のインスタントラーメン。『シーフード味』『焼き肉味』や『キムチ味』など、バリエーション豊かです。どれもすごく辛くておいしいです。韓国製のトウガラシや、色々なソース、
レトルトカレーなど、時々挑戦して食べています。それにしても、中国語はなんとなく漢字でどんな物なのかを推測できるのですが、韓国のものは??皆目分からず買うにも勇気が要ります。
9月 刑務所は囚人の思いのまま
ラホヤ刑務所、ラホッジータ刑務所の囚人らは、自分が入れられている監房の鍵を持って自由に刑務所内を散歩していた。また、2千を越える自家製ナイフの他、6百台以上のテレビ、ラジカセに加えて、ディスコ用音響装置まで持ち込んでいたことがわかった。さらに驚くことには、両刑務所には記録にない42人の囚人が無断で住み込んでいた。
・ 三食昼寝にディスコまでついた刑務所は居心地が良かったのでしょう。
偽の医師免許で営業していた14人を逮捕。
・ 噂では、パナマ大の医学部は結構水準が高く、免許を取れない学生がメキシコに行ってお金で卒業証書とライセンスを買って来るそうです。メキシコにいた方の話では、同じような日本人の学生もたくさんいるそうですので、「この医者はヤブだな。」 と思った時には、「もしかしてメキシコに留学しませんでしたか?」と聞いてみるのもいいかも知れません。
パナマでは優秀な医師はアメリカや日本に留学し、研鑽を積みます。アメリカで取ったライセンスは宣伝になります。ローシー先生のご主人は、日本の東北大学で三年間研究し、3ページにわたって新聞に紹介された有名人です。
10月 ジュースにコカインが
ボーデン社製、紙パック入りグレープジュース1500ケースが昨日当局により押収された。このジュースにはコカインが大量に含まれていた。
女の子(9歳)が学校の休憩時間に、家から持って来たジュースを飲んだ所、意識不明となり、病院に運ばれたが急性コカイン中毒で死亡するという事件が起きた。このジュースを飲んで死亡した女の子の父親はボーデン社に勤務しており、倉庫からジュースを盗んで家に持ち帰ったものを子供が飲んだために、今回のような事件になった。
その後の捜査では、ジュースの中から15キロのコカインが見つかり、コロンビアからパナマを経由してスペインに送られるはずだったことが分かった。
・ この事件以来、日本人は紙パックのジュースを一切買わなくなりました。
NOTICIAS
9月4日(土) 納涼祭がありました。各学年の父兄がお店を出し、子供がお客さんになって楽しむPTA行事です。
今年はあてなも頂いた浴衣を着て、心理と侑理と三人であちこちのお店に行って楽しみました。
今年からバザーが大々的になり、お母さん手作りの和菓子や漬物、ケーキに、手芸品、不用品、などが売られました。
9月12日(金) パナマにあるいろいろな国の大使館がお店を出すお祭り、『カラバナ』がありました。私が3年続けて買っているものは『キリン・ラガ ービール』なのですが、このごろ主人はパナマのビールの方がおいしいと言います。パナマビールは一本¢30。コカコーラよりも安いです。
9月27日(土) 学習発表会でした。心理と侑理の3年生は、ビデオを使って一人二役で登場の魔法使いのお話しでした。
心理はスペイン語劇のせりふを覚えられなくて、先生に宿題を出され、主人に特訓されていました。心理は本番に弱いのだ。
10月1日(水) 3月から習い初めて7カ月。やっと作品らしいモラが完成しました。
クナ族のモラは$30が相場ですが、私のモラは一体いくらなのでしょうか?
一回$5の授業料だけでも$100。
額代$50、材料費は$20。なんと高価な
モラになってしまった事か。
そんでもって主人いわく、
「やっぱりクナ族のモラはすごいよな。」
10月5日(日) 第200回記念3J会ゴルフ大会がありました。
さて、ずばり結果はどうか!・・・主人は目の手術をしてから左右の視力にものすごい差があって(0.6と2.0)、遠近感が分からず、スコ ア悪しで罰金。15位でした。(出場者は18人)
私は大使館の領事(校長より偉いのだ)と一緒の組みで緊張してボロボロ・・でも、ハンデが36もあるので7位でした。
スコアは散々だったものの、跳び賞で二人合わせて商品券$80とワインを獲得し、更に優勝者予想馬券で$30の当たり。しっかり参加費 以上を稼いで帰りました。
10月25日(土) 水泳大会でした。いつもは心理より速い
侑理が遅いので、「本番に弱い奴だ。」
と思っていたところ、水泳パンツのひもが
絡んでしまい、跳び込んだら脱げそうになった
と言うことでした。
やっぱり侑理も本番に弱いのかな・・・
10月31日(金) ハロウィーンでした。今年は心理も侑理も黒いTシャツにかつらで、
シンプルに。たくさんお菓子をもらって大喜びでした。