いつだったか忘れたが、駅前に映画を見に行ったときのこと。
エレベータの前にチラシを置くテーブルがあって、そこに「秋田のアイドルグループついに誕生!!」と書かれた葉書大のチラシが置かれていた。
そんなことやってんのか、と思って持って帰ってきた。
今、大活躍中の“
pramo”である。
ネーミングは、“
praco (‘c’はセディーユつき)”という、ウェブマガジンがあり、そこの「モデル」だかららしい。
「プラモデル」というのが登録商標である、という話を聞いたことがある人も多いと思う。元は
マルサンが持っていたが、現在は日本プラスチックモデル工業協同組合が持っており、組合社は自由に使うことができる。
Wikipedia には、マルサンは「プラモ」も登録しようとしたが、取り下げた、との記述がある。
なお、仮にそれが成立したとしても、商標は定められた商品区分ごとに登録されるので、アイドルグループの名前がぶつかっても違反にはならない。
おそらく現時点では、秋田以外ではほとんど知られていないと思う。
しかし、praco の「とうとうプラッサから秋田初のアイドルユニットが誕生しました!」という
記事が出たのが今年の 4/26 で、やっと 3 ヶ月が経過したところなのだが、
秋田ダイハツ、
秋田 FORUS (俺がチラシを見つけた、映画館の入っているショッピングビル)、
TRUE HAIR (美容院だが、pramo のメイクも担当している)、
エフエム秋田、
アマノ (スーパー) とスポンサーがつき、ダイハツの CM やカタログにも登場、「pramo+」というラジオ番組も持ち、
サークルKサンクスのキャンペーンにも参加、まもなく CD も発売とマジで大活躍中。
で、ここはアイドル話をする場所ではない。
その「pramo+」の中に、「もっと知りたい秋田弁」というコーナーがある。12〜17 歳という、おそらく秋田弁話者ではない可能性の高い彼女達に、秋田弁を覚えてもらおうという趣旨。
番組が始まったのは 4 月頭らしく、そういうコーナーがあるのはずっと知っていたのだが、ラジオを聴く習慣がなく、そもそも月曜夜 19:00 には仕事中なので録音しておくしか方法がない、でもそういう奴の予約ってつい忘れちゃうんだよね、ということで、聞けるようになったのはごく最近。
いくつか溜まったところで、やっとご紹介と言うわけである。長ぇ前置き。
最初に聞いたのは、「
んだす・
んでねす・
んだがもさねす」。
勿論、一単語ではない。「そうです。そうではありません。そうかもしれません」。
「
んだ」が秋田に限らず東北で「そうだ」“yes”であることを知ってる人は多かろう。そこに「す」がつくことで、これが敬語表現となる。
これが面白いのは、番組中でも言われていたが、電話の会話を端で聞いている場合、こっち側にいる人の発言がこうなることがある、ということ。
pramo の二人がチャレンジしてみていたが、中々の発音だった。
確か一週おいて次の回が、「
まちぺ」。
これは聞いたことなかった。解説されていたのだが、意味は「まぶしい」。
『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』によれば、「
まじぺ」「
ましぽえ」「
まじこえ」「
まじけ」「
まちぷて」などの形もあるらしい。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』では、「
まじっぽい」という、近頃の人たちが違う意味で使いそうな形もある。
『秋田のことば』にはないが『語源探求』には解説があり、「まじ」は「まじまじ」の「まじ」で、「まばたかずにはおられないさま」だそうである。それに「ぽい」がくっついたもの。
「
まじっぽい」は、東北だけでなく神奈川辺りまで例があるそうな。
孫引きになるが、「まじめ」も同じ「まじ」だそうだ。瞬きするくらいしかできない緊張状態から、堅苦しい状態をカバーする語なんだそうだ。そういや「真面目」って書くもんなぁ。
次が、「
おべでけだすか」。
アイドルが気になるところであろう。「覚えてくれましたか」。
「おべでる」が「覚えている」だけでなく「知っている」という意味で使われることもある、というのはかなり前に触れたような気がする。
それにしても 48 人とかいう大所帯じゃなくて良かった。
俺って、おニャン子の時代から、団体の人たちって苦手。確かに、あれだけいたら一人くらい自分の「推しメン」がいるのかもしれないんだが、ドカンと塊で来られちゃうと、それを探してみようって気にならないのね。面倒くさくって。
ひょっとしたら、こういうのも「草食系」って言うのかもね。
pramo の中では、
KOMUGI と
SEREN がかわいいと思う。