Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜




第686夜

方言漫才ふたたび



 正月ネタが続くが。
 年末年始のお笑い攻勢。
 まぁ、攻勢とは言いながら、フジテレビの「爆笑ヒットパレード」と NHK の「初笑い東西寄席」というようないつものラインナップではある。「爆笑レッドカーペット」も見はしたが、それぞれの持ち時間が短すぎて却ってフラストレーションが溜まる。組み合わせ変更もネタが練られていないので、ぶっちゃけ面白くない。多分、もう見ないと思う。
 そういえば、「エンタの神様」が終わるという噂がある。現在の、ネタを羅列するだけのお笑いを主導してきた番組というイメージがあるが、それが本当なら当然の結果であろう。
 見るほうにも体力がなくなっていて、細切れの短いものでないと見てもらえない、という現実はあろうが、それに追随しちゃいかんと思う。

 さて、方言である。
 大分に、U字工事博多華丸・大吉のことを取り上げたが、同じように方言をネタとしている漫才にロケット団というのがいるということを初めて知った。こちらは山形らしい。
 最先端の英単語を山形弁で模倣するというネタ。“Security”が「(ストーブに) 石油入れて」など、ベタではあるがやっぱりこういうのはストレートにおかしい。
 聞くところによると、「スクール革命」という番組で「I-1 グランプリ (‘I’は『田舎』)」というのをやってたらしい。どういうものか、ネット上にはロケット団の部分しか見つからなかった。

 著作権上、問題があると思ってるので、動画サイトには近づかないようにしていたのだが、やっぱりググるとかなり上位に出てくるもんだから、見るようになってしまった…。

 その I-1 にはネゴシックスというピン芸人も出ていたらしい。
 これもネットで色々と見てみたが、方言をネタにしているのではなく、丸出しとは言わないまでも、語尾とかイントネーションがそうである、というもの。生まれは島根だそうである。

 島根と言えば、「ロマンチックが止まりもはん」。
 東宝シネマズが上映前に流しているマナー啓発と宣伝のためのショートムービー、「鷹の爪団」である。
 どうやら吉田君というのは島根出身らしい。総統を紹介するときに、「(総統を) 呼んでござりんす」とか言っている。
 このシリーズは非常に好きで、今の奴では、いとこの孝夫がヴァーさんに何をされたのか心配でしょうがないのだが、環境意識が高まる中、東宝シネマズは一刻も早く CO2 排出権を売り出すべきである。

 さて秋田である。
 確か、秋田高校出身の漫才師がいたはずだなーと思って調べたのだが、磁石の永沢たかしがそうらしい。
 愛形もとい相方の佐々木優介は広島。そのせいか、必ずしも方言を前面に押し出しているわけではないが、永沢の方は時折、「んだ」「なんもなんも」「さいさい」と言うなど、秋田弁を使っている。
 佐々木は一時、〆の言葉として「いい加減にしね」と言っていた様だが、これはやっぱり「死ね」だと思う人もいるだろうなぁ。
 今回、この文章を書くためにネットで彼らの漫才を見たのだが、俺としてはかなり好きである。なかなかテンポもいいし、パソコンの前で一人でゲラゲラ笑っていた。
 また、宮田陽・昇もいる。どういうわけか、この二人も秋田と広島のコンビである。
 残念ながらまだ見たことがない。上で紹介したロケット団、宮田陽・昇、ナイツ、ホンキートンクで「漫才協会の四天王」と言われるそうだが、ホンキートンクというのも見たことがない。どうやらテレビより寄席中心にやっているようである。

 ドタバタとかひな壇でコメントするだけの奴でない、芸を披露する番組は意外に多い。ラジオもあるし、俺は CATV に入っているから、実は結構な数になる。
 それなのにあまり見ないのは、番組表に誰が出演するのか書かれていないからである。いや、毎週オープニングだけでもチェックすればいいのかもしれないが、お笑いにそこまで入れ込むのもなんだか粋じゃないような気がするし。
 新聞は活字を大きくして読みやすさに気を遣っているようだが、その分、情報は減るわけで痛し痒し。「笑点」あたりは、毎週やってる大喜利の内容より、ゲスト芸人の名前を出すべきだと思う。うちの新聞だけかもしれないけどね。




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