Speak about Speech/Sentiment Subjects: Shuno the Fault-finder




「ケータイ語」



 本体である被修飾語が脱落して、修飾語だけが残っている例、追加 (「携帯」、「水性ボール」)。
定期 (券、預金)
 常連の DYO さんから、食い物に多いんじゃないか、という指摘をもらった。
ハンバーグ (ステーキ)
フランクフルト (ソーセージ)
ウィンナー (ソーセージ。「ワルツ」のこともある)
ナポリタン (スパゲティ)
中華 (そば)
 全部、地名だというのもまた興味深い。
「カレー (ライス)」なんてのも入ったりするかなぁ。

 で取り上げている『日本語の力』にも多数の例が挙げられていた。
ペット (ボトル)
バレー (ボール)
カッター (ナイフ、シャツ)
インゲン (マメ)
キントキ (イモ)
包丁 (刀)
田楽 (焼き。これは更に「おでん」となる)
摂氏 (温度) (以上、「『ちょっとマクっていいですか?」と聞かれたら (窪園晴夫)」)
電卓 (「電子卓上計算機」) (「漢字はお好きですか? (阿辻哲次)」)

 こういうのを、勝手に「ケータイ語」などと名づけてみた。



 DYO さんは、これを考え始めると仕事に手がつかないそうである。
アイス (クリーム)
フォーク (ソング)
マジック (インキ)
 なんか、考えればいくらでも出てくるような気がしてきた。

 被修飾語が落ちたわけではないが、「ピアノ」なんてのもある。
 これは、前身であるチェンバロでは音の強弱がつかられなかったのと違い、弱い音 (ピアノ) も強い音 (フォルテ) も弾ける、ということで「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」だったのだが、「ピアノフォルテ」になり、更に後半が落ちて「ピアノ」になったものだ。(060613)




 目に付くもの皆、こういう観点で見るようになってしまったそうだ。
画像 (ファイルをオープンする)
ざる (そば)
ジャンパー (スカート。更に「スタジャン」が生まれる)
カジュアル、フォーマル (スーツ)
 思いつきで特徴をあげると、
・被修飾語の修飾語への依存性が弱い
「携帯+電話」の場合、「固定電話」「自動車電話」などがあり、「電話」だけでは一意に決まらない。だから、被修飾語を落としたのではダメなのだろう。
 だが、「カラーテレビ」は「カラー」にはならなかった。
・短縮形がない(作りにくいのかもしれない)
「ハンバーグステーキ」は「ハンステ」にならなかった。
「ジャンパースカート」には「ジャンスカ」というのがあったような気がする。それにしても、英和辞典で“jumper”を調べると「ジャンパースカート」が上位にくるのはビックリした。
・容易に衝突する
「ざる」が「ざるそば」を指すのは、蕎麦屋で注文したときくらいである。「かけが食べたい」は、蕎麦屋にいるときと、刺身を目の前にしてるときとでは、食べたいものが違う。文脈の助けが必要。
 やっぱり、研究の価値がある現象なのかもしれない。(060614)






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