97年4月のようす

 


パナマでの生活も残すところ一年となりました。最後の一年間を無事に過ごしたいと思います。
主人や子供たちは同僚の方や友人、家族に会いたくて、早く日本に帰りたいと思っているようです。私はというと、メイド付きの専業主婦の座が惜しくて、あと2年くらいいてもいいなと思っているのですが・・・。

今年の乾季は随分長く、4月になってもさっぱり雨が降りません。ゴルフ場も日本人学校のグランドもからからに乾いて芝生は枯れ果て、見るも無残です。
3月末からパナマに遊びに来ていた私の父母は、一度もスコールを見ずに毎日「あ〜暑い。」と言って過ごしました。
母:「去年来たときは日焼けし過ぎて一年経ってもシミが取れないから、今年は日焼 けしないようにする。」
父:「去年来たときは日焼けし過ぎて床屋で黒人と思われたから、今年は魚釣りをあ まりしないようにしよう。」
と決意していましたが、雪国新潟県人の肌にはパナマの太陽は強すぎたようで、やっぱり一皮むけたようでした。

私たちといえば、一日一回の土砂降りスコールの涼しさより、乾季のかんかん照りの方が好きになり、時々ふと暗くなる空を見ては「雨よ、降らないでおくれ〜!」とパナマ人と同じことを言っています。
乾季が好きになった理由は、
・大雨の中での渋滞がないから。(雨季には、大水で車が浮かんだり、事故が起きたりして大渋滞も日常茶飯事。)
・午後も子づれで歩けるから。(歩いてる途中で降られたものには、子供3人抱えてどうすりゃいいの!です。)
・汗をかいてもベタベタしないから。(雨季になると朝昼晩とシャワーを浴びても足りません。)
・ゴルフで18ホール最後まで回れるから。(雨季のゴルフは雷が鳴ったらすぐに止めなくてはなりません。)
・靴が傷まないから。(今までにだめになった靴、家族みんなで23足。革靴は雨に濡れると 。パナマに長靴は売っていません。)
・メイドが遅刻しないから。(パナマでは雨は遅刻、欠勤の立派な理由になっています。)
・洗濯物を乾燥機にかけなくてもいいから。(タンスにしまう前に乾燥機にかけないとかびが生えます。)
・服や鞄にカビが生えていないか点検しなくていいから。(大事にしている物ほどかびがはえているもの。)など、いろいろあります。初めてパナマに来た頃、「毎日何でこんなに青空なんだろう?」と不思議に思ったものでした。やっぱりこの青空は新潟県人のあこがれです。


古ムーンペア(私の父母)と行った

<サンブラス島>

サンブラス島はパナマのカリブ海側に浮かぶたくさんの小さな島々です。海はとってもきれいで、熱帯魚はたくさんいるし、伊勢エビやカニはおいしいし、時々クジラやイルカも見られるそうです。サンブラス島に住んでいるのは昔からパナマに住んでいたクナ族の人たちで、今は特別自治区として認められているため、島を訪れるにはパスポートが必要です。
4月6日、春休み最後の日曜日。朝の4時頃から起き出して飛行場に行きました。島までは飛行機で片道45分くらい。ホテルに着いてから朝食が出るというので、飛行機の中で一眠りです。ところがその飛行機は大人10人がぎゅうぎゅう詰めでやっと乗れるくらいの超ミニプロペラ機で、一眠りなんてものではありませんでした。その上古いのか、
窓ガラスのネジが3つに1つは無くなっています。見れば見るほど『飛んでいる途中でドアが開いてずっと手で押さえていた。』という友人の話の通りのことが我が家にも起こりそうな気がして来ます。
「本当に飛ぶのかしら?」と思っているうちに飛び上がりましたが、低く飛んでも雲の上を飛んでも「ひぇ〜ぃ。」という悲鳴が口から出てしまいます。下に広がるジャングルを見てもサンゴ礁を見ても、「あそこに落ちたらどうしよう。」としか考えられません。絶えずふわぁとエレベーターが降りるときのような感覚が続き、あてながゲロゲロ・・親は冷や汗たらたら・・


やっとのことで島に到着したときはもうふらふらです。しかし、ついた島は滑走路だけの島なので、そこからボートでホテルの島へ渡ります。
小さな島々を見ながら、途中で燃料補給のため本島に寄りました。本島にはたくさんのクナ族の人たちが住んでいて、大小さまざまの木で作った小屋がならんでいます。
待っている間に海を覗いて見ると、底まで見える透明な水の中に大きな魚やエビ、カニがうようよいます。「すご〜い!きれ〜い。」と感動していると、双眼鏡を持った父が大発見をしてしまいました。「あっあれは何だ?」と指さした水面にプカプカ浮かんでいるのは紛れも無いウ〇コ。岸辺に並んで立っている小さな小屋は天然水洗トイレで、
魚たちが集まっている理由を知ってしまいました。
私たちはシ〜ンとなって、これから泳ぐ海のことや、ホテルの料理に出てくるカニやエビのこと、釣り上げるであろう魚のことなどを考えてしまいました。
しかし、ホテルについてみると、トイレは屋外天然水洗トイレでなかったのでほっとして、さっき見たことは忘れることにしました。ホテルは『ボヨ』という木の葉っぱで葺いた屋根の一戸建が6軒並んでいるだけです。さらに言うなら、その6軒とレストラン以外は何もない島なのでした。


そんなわけで一日中海に潜ったり、釣りをしたりしてのんびり過ごしました。イルカもサメも見られたし、金づちの母もちょっとだけ水に浮かんだし、あてなも野生のインコにえさを上げられたし、「もう一度行きたいね。」と言いながらも、「あの飛行機に乗らなくていいならね。」と思っているところです。

<サンタ・クララ>

4月13日(日)には魚釣りにサンタクララ海岸へ。父、主人、心理、侑理は釣り舟に乗りました。釣り舟は2時間で$40。ウミヘビみたいなぬるぬるした魚のほか5〜6匹の成果でした。心理と侑理は、海の真ん中に十字架の立っている小島の洞窟をくぐって来たと喜んでいました。
一方、母、私、あてなの3人は、海岸で馬に乗ったり、ボヨを借りて昼寝をしたりして過ごしました。馬は1時間$3です。一度馬に乗って見たいと思っていた母と私は馬を借りて見たものの、すぐにお尻が痛くなってリタイア。あてなばかりが馬のおじさんに手綱を引いてもらって散歩を楽しみました。

・ 今回の4週間のパナマ滞在では、父と母の二人でであちこち歩いていました。日本 大使館を見に行って、門番に「何か用か?」と聞かれたり、教会を覗いてみたり、魚 屋を見学した帰りにパナマ人しか行かないようなレストランでペプシを飲んだり・・ スペイン語が全然分からないのにタクシーまで乗って出掛けちゃいました。裏道など よく知っていて、私たちよりも街に詳しくなったかも知れません。
・ 4月27日に日本へ向けてパナマ空港から旅立ちましたが、飛行機が6時間も遅れた り途中で父が熱を出したりと大変な帰路となったそうです。二人合わせて120歳を越 える古ムーンペアの勇気と根性に拍手してやってください。

良かった良かったペルー日本大使公邸

4月22日(火)、ペルーの日本大使公邸の事件が無事解決しました。この日は学校の授業参観で決定的瞬間を見逃してしまったのですが、ケーブルテレビの『ペルーチャンネル』でペルー日本大使公邸の様子を24時間放送していました。日本でもきっと大ニュースだったと思います。フジモリ大統領のバスの中でのガッツポーズや橋本総理大臣やクリントン大統領も登場してスペイン語をしゃべっていました。(もちろん吹き替えです。)
同じニュースの繰り返しに飽きて、アメリカの『CNNニュース』を見てみると、サラッと扱われている程度で驚きました。「きっとクリントン大統領に内緒で攻撃したからへそ曲げてるんじゃないの?」と思いながらも気になったのは、「これからも日本人がテロの攻撃の標的になる可能性がある。」という言葉です。
実際、5月に入ってすぐにパナマの日本大使館に「爆弾を仕掛けた。」という怪電話が入り、半日大使館を閉鎖して捜査するという事件がありました。結果的にはただのいたずら電話だったのですが、不安は残ります。私たちも誘拐などされないように気をつけなければなりません。
一方、日本では最近『壊されたペルーの大使公邸を見に行くツアー』というのができたそうですが本当なのでしょうか?

Noticias

4月6日〜7日 サンブラス島へ旅行に行きました。一泊した翌日、主人は6時に空港 に着いて、8時から職員会議に出掛けて行きました。
4月9日(水) 今年度新派遣者3名がパナマに到着しました。
S先生(32歳)宮崎県 子供なし。
T先生(33歳)東京都 子供1人(1歳)
I先生(29歳)埼玉県 新婚 妻21歳。の3人です。

4月11日(金) 始業式・着任式・入学式でした。
主人は1年担任から急に6年担任へ。男4人女5人の計9人の子供た ちです。

4月17日(木) 主人は生まれて初めて5・6年生の家庭科を教えることに・・。お母 様方が「大丈夫なの?」と心配しています。
主人は私に聞きたいことがあっても「普段から家事を手伝っていれ ば良かったのよね〜。」と言われるのが嫌で意地になって一人で教材 研究しています。(ふっふっふっ いつまでもつかな・・)

4月18日(金) 学校で『1年生を迎える会』がありました。今年入学の1年生は男5 人女5人の10人です。元気の良さは全員パナマの幼稚園卒業だからで しょうか?

4月27日(日) 古ムーンペアが帰国しました。みんなでパナマの空港まで見送りに行 きました。すっかりおじいちゃん子になっていたあてなも、おばあちゃんに甘えっぱなしの心理、侑理も、さみしがっています。でも、また 一年後に会えると思うと、さみしさも半分くらいになりました。

4月28日(月) あてなが突然40度の熱を出しました。丁度同じころ、帰りの飛行機の 中で父が熱を出していたそうです。ご苦労様でした。