自衛隊法改正

 


 5月28日、「日米防衛協力のための指針」関連の二法案が公布され、これに伴い「自衛隊法の一部を改正する法律(平成11年法律第11条)」が公布、即日施行された。
ひとつは「周辺事態安全確保法(周辺事態に際して我が国の平和と安全を確保するための措置に関する法律)」であり、もうひとつは「在外邦人救出に関する法律(自衛隊法第100条改正)である。前者は3ヶ月以内の施行で、後者は即日施行である。
なお、これに関係する「日米物品役務相互提供協定(ACSA)」も一部改正される(公布は6月2日、発行は9月20日)。

(平成11年5月28日現在)


 周辺事態安全確保法の施行はまだなのでまたの機会と言うことにして、「在外邦人救出に関する法律(自衛隊法第100条改正)」は何処が変更されたのでしょうか。
ちと羅列してみます。

  改正前 改正後
輸送手段 ・自衛隊輸送機(政府専用機、空自輸送機) ・自衛隊輸送機(政府専用機、空自輸送機)
・艦船
・ヘリコプター
武器の使用 ・携行せず使用することはない ・隊法95条「武器等(艦船、航空機、車両等)の防護のための武器使用」の派遣先国での適用
・派遣先国における自衛官の携行する武器を、拳銃、小銃、機関銃に限定

 
他に、これまで規定の無かった「邦人救出に関する事前準備」として、
「在外邦人の輸送を実施する可能性があり、緊急事態後に本邦(日本)を出発したのでは任務を実施し得ない可能性がある場合、防衛庁長官は外務大臣の依頼に基づき、輸送の準備行為として、自衛隊の航空機や船舶を国外へ移動、待機させる。また、この移動・待機に当たっては、閣議の決定を行う」と決まった。

《未変更事項》
1.輸送の実施は派遣先国の空港・港湾や経路の安全確保が条件
2.戦闘機は、輸送にも護衛にも使用しない
3.機内、船内の安全確保のために警務官が携行する武器は拳銃に限定する
4.同乗させる外国人は邦人と同じ状況下で、所属国の要請を原則とする


 さて、この新法公布に関しては野党などから特に反対とかは無かったようですね。マスコミでも通信傍受法案の話題を中心にしていたので新聞などにも載らなかったし。
まぁ、ガイドライン関連の「目玉」は他にあるからね。


1999.6.5

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