97年7,8月のようす


 今年の日本の夏はいかがでしょうか?日本から送られてくる雑誌のモデルが夏服を着ているのを見ると「ああ、日本も夏なんだな〜。」と思います。パナマにいると四季が無いので時間が止まっているように感じてしまいます。もしかして、この手紙が届くころはもう秋?

 

テンブレッケを教えた

 

 先生の奥様方の間で代々伝えられて来た手芸があります。その一つは『セラミカ』で、

ポジェーラという民族衣装を着た瀬戸物の人形を作ることです。

 そして、もう一つが『テンブレッケ』で大きな魚のうろこを使って髪飾りを作るものです。いつからか髪飾りは『あじさい』や『ばら』の花にアレンジされて額に納めた飾り物になりましたが、白いうろこを染めたり、切ったりして、うろこで作ったとは思えないような花が出来上がります。

 今回私が1、2年目の奥様方に教えることになったのは、私が上手だからでも、偉いからでもなく、去年作り方を教わったのが私しかいなかったからです。

 そんなわけで奥様方8人を家に招いて手作りのケーキなど供しながら教えることとなりました。教えながら、「ご自分で色いろ工夫して見てくださいね〜。」とか「いいですね〜。」などと声をかけていましたが、奥様方の作品はどんどん原型から離れた『ばら』に仕上がってきて、「やばい。」と思った時にはもう遅かったのでした。

 出来上がった作品は『つばき』だったり

『たけのこ』だったり、『防臭の友』

だったりして、とても個性豊かでした。

 来年の今頃は、これらの作品が『渡辺さんから

習ったのよ。』といって受け継がれるのだと思う

と、ちょっぴりさみしく思う私ですが、まっいっか・・。

 

 心理、侑理の誕生会

 

 7月9日は心理と侑理の誕生日でした。9歳になると靴のサイズが私と変わらなくなり、貴重な日本製の靴下を二人に取られてしまいます。

 身長は心理127cm、侑理131cm。双子ですが随分差がつきました。

 誕生会は明日が終業式という7月24日(木)のこと。玄関には花を、壁には風船を飾り、テーブルにはその週の初めから準備を始めたいろいろな料理を並べ、子供はコーラ、親はビールで乾杯です。

 

 招待するお客様は母親と子供たちで15人ほど。心理と侑理は大きな『レゴ』のセットをプレゼントしていただきました。

 こちらはお返しプレゼントを用意し、料理やゲームでもてなします。(料理だけでも$500ほどかかるのだ。) 誕生会では父親は全く無視されていて、企業の方はご主人が出張中や残業の日に催すことが多く、我が家の場合は「今日は誕生会だから、遅くまで仕事して来てね。」

という言葉で送り出します。その間に母親達は子供を遊ばせ、ビールを飲んで、交友を深めるのが『パナマ式誕生会』です。

 今年の誕生会はこれで3人とも終わったぞ!!ばんざーい。

 

 

 真也、目の手術

 

 7月末に主人が近視の手術を受けました。麻酔の効きが悪かったらしく、途中であまり痛がるので右目だけの手術になりました。片目だけ見えるようになって、視力が1.2と0.08という不揃いな状況になってしまいました。そのために今までのメガネをかければ右目が見えず、メガネを外せば左目が見えずで不自由ったらありません。

 おまけに手術後、目が真っ赤に充血して、「このままで大丈夫?」と心配になりました。術後10日ほどで白目は元どおりになりましたが、視力の差は広がる一方で、困ったものです。ちなみに費用は両目で$1800。(20万円くらい)日本の四分の一位です。

 

 土曜参観日

 

 7月12日(土)は参観日でした。参観日の楽しみは子供たちの様子を見ることと、他の県の先生の授業を見ることです。東京都から派遣された心理と侑理の担任の先生は理科が得意だそうで、『糸電話』の授業を見せてくれました。

 「糸電話の糸が足りないときに、糸の間に何をいれたら良いだろう。」

という問いかけに、子供達は「空き缶」「空き瓶」「風船」など先生が用意していないものを次々と発表。

      結局「紙やゴムひもや針金、ビニルを入

     れたらどうなるか、試して見よう。」と先

     生が引っ張って、グループで実験している

     うちに時間切れ。実験結果もバラバラだっ

     たので、ザワザワしている中、先生が、

     「糸の間にいろんなものを入れると音が小

     さくなったり良く聞こえたりするね。」と

     言って終わりました。

      4つのうちの3グループが「ゴムひもが

     良く聞こえた!」と断言していたので、不

     安が残ります。

      うちの子は分かってないな〜、きっと。                    

 

 夏の旅行

 

 8月1日〜9日までシカゴ、ナイアガラ、ボストンに行って来ました。

 旅行目的はパナマを離れて心身ともにリフレッシュすること。せっかく南米が近いのだから、『神々の指紋』で有名になったペルーのマチュピチュの遺跡に行って見たいものですが、私たちは渡航制限があって行けません。美術館巡りが好きなせいもあって、結局アメリカを選んでしまいます。そして、いつも思う事なのですが、

 ☆ アメリカはお金持ちだな〜(一日で回り切れないほどの美術館の入場料は$7くらい、動物園なんか無料。)

 ☆ 世界中の美術品を貯め込んでない?(浮世絵は日本よりたくさん持ってるのでは?エジプトのミイラもたくさんいるぞ。)

 ☆ アメリカの食文化って貧しいな〜(どこへ行ってもハンバーガーとポテトかピザ。御馳走は焼いただけの肉。)

 ☆ パナマのほうが美人が多いな〜(アメリカ人が美しいのは十代のころだけ。あとは太るかジムで鍛えて男みたいか。)

 ☆ アメリカ人は計算に弱いな〜($2.55の買い物に、$3.05出すとパニックに陥る。お釣りに $1.50もくれる。)

 

 シカゴ

 

 一番の目的は『シカゴ美術館』に行くことです。ここには主人の大好きな『グランドジャット島の日曜日の午後』という絵があり、『ゴッホの自画像』(帽子をかぶっていない)がありました。(いつもあてなの「何か食べたーい。」「おちっこー。」が始まり、ゆっくり見ることができないんだけどね。)

 

 シカゴには『ナイキタウン』があって、一つのビル全てがナイキの商品を扱っています。心理と侑理は、ここで記念の一足を買いました。

 夜になってレストランを探していると『マイケル・ジョーダン レストラン』の前に行列ができていました。思わず入ってしまいそうになりましたが、どうせハンバーガーと山ほどのポテトフライが出てくるのだろうと思い、やめました。 

 

 ナイアガラ

 

 アメリカの大自然で一度は見てみたいのが『ナイアガラの滝』ですが、滝を見るためだけに飛行機に乗り、バファロー空港から片道$45のタクシー代を払って滝まで行き、さらに一泊して帰るというのはぜいたくな観光だという気がします。

 ナイアガラを見ながら川に沿って歩き、滝をすぐそばで見るための『洞窟ツアー』でまた歩き、カナダ側から見たほうがすごいというのでさらに歩いてカナダまで行き、もう帰ろうよ〜と疲れ切って帰って来ました。(あてなはずっとコアラちゃん。)

 子供達にとっては夕食後のプールやジャグジーの方が楽しくて、私にとっては、翌日の『アウトレット』での買い物のほうが有意義だったと感じられてなりません。

 

 ボストン

 

 『ボストン美術館』は思ったより小さかったのですが、丁度日本の浮世絵展をやっているところで、安藤広重の『東海道五十三次』を見られてすごくラッキー!!

 子供のために行った『水族館』も一階から四階まで届く大きな水槽があって楽しめました。

 そして何より良かったのが『マーケットプレイス』で食べたロブスターです。生きているロブスターを目の前でゆでてくれます。一匹$9.95。お昼に一人一匹ずつ食べ、あまりのおいしさに夕食にも食べました。

 

 最後に、観光用の乗り降り自由なトロリーバスには二度と乗りたくありません。公園のベンチのような椅子は堅くて乗り心地が最低なうえ、一度降りると炎天下の中、次のバスを一時間も待たねばなりません。とうとう待ち切れなくてタクシーで次の観光ポイントに行き、最後は地下鉄で帰って来ました。無駄になったバス代は$50でした。

 

 マイアミ

 

 マイアミはパナマへの飛行機の乗り継ぎで寄るところなのですが、私たちの目当ては『祭り』という日本食レストランにあります。そこで特上にぎり($16)を食べるのが旅の楽しみになりました。ところが、マイアミでは何をやってもうまく行かない事だらけでした。

 ☆  空港でレンタカーを借りようとしたが予約をしていなかったため、何時間もかかって軽自動車のような小さい車しか借りられなかった。

 ☆  その車にはワイパーがついていなかった。そして、走り始めたとたん雨が降って来た。

 ☆  高速道路でタンクローリーが爆発する事故があり、渋滞だった。

 ☆  やっと着いた『祭り』は15分前に閉まっていた。

 ☆  ホテルの朝食がタダというので行って見ると、年会費ウン十万円のリゾートホテルの会員になるよう勧誘され、一時間も出発が遅れてしまった。

 ☆  慌てて『ベネチアン・プール』という世界一ゴージャスな公共プールへ行ったが「さあ、泳ぐぞ!」というときに雷が鳴り、水泳禁止になった。

 ☆  仕方ないので、もう一回『祭り』に行って見ると、土曜の昼は休みだった。

 ☆  あてなをおとなしくさせておくために最後のパワーを使い切ってしまった。

 ☆  パナマに着くと我が家だけ迎えの運転手さんが来ていなくて、2時間待たされた。

 

 予定通りに行かないことも多々ありましたが、家に無事帰れて泥棒にも入られていなかったので『すべて良し』だったと思います。

 

 NOTICIAS

 

 7月3、4日   日本人学校4〜6年生は移動教室でリオアトにある『森林保全技術開発センター』へ一泊二日の旅行に行きました。主人も引率           で、初めて参加。

          夜中まで星を見たり(さそり座が良く見える)

          怖い話をしたりして盛り上がりました。

         

 7月6日(日)  日本大使主催のゴルフ大会でした。日本人学校も男性全員参加でした。「大使を差し置いて優勝しても良いのか?」などと心配し           ていましたが、大会前に大使のお母様が亡くなられて帰国なさったため、大使抜きの大会になりました。優勝は今年赴任の先生で           した。         

 7月12日(土)  授業参観、PTA親子スポーツ大会の後、初めてボーリング場に行って見ました。ほとんど日本と変わりないのですが、ボールの数           が足りないのでお隣の人とボールが共有です。隣の人が我先にボールを取ってしまうのでなかなか投げる順番が回って来ませ           ん。

 

 7月13日(日) 3J会のゴルフ大会でした。主人の誕生日でしたが朝からいなかったのですっかり忘れてしまいました。成績は90で2位。

         自分でおめでとう&誕生プレゼントにパターを買ってました。

 7月18日(金)  日本人学校で新潟小を真似て『ギネス・空き缶積み大会』をしました。

          3年生の部では、心理があっと言う間に15本積み上げのんびり待っ

         ているという戦法で優勝確実と思われましたが、あと10秒というときに隣の子の巻き添えを食ってガラガラガシャン・・・。

          一方、侑理は見ている方がイライラす

          るほどのんびりやっていたのに、11本積んだ所

          で優勝してしまいました。

          次の全校チャンピオン大会にも、のんび

          り作戦で優勝。金メダルを二つ首にかけて

          うれしそうに帰って来ました。

 

 7月25日(金)  終業式でした。3週間の夏休みが始まりました。パナマの公立学校の休みは一週間だけです。あてなも28日から一週間、私を疲           れさせてくれます。

 

 8月15日(金)  パナマ市創立記念日でお休みです。去年、友人のK先生ご夫妻がパナマに遊びに来たときに夜になってパナマビエホという下          町の怪しいお祭りに行って夕食を食べたのでした。小林先生たちがいかにも危なそうで、今にも強盗に遭いそうな道を不安そうに歩          いていたのを思い出します。

 

 

   ☆ あてなが夏休みの間に2mくらい泳げるようになりました。

     やっぱり一年中泳いでいると違うな〜。